[詩] 『就活は嫌だ!』の詩

「世間知らず」と言われ
順当に傷ついた僕は
得意面を浮かべ
現実逃避と洒落込んだ。

20年と少しの年月で
必死に築いたこの世界は
所詮空想でしかなく
住処にするには頼りない。


今日はいい天気だ。
皮の薄い四肢に
春風を纏わせて
放蕩に耽る「世間知らず」な僕。

夏を待ちわびる樹冠
その侘びしげな色彩を
僕は知っている。

歪んだ背筋が頼りない
すぐ隣に位置する
背筋を正した建築に怯えているのだろうか。

隣に忘れ去られた長靴に
微かに残った人の気配は
何と呼べばいいのだろう。


「将来」なんて途方もない言葉よりも
不意に湧き出た空想が
僕にとっては重要で

「生きる」とはそういう事だと思っていたが
「大人になる」には捨てるべき部分らしい。


積み上げた空想に
何か価値を見出せはしないものかと
思いながら生きてきたが
どうやらそれは
無能な僕には立派すぎる夢で
けど,だからこそこの夢に
何か希望のようなものを
託しているのだ。


「世間知らず」。。。

その『世間』とやらを知るために
僕は就職するのだろう

胸のあたりにある空洞を
満たすこともできぬまま。




題材が同じなので同じ内容の詩ばかり書いている。

僕にとって詩作が,一種のカタルシスである以上,当然のことではあるのだが。

もう少し美しい詩を書きたい。色々と落ち着いたら書けるようになるのだろうか。

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