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【まじめ読み】List13「どこまで目指すか」を考えるべきだった~『40代を後悔しない50のリスト』第2章

執行役員の打診を断った友人がいる。40代だ。

「30代なら、責務が困難だとしても、経験としても経歴としても受けたほうがいいと思うし、肩書を得られるメリットはいくらでもあると思うけど…。
自分のこれからを想像したときに、その肩書があったらいいんだろうけど、なくてもいいというか。
自分は器用じゃないから、40代前半の数年間それで終わってしまう。いまから数年をそういう使い方したくないなと…。

でも、執行役員の打診について相談した人に、『それはまずはおめでとうだね!』と言われたのはうれしかったな。
そういうところまでがんばってこれたんだって勝手な実感が湧いた」


その人は、専門性のある分野での副業を始めていて、そちらでの将来イメージが少しずつ固まってきていたところらしかった。

役員のポジションを断ったということで、自分の中の何かがより明確になったらしい。
数年前の自分ならすっぱり断るなんてできなかった気がするとも言っていた。

「どこまで目指すか」を考えるということは、同時に「〇〇は目指さない」という判断もするのですから、おのずと人生の方向性というものがさだまってきます。

この人の場合は、この件をきっかけに
「執行役員は目指さない」
自分の考えが明確になったということなんだと思う。



20代30代であれば、漠然と、課長に部長にと、管理職や出世みたいなものを目指す方向性でがんばることもできたと思うが、
それなりに会社と組織として把握できるようになれば、そのポストがいくつあるか、それが空くか空かないかなんて当然わかるし、40代になれば、目指したいとかそういう意志と現実が大きく乖離ことなんて当たり前だ。


この本をまじめに読んできて、強く思うのは、
40代になると自分が積み上げてきた現実とちゃんと向き合わなければならないということ。

こういうポジティブなことも書いてあるけれど、
・40代の10年を上手に過ごすためのやりかた
・50代60代のために今できることの選択と集中

自分について考えを深めれば、認めがたいことにも直面する
・今からでは取り戻せないものがあることを認めること
・今からでは積み上げられないものがあることを認めること

それでも、ここまでがんばってきた自分に自信を持って、他人と比べすぎずに自分の土俵で日々ベストを尽くそう
ということなんだろう。


『人間は、自己実現に向けた自己成長に動機付けられている』(マズロー)

いくつになっても、そうなのだろう。

ただ…40代ともなると、頑固にもなるし、自己実現が周囲を巻き込んだおかしな自己愛なるとも限らない。

今の自分の考えを、会社の組織図上の具体的なポジション名と照らし合わせて確認するような、現実的で客観性のあるやり方で考えるというのは、自分自身に謙虚すぎたり卑屈にならなければ、確かに良いのかもしれない。


ひとりひとりが積み上げて生きてきた結果のものを持っていて、
それは、どれくらい仕事ができるとか、お金が稼げるとか、魅力的で人を集めるとか、そういう物差しばかりで考えるより、陳腐な言い回しだがその人自身をリスペクトすることを意識して過ごす。
そっちのほうが素敵だなと、実感もって思えているのは、この読書の効果かもしれないと思う。


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