子供の頃から火曜サスペンスを見てきた私にとって推理物は切っても切り離せない存在だ。探偵たちというのは事件を鮮やかに解き明かす存在であり、私にとっては戦隊ヒーローよりも偶像を体現している。ゲームや漫画、小説でもミステリーはポピュラーであって、人気のミステリーは図書館で何か月も待つ羽目になる。多くのファンに支えられているジャンルと言えるだろう。 本作「超探偵事件簿 レインコード」は特殊能力を持つ探偵たちが難事件に挑む作品だ。超探偵なんていうタイトルがつけられているのは、登場する
繰り返すがネタバレありである。 何部が好きか?1部は奇妙で、2部は熱い。3部は王道で5部は殺伐としている。6部で観念的になって7部は集大成。8部で原点に回帰している。何の話をしているかと言えば、ジョジョの話をしている。私が好きなのは4部である。杜王町(仙台がモデル)という一つの町で繰り広げられる冒険譚は他のシリーズ比較してスケールは大きくないが、作品全体が楽しさに寄せられており、読んでいて心地よい。 世の中に数多くの推理小説あれど、ここまでニヤケ面で読み進めた作品は私の記
本作「Thisコミュニケーション」についていきなり核心たる感想を述べたい気持ちもあるが、PRしないのはあまりにも作者に申し訳ないので(=そう言わしめる傑作漫画なので)、一巻部分の紹介をした後に最終巻までの感想をぶちまけようと思う。 学校でも職場でもどんなコミュニティであってもいいが、どこにでも嫌な奴はいるもので、そいつさえいなければうまく回るのにな~という場面は往々にして存在する。さて、どう対処すればいいか? これはマネジメントの問題なのか、コミュニケーションの問題なのか
私は数学が苦手である。面白い学問であるとは思うし、論理を極めて重んじる点や有用性が非常に高い点も理解している。だが、難しい。高校生の段階から徐々に難しいと感じ始めて、大学での数学はかなり難しいと感じた。 はるか昔、私が受験生だった頃には数学の試験はそれなりの点数さえ取れればいいという思いで受験に臨み、実際に平均より劣る点数だったと記憶している。他の教科でカバーすれば大学に合格できるだろうという算段を立てていたのである。 ただ、もしも数学が苦手で仕方がなかった高校生の自分に対
Amazonでも書いてあるが、本作は「謎もトリックも展開もすべてネタバレ禁止!」である。なので私の所感を表面的に述べるだけにとどめる。 妙にグロテスクなのさえ我慢できれば本作は傑作。感想としては以上。 白井先生の作品は本作に加えて「名探偵のいけにえ」と「名探偵のはらわた」しか読んでいないが、どれも面白い。 本作「エレファントヘッド」も圧倒的な面白さを持っている。万人受けする作品ではないだろうが私は本作が今年の最優秀ミステリとして選抜されても驚かない。 ただ、白井先生の
見切り発車になるが、「真夜中ハートチューン」という作品が面白かったので短めの記事を書いておく。将来的にアニメ化したら先見の明があったということになるのでたまにはこういう記事もいいだろう。 見切り発車と言っているのは、執筆時点では第1話しかこの世には存在していないためである。基本完結してからブログ記事にする私にとっては珍しい。 マガポケというアプリでは「週刊少年マガジン」「別冊少年マガジン」「月マガ」「シリウス」「ヤンマガ」「アフタヌーン」「モーニング」そしてオリジナルの作品
職場で書類仕事をこなしているとたまに憂鬱な気分にさいなまれる。仕事が遅々として進まなくなるタイミングがあるのだ。 どういう時かと言えば下手な文章を読む際である。 文意が取れないケースもあるが、それよりも頻繁にあるのは文章が複数の意味に読めるケースだ。どちらの意味か判別がつかず、私は非常に困ってしまう。 私の国語力が低いだけ?それは一理ある。 ただ、文章読解に困ったことがない人は以下の質問にどう答えるだろうか? 「遊園地の定番といえば?」 この問題は「一致するまで終われ
頭を使いたい気分だなー。でも、ミステリーは最近結構読んでいるから、趣向を変えてゲームでミステリーアドベンチャーないかなー…と探していて出会ったのが以下のオープニングである。 このオープニングは期待できる…!ということで早速購入してクリアしてきた。本稿ではネタバレありでレビューする。 重要なことなのでもう一度。ネタバレありでレビューする。 日本一の名を冠するだけのことはある設定は私のもろ好みである。 登場人物全員が探偵で、世間を震撼させるような連続殺人犯と戦うというのはシ
本稿では「名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件―」をネタバレありでレビューする。トリックやシナリオにも言及するので未読の方は注意されたし。 繰り返しになるがネタバレありである。 クッションを入れておく。 面白い推理小説に珍しく遭遇したのでレビューする。 というよりも、まずはこの一言でレビューを開始したい。 「この作品をつまらないって言い切る人はいるの?」 本作は特殊設定ミステリーである。 病気や怪我が存在せず、失われた四肢すら蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウンが舞台…と帯に
先ほど第1回新作マーダーミステリー大賞受賞作「奇想、アムネジア」をプレイしてきたので感想を書く。私はいつも感想を自身のノートに書くのだが、おそらく本作は時間がたつと客観視できて感想が変わるため、鉄は熱いうちに打ての要領でほとばしる感想を書いた。推敲されていない駄文だがネット上に置いておく。とはいうものの、マダミスの感想を検索結果でじかに出てくるような場で出すのはあまり推奨されない行為なので、ネタバレは避ける。 早速総評だが、まともに話すと1時間くらいは語れる。以上である。
2022年8月末現在で興行収入100億円を突破した劇場版ワンピースを見てきたのでレビューする。大いにネタバレが含まれているので見ていない人は閲覧非推奨である。 漫画「ONE PIECE」は尾田栄一郎氏が描く海賊冒険活劇である。グランドラインと呼ばれる過酷な航路をこの世で唯一制覇した海賊王「ゴールド・ロジャー」は処刑直前に自身の財宝「ワンピース」を隠したと宣言する。人々はワンピースを求めて海へと乗り出し、世は海賊が跋扈する大海賊時代へと突入していた。海賊王を目指す主人公「モン
本稿はマダミスプレイヤーのための記事である。マダミスを知らない人は過去記事参照。 マダミスの楽しさの源泉マダミスには①物語性②ゲーム性③推理要素④ロールプレイの4つの面白さがあると私は思っている。ゲーム性というのは、目的の異なるプレイヤー同士の相互作用全般を意図している。最も一般的なのは、真相を隠蔽しようとする側と真相を暴こうとする側の対立である。 これら4つの要素がミックスされて作品が出来上がっている。混合比は作品によってまちまちだが、現在のマダミスの主流はロールプレイ重
マーダーミステリー(以下、マダミスと略す)とは、推理小説内のキャラクターの立場に則ってプレイヤーが発言・行動し、事件の犯人を捜しながら各キャラクターに設定された使命の達成を目指す会話主体のゲームである。物語として楽しい、推理できて楽しい、ロールプレイ(キャラクターの立場に則って行動すること)が楽しい、というように3つの代表的な楽しさがある。 本稿は私がGMを担当する際にもしもマダミスを初めてプレイする方がいたらこうした説明を事前にするという想定で書かれている。参考になるかも
マーダーミステリー(以下、マダミスという)については過去記事参照。 マダミス界隈ではシナリオをプレイしたり、試聴して内容を知った作品を通過済みと表現する。本稿では先日私が通過した「あの日のあなたと祝杯を」という作品への思いを報告する。作品内容には触れないのでネタバレなしである。 通過が目標だった理由マダミスでは難易度に応じて通過数で制限をかけられる場合がある。discordを使用したマダミスでX作以上通過した人のみが応募可能といった具合である。募集を行っているGMは意地悪
この世界でモテるための条件は3つ。 容姿! 性格! カード力! 容姿端麗で細やかな、そして何よりカードゲームが強い人間こそがモテる!秋☆枝先生による「Wizard's Soul ~恋の聖戦(ジハード)~」という漫画はそういう恋愛観だ。本作の舞台ではウィザーズソウルと呼ばれるカードゲームが大流行しており、カードゲームの強さが知力や技術、運のバロメーターとされている。カードが強ければ進学先も就職先も選びたい放題だし、前述のように恋愛だってうまくいく。プレイヤーの強さ(い
steamでお勧めのゲーム一覧を掲げるwebページは数多存在し、私もちょいちょい見る機会はある。そんななかで見つけた「シロナガス島への帰還」が非常によくできていたので本稿でレビューしようと思う。ただし、ミステリーアドベンチャーゲームの宿命としてネタバレには踏み込めないので奥歯にものが挟まったような言い方になってしまうのはご容赦いただきたい。 本作はノベルゲームである。ノベルゲームとはnovel, つまり小説のように文章を読んでいくことが主体のゲームだ。映像と音楽を合わせて読