【詩】 通学ノート
私の狂気はマンホールの下で発掘される。暴きだされた感情は淡い糸を紡いで空に達し、拡散する。
鰯雲は大きさを増し、やがて宇宙をも覆う。
あの娘のチョーカーは夕闇の中で番犬の首輪となり、私の逃避行を追従する。
教室を箱庭に。鏡が共反射する、彼等の虚像の虹の尾を掴むのは簡単である。霧吹き1つあれば良い。
しかし虹を追うのは少年にしか出来まい。己の純真さを屠った我々には、不純を煽って泡を食うのが限界だ。
轍を覆う木の実を踏もう。辿るべき道を逸れることは延命の措置に他ならない。弾け飛ぶ木の実の音は、さながらドピュッシーの旋律である。
私はナイフを研ぎ続ける。弱い糸を切れなくなった時が、私の始まりである。嗚呼、感性や。私の逆方向へ歩け。ヒトデナシは、背中で語るのである。
冬は閾値に達し、秋を昨日へ流す。私の季節の始まりだ。
誰の声も聞く必要は無い。この世は、薄れた声で溢れているのだから
18歳の時に書いたやつです。
その時は平沢進にハマっていて、彼の歌詞を模して書きました。
しかし、横文字に疎いので、満足のいくものにはなりませんでした。
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