15.クラスづくりで大切にしてきたこと
今日、とある学習会に参加した。
少人数で、1時間半、ゆっくりと互いの問いを出し合って話をした。
ぼくは、その冒頭で、今年度のクラスのこれまでについて話題提供もした。
そういう機会をいただいたので、簡単にではあるがスライドにこれまでの過程をまとめてみた。
こういう機会でもないとなかなか一年を振り返って、現在地を確認する時間も取れないので、すごくありがたい機会だなと思った。
細かくは割愛するが、2022年1月現在の自分の考えとして、記録しておこうと思う。
①「つくり手」であり続けること。
子どもたちが「お客さん」になってしまうと、他責思考によりがちになる。
学習も行事も「与えてもらってるもの」「用意してもらうもの」「お膳立てしてもらうもの」、そういった感覚でいる子は少なくない。
それは、これまでに一つには、受けてきた教育のもたらした弊害なんだと思う。
与えてもらうものが悪いから、面白くないんだ。
用意してもらうものが不十分だから、うまくいかないんだ。
お膳立てが悪いから、うまくできないんだ。
だから、「つくり手」であることが必要だ。
「つくる」のは、自分だ。
自分の人生は、誰かが作ってくれるものではない。
その感覚は、できるだけ早く持った方がいいと思う。
お客さん感覚で受動的に学んできて、それが急に大学入学を機に、自由の大海原に放り出されて、戸惑って身動きが取れなくなった自分の学生時代を思い出す。
「つくる」と、そこに、何かしらの結果が、成果物が生まれる。
その責任も自分で引き受けるというのが「つくる」と言うことだと思う。
だから、面白いし、難しいし、面白いんだと思う。
でも、この「つくり手」であることの感覚を子どもたちだけに求めてしまうと、それだけじゃあ不十分だ。
ぼくら教師もこの「つくり手」であり続ける努力をしなければいけない。
教師が「つくり手」であることを忘れてしまったら、そんな教師の姿を「つくり手」である子どもたちがどう見るのか。
互いが同じ「つくり手」として、クラスという同じ場所にいる時、すごく面白い流れが生み出されたりする。
②日常を面白がること
「面白さ」は、「楽しさ」は、どこかに理想郷があって、そこにたくさん溢れるほどにある、なんてもんじゃない。
僕たちの、それぞれの日常の中にある。
その日常をどれだけ面白がれるか。
子どもたちが何かを発見した時、「それより、〇〇しなさい。」と切り捨ててしまうのか、「ええー、何それ?めっちゃ面白いなあ!もうちょっとくわしく教えてやー!」と乗っかるのか。
そんな小さな分岐で、物事は驚くほどに色鮮やかにもモノトーンにもなる。
まずは、教師である自分が面白がれているか。
常に自分に問い続けて、「ねばならない」に毎日が埋め尽くされてしまわないようにすること。
③1日ご機嫌でいること
自分の機嫌は自分で取る。
いくら自分の存在を消そうとしたってなくならない影響力が大なり小なり担任にはある。
それを自覚した上で、ご機嫌でいることがすごく大事だと思う。
不機嫌は伝染する。
ご機嫌も伝染する。
ならば、ご機嫌が伝染する方がいい。
ご機嫌であることが人や場に与える影響はとても大きい。
心理的安全性のためにも欠かせない要素だと思う。
④出来事の下の根について考えること
日々目まぐるしく動く日常を生きていると、対症療法で対応せざるを得ない場面もある。
けれど、目の前のトラブルやネガティブな出来事がその場で解消したことに手放しで喜んだり、力技で抑え込んでその場をやりすごして先送りにした問題から目を逸らすのも、それは負のループにずぶずぶはまっていくだけ。
長期的に見て、持続可能ではない。
目に見える部分は、目に見えない部分の集合・蓄積の結果として、必然的にその場にそのタイミングで顕在化したに過ぎない。
だから、その根について考える。
顕在化した部分につながる地中の根はどうなっているのか、どことどこが絡まっているのか。
そこに介入するのか、見守るのか。なんであれ、自分の言動の全ては周りに何かしらの影響を与えているし、自分も常に何かしらの影響を与えられている。
そういう全体性に意識を向けること。
⑤今の自分を認めること
ついつい何かと比べてしまったり、できないことにフォーカスしすぎてしんどくなってしまったりする。
でも、今の自分をまず自分が認めてあげること。
でないと、認められないことで生まれる焦りや不安は、人に向く。
その影響は、新たな負のループを生み出すきっかけになってしまったりする。
自分が満たされることで、その安心感や穏やかさは、やはり人に向く。
その影響は、新たな好循環のきっかけやエネルギーになる。
まだまだ、100%言語化できてるわけではないなあって、書いてみて思った。
これからも目の前の子どもたちの姿から考えて、自分自身に問い続けていきたい。
とりあえず、クラスの子たちの卒業まで、あと数ヶ月。
この5つを軸に、日々をぼくも子どもたちも幸せに過ごしていけるように全力で楽しみたい。
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