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2022 スパルタスロン(〜サンガス)

暗闇に砂利道に

CP 35ネメア(124km)を出てしばらく上り、左折すると割と幅の広い路面が綺麗な道が。
これは走りやすいと思ったのも束の間、次のエイドを右折してしばらく行くと砂利道が・・。
サンガス以外にも砂利道があるって聞いてた。砂利と言っても日本の砂利というよりは石ころがゴロゴロしている感じで実に走りにくい。気をつけないと捻挫しそう。
しかも何気に上っていて傾斜がキツくなってくる。そこをサポートカーが通ると前方が明るくてよく見えていい一方、何台も通り過ぎるとすごい土埃で前が見えなくなる。おまけに目に埃が入って痛いし咳き込むし。ここはハンドライトも駆使して足元もよく見ないと。結構なストレス・・・そして予想外に長い(笑)

やっと抜け出すとさらに上りが続き、今度は長い下り。今CPいくつだっけなあ・・・暗いとついCPで数字確認するの忘れてしまう。
と、急に明るい場所がと思ったらエイドでした。CP40のMALANDRENIという集落にあるバーというか飲み屋がエイドになってました。しかもイスがある!ようやく腰を下ろすことができました。
ゆっくりジュースを飲んでこの先のCPを確認しようと思ったところ・・・
あれ?あれれ?
ない!?あのCPを書いた紙がない!
ネメアでは見たからさっきの下りで落としたのかも・・・ガーン。どうしよう。
何度探してもどこにもなく、この先は全くわからないまま走ることになりました・・・正直転倒よりショック大きいわ(涙)

このCPの表記が実はとってもわかりやすくて、他のレースでも採用して欲しいくらいで。写真撮らなかったのが残念。
1番大きくCPの番号とその下にclosing time、右上にここまでのトータルの距離に残りの距離、右下に次のCPまでの距離とそのCPのclosing time。
全部これで統一されているので言葉が例えわからなくても大丈夫。
紙を失くした私はこのCPごとの表示を見ていくしか無くなってしまいました。
でも例えばここはネメアとか名前はないんですよね・・・だから番号がわからないとここがどこだかわからない(笑)そして次の大きい関門がどこだかもわからない・・


またしてもアクシデント。絶体絶命??

動揺しつつ仕方ないので先に進むことにします。ま、いいや。わからなければ人に聞けばいい。さて次はどこだろう?わからないまま下ったり上ったりしているうちになんだか妙に賑やかな集落にやってきました。
あそこがエイドかな?と思ったら全然違う普通の家のガーデンパーティ(笑)
すごい人数集まって超盛り上がってます。って今真夜中なんですけど・・・
その家を過ぎても少し行ったところがエイドでした(笑)こっちの方が静かだ。
どうやらここがリルケア(CP 43・149km)みたいです。で、何番CPなんだろう(笑)

リルケアを出発してトイレに行くことをすっかり忘れていたことに気づきました。
次の大きいエイドってどこなんだろう。仕方ないいつかわかるだろう。

暗闇の中を進んでいくと次第に傾斜がキツくなり延々と上るようになります。
周囲のランナーも黙々とひたすら歩いているという感じ。
長いなここ。そしてくねくね曲がる。片側は壁があるけど片面は切れ落ちていて両脇は木に囲まれている。
少し先の白線が途中で崩れていて路肩が崩落しているのが見えて危ないなあと思っていたのに、一瞬注意力が落ちたのか気が付いたら足を滑らせて落ちていました・・・

その瞬間「Be careful!」という声がしたのに気づいたらガレガレの斜面になんとかお尻で止まっている状態。上から動くと危ないから両手を伸ばして!と声がかかる。なんとか手を伸ばすともう1人来たランナーと2人で両腕を引っ張って引き上げてもらいました・・・なんてことだ・・・
2人は大丈夫?怪我は?といろいろ心配してくれて、そのうちの1人はどこかに電話して状況を説明している。とりあえず歩けているしどうやら腰を打って肩も打ってる様子だけど脚は大丈夫みたい。
「もうすぐエイドだからね」と言われているうちに前方から他の国のサポートの人がきてくれて励ましながらエイドまで付き添ってくれました。
多分落ち着かせようとしてくれたみたいで、「今年はお天気が良くてよかったね。僕が出た2018年は大嵐で大変だったんだよ!今年はそんなことないから大丈夫」といろいろ話しかけてくれ、エイドに着くとすぐドクターが来てくれました。


サンガスは登れるのか?

ドクターにテント奥のベッドに連れて行かれ状態チェックと傷の手当。打ったところは擦り傷があってついでに昼間の膝の怪我も手当てしてもらいました。
毛布をかけられ(寒くはないんだけど)暖かいスープや食べ物を持ってきてくれて至れり尽くせり。
とはいえここでドクターストップになったら強制リタイアになってしまう!
「頭は打ってない?どう落ちたの?」と何度も確認され、足から落ちて引き上げてもらったので頭は打ってないと説明し・・・やっと続行を認めてもらいました。
やれやれ・・・よかった。でも「You are very very lucky!!」と言われそうだよなあ・・・と。本当すぐ近くにランナーがいて気づいてくれたおかげで今ここにいてまだ続けることを許してもらっている。
そういえば助けてくれたランナーの名前を聞くのをすっかり忘れていたことを思い出しました。しまったなあ・・・(これについては後日談があります)

すっかり長居してしまったここのCPはBase of mountains(CP 47・160km)でした。もうサンガスは目の前。しかしここでかなりの時間を使ってしまいすっかり貯金が減ってしまいました。大丈夫か私??

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