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幸せな大人は、手放すことが上手

「最近声を出して笑ったのはいつですか? 」

そんな質問にアナタは今どんな答えを返すだろうか?

私にとって、3年半のイタリア留学から帰国して一番衝撃だった事は、笑う事で周りの人から叱られる事がとても多かった事だ。そして、いつしか笑う事が私にとってはとても悪い事だと感じる様にさえなってしまった。

人は、サイコパスでない限り、周りの反応を見て自分の行動を無意識に決めていく。そしてそれは、胎児の段階から始まっている。

「そう、胎児の段階からである」

母親が妊娠期に感じた感情を、胎児も境界線無しに一緒に感じている。そして、私たちの日常生活は、7歳になる前に形成された潜在意識の95%によって生み出されていると言われている。

言葉による意思疎通はまだ出来なくとも、赤ちゃんは、周りの環境を観察し、スポンジの様に自分の周りで繰り広げられる「世の中の常識」というものを吸収していく。そして、大人になると、子供の時に学んだ常識を元に生きていく事になる。例えそれが、どれだけ偏っていたり、歪んでいたりしてもその人にとっては、「常識に基づいて」生活しているだけなのである。

「毒親」という言葉を日本メディアでも良く聞く様になった。

これを親側の視点から論ずれば、極論多くの親がただ単に自分たちが知っている「常識に基づいて」子育てをしただけなのに......。

では、昔は良しとされた子育てが、今はダメと言われるのか。

その理由の一つに、日本の常識がここ数年、やっと少しずつ子供の人権を認める方向にシフトしたからだと私は思う。

「世の中は常に変化し続ける。そして、常識は時代と共に変化していく」

だけど、個々人の時間軸で見ていくと、潜在意識は催眠療法もしくは、反復して新しい事を習得していかなければ変わっていく事が出来ない。

さて、本題に戻ろう。
「幸せな大人は、手放す事が上手」
ここでいう「手放す」とは、過去の価値観で今の自分を苦しめている生き方についてである。

ステップ 1「気づく事」
前にも説明した通り、私達の日常生活は5%の顕在意識と95%の潜在意識で形成されている。そして、日々の生活の中で、人間関係、仕事関係、恋愛関係、家庭内、人生観、キャリア、子育て等で色々な葛藤や悩みが出てきたりする。そしてその中のいくつかは、場所や相手が変われど、幾度となく繰り返されるパターンというものがあったりする。

私の場合も、例外なく大人になってから、完璧主義、インポスター症候群*、生きづらさで相当苦しんできた。そして、徐々に自分の思考パターン。自分自身の中にあった無意味な常識にも徐々に気づく事ができる様になった。それこそ、「日本の常識は世界の非常識」であると身をもって経験し理解するチャンスに恵まれたからこそ、気づけた部分もいくつかある。

この気づくプロセスはとても楽しいものではない。何故ならば、自分と向き合う必要があるからだ。そして、自分の至らぬ点についても目を向けないといけない作業であるからである。

ステップ 2 「気付いた事を確認する事」
人間とは、往往にして喜びや苦痛が行動を起こす閾値に達していないと、中々現状を変えたがらない生き物だ。気付いた内容が、どれだけ本来持ち合わせている可能性や生きる喜びに影響を与えているのか理解する事でより次のステップに進む事ができる様になる。

ステップ 3「不幸せだが、快適だと誤認しているゾーンから抜け出す」
ステップ1、2は認識の段階。
このステップ3は実際に行動を起こしていく段階になり、ダイエットと同じである。

ダイエットは、食事、運動、生活習慣を徐々に改善して、ゆっくり体重を落とした方が、身体への負担も少なく、後々リバウンドしにくいものとなる。

一気に人生を変革を起こそうとすると無理が生じ、負荷がかかってしまう。今までの自分の価値観から少しだけ離れた人と交流したり、実際に今までの自分だったら避けてきた事に敢えて少しだけチャレンジする。大切なのは、少しだけ、不安やドキドキがする辺りを行ったり来たりする事である。そう、自分に負荷がかかっていると感じたら、自分が安心するところまで戻ってくる事が大切である。

そうやって、私達が小さなチャレンジをしていく間に、徐々に昔の価値観や常識を手放していく事が出来るようになる。

イメージとしては、自分の庭に生えている雑草(昔の固定概念)を引っこ抜こうとするのではなく、新しい花を徐々に植えていき、彩り豊かで自分が心からホッと出来る庭を作っていくという事である。

心から日本により多くの彩り豊かな庭(心)を持った人が増える事を願ってやまない。

インポスター症候群*:実績や実力があっても自信が持てず、また実際に周りに評価されていても、内的にはそれを正しく認識する事が出来ずに詐欺師の様に感じてしまう事。


Eri Blue  (エリ ブルー)
自分はぐくみ塾 塾長/Dr Blue Coaching 代表
1983年生まれ。イタリア・ミラノ大学大学院卒(生化学博士)。管理栄養士。日本初IAOTRC認定トラウマ回復コーチ。外資系企業勤務を経て独立。ACEスコア7のACEサバイバー。名著「身体はトラウマを記録する」の著者ベッセル・ヴァン・デア・コーク先生主催のTraumatic Stress Studies(トラウマストレス研究)、IFS (内的家族システム療法)、NVC(非暴力的コミュニケーション)での学び、及び自身の経験を通して「ACEサバイバーに希望の光」を灯す為に活動。

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