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恐怖の実験「スタンフォード監獄実験」から生まれた疑問と「やらせ」疑惑。

世界には面白い、しかし怖い実験が沢山有りますね。


その中でも特に有名なのが今回の「スタンフォード監獄実験」


怖くなりすぎて途中で実験が「中断」されるくらい、しかしとても興味深いデータ、人間の心理についての疑問ができる事となった、世界的にも超有名な実験です。


「スタンフォード」と聞くと、あの超有名大学が思い浮かぶでしょうが、今回のスタンフォード監獄実験、あの大学が主導していました。


何を隠そう、この実験が実施されたのがあの「スタンフォード大学」のキャンパス内、さらに実験を実施したのもスタンフォード大学の教授、生徒でした。


今回はそんな恐ろしいと言われた「スタンフォード監獄実験」について見ていきましょう。


スタンフォード監獄実験とは


スタンフォード監獄実験、そんな実験を聞いたことありますか?


スタンフォード大学が行った人間の「心理」を試す実験です。


心理実験ってちょっと怖いイメージありません?

その通りです、この実験はちょっとではなく、かなり「怖い」です。

世界的にも「怖い実験だった」と言われていて、しかし心理学の実験を語る上では絶対に避けては通れない、そんな重要なイベントです。


とても非人道的で、今じゃ絶対にこんな事大学でできません。


スタンフォード監獄実験の実験内容は映画化されるほど認知されているので、ここでは大まかに説明します。


まずスタンフォードの学生21人を集めたフィリップ・ジンバルドー教授。10人が受刑者、11人が看守役となります。


この時本物のパトカーまで用意したこだわりよう。

やるなら「逮捕」場面から、という事みたいです。


スタンフォードのキャンパスに作られた牢屋に囚人役の10人を入れ、その時にはしっかりと囚人服を着させ、逆に看守役には警棒やサングラスを支給。


小物も全部揃え、準備は万全。


限りなく本当の刑務所の状況にしました。


身体検査も実施、監獄までの手順も全部踏んでいます。


ルールは「怪我をさせてはいけない」という事。学生であるのでもちろん、安全の保証はする必要があります。


そのため、一応物理的なけが人は出ていません。


この集めた学生というのは「ボランティア」で内容を理解していた学生。自分で応募してきた生徒達です。


それから2週間の実験が幕を開けます。


この実験は「状況が人間の行動にもたらす影響」というのを証明し、環境によって人間の行動がどう影響されているのか、半洗脳して行った実験です。


中断された理由


当初は2週間実施される予定だったこの実験、6日目にして「中断」されます。


教授や一部参加者は続けたかったんですけどね。


教授の彼女が視察に来たときに「なにやってるの!!生徒が可愛そうだと思わないの!」と怒られて中断されました。


理由が…笑


自分の意思で止めた訳ではなく、「怒られたから」しょうがなく止めた、、、


怒られるのもでも仕方がないです。


この時すでに囚人役だった学生の精神が狂いだしていて、パニック状態に陥っていました。さらに看守役の学生は「役に入り過ぎて」いて、横暴な態度を取るようになってきます。


学生が他の学生をいじめる状態、それも教授指導の実験で、の出来事です。


後にそれが演技だったのか、そんな話になってくるのですが、それはこの記事の「やらせ疑惑」で見ていきましょう。


人権侵害の懸念は?


人権侵害の懸念も生まれました。
一応実験のルールとして「看守役は囚人を痛めつけてはいけない」という物がありましたが、警棒が渡されています。


これ、矛盾してると思いませんか?


だから実験結果が狂った説とか、、、というのは置いといて。


発案は教授でしたが、実際に実験の実行役は現役の「スタンフォードの大学生」なので絶対に怪我させる訳には行きません。


怪我なんてさせたら当然文句が出ます。


しかしそのたった一つのルールで本当に大丈夫なのか、「表面的には」怪我はなかったと言われています。


しかし精神的には…


ここでは「演技」という事は一旦除いて考えるとして、一部の囚人役だった生徒が精神的にパニックを起こしてしまい、狂い出しましたよね。


それって確かに怪我はさせていませんが、精神的苦痛である事に変わりは無いです。


逆に生まれた質問


この実験から「データ」も取ることができましたが、一番大きな功績はとある疑問が生まれた事です。


そんな世界の全人類に問われる質問がこちら


人間は生まれつき悪魔なのか?


実験を行っていたのはスタンフォード大学の学生さん、もちろん頭はいいはずですし、普段から「暴力的」な生徒というわけではなくごく普通の「スタンフォードの大学生」です。


そんな「一般」の大学生も地位と権限を得て、「暴力的になる」という事が証明された、つまり「人間は生まれつき暴力的で非人道的な悪魔」で普段は地位や権限がないから大人しくなる、という事。


実験データからこんな質問が上がってきました。


そして、この質問には明確な答えは有りません。


まだ解けていません。


環境によって人格が決まるのか、生まれつきなのか、だとしたら生まれつき「悪魔」なのか。


個人的には「環境」の方が大きいような、、、と思いますが(警棒渡され、監獄の環境を整えているので)


でも実験は「スタンフォードの優等生」が行いました。


同じ実験を現代にまたやったらどうなるのか、興味深いですが絶対にできませんね。


そこでこんな疑惑があげられています。


やらせなんじゃない?


やらせ疑惑


スタンフォード監獄実験には常に「やらせ疑惑」が浮上しています。
そりゃこんな結論出されたら、反対意見が出てきます。


「教授が看守役の人に囚人役に対して酷く接するように指示したのでは?」
また当時この実験に参加した囚人役の学生がこんな証言をしました。


「あれ、演技だったんだ。」


演技をした理由として精神が壊れたように振る舞えばこんな実験から抜け出して勉強できるから、となんとも優等生な理由。


そういえば、大学生だったもんね。


試験日が迫ってたんだって。


2週間もこんな実験に付き合ってられるか!という事。


自分が演技をしていたことを見抜いたはず。テープを聞けば、分かりにくいほどではないですよ。私は演技なんて得意ではありませんから。

「精神障害というよりはヒステリックに振る舞っていました。」
コルピ(囚人役で参加した生徒)


さらにその後スタンフォード監獄実験は実は「模擬的に」再実験された事もあります。


そこで得られた結果は無し、そこで「この実験って仕組まれてたんじゃん?」という声が上がっているのです。

スクリーンショット 2021-10-01 午前8.19.51


https://www.youtube.com/watch?v=fQnOkmvigi0 

今はこんな実験出来ませんよね


そしてやらせ疑惑から「本当の悪魔は教授だったんじゃ、、、」とか言われていますが、これが本当だったのか、演技だったのかにしろ今はできないですよね。


だから「恐ろしい実験」として有名なのです。


ここから得られたデータが本物なのか、実は違ったのか、全部演技だったのか、様々な疑問が残りますがスタンフォード監獄実験は心理学の分野に対して疑問を投げかけた実験です。


実験って普通は新たな発見を出すのに、疑問を出した実験。


それだけアイディアは画期的な物でした。


スタンフォード監獄実験の真意はなんだと思いますか?


出典:
PrisonExpriment.org
NewYorker
Vox


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