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息・生き をしに、草津温泉の岡本太郎に会いにいく。

最近、私的に、世の中がどうにもこうにも
息・生き 苦しくてたまらないので、
思い切って、草津温泉へリフレッシュに行ってきた。

群馬出身なので、草津には昔から馴染みがあるのだが、
近すぎるせいか、
いつでも行ける、
と久しく足を運んでいないうちに、
どうやら最近は若い人にも人気の温泉地になっているらしい。
渋いイメージしかない草津温泉が、今、
どのような感じになっているのかにも興味があった。


東京から高速バスで4時間弱。

快晴の草津温泉バスターミナルに降り立つと
まだ所々に雪が積もっていた。
案内に従って、
温泉街のシンボルである湯畑まで歩いて移動。
肌を刺すようなピリッとした空気の冷たさが気持ちよく、
姿勢も正される気がする。

湯畑に近づくにつれて、
街を吹き抜ける風に乗った、温泉独特の硫黄のにおいと(本当は硫化水素のにおいらしいですが、”硫黄”という方が分かりやすいと思うので、今回はそちらの名称で)、湯気が流されてくる。
気のせいか、湯気に触れた肌がうっすら温かい。

湯畑が、温泉まんじゅうの蒸籠と蒸気に見えるのは、私だけ?

湯畑周辺は噂通りの活気にあふれている。
お土産屋に、カフェ、飲食店、
昔からあるはずの源泉までも、綺麗になっていて驚く。

それでも至る所に懐かしポイントは残されていて、
温泉まんじゅう屋さんの前では
おじいさんがふかしたてのまんじゅうとお茶を試食として配っており、
昔からのその光景に思わずその場で
「懐かし!!」
と叫んでしまった。
採算が取れるのかなぁと心配になる配りっぷり。
ぐいぐい勧めてくるおじいさんはちょっと圧が強めだけれどいい人だし、
おまんじゅうも出来立てほやほやで美味しかった。

おまんじゅうを買った若者がおじいさんに
「また来るね」
と声を掛けると
「うん!! また温泉入りにおいで~!」
と元気に答えていて、
「またお店に来てね」でも「またおまんじゅう買いにおいで」でもなく
「また温泉入りにおいで!」
というおじいさんの回答に地元愛が溢れていて、
とてもほっこりした、幸せな気持ちになった。

湯畑を囲むように作られている遊歩道では
写真を撮ったり、足湯につかったり、
お菓子を食べたりと、
それぞれのスタイルで、沢山の人たちがのんびりと過ごしている。
湯気のせいか、硫黄のにおいのせいなのか
街全体の時間すらゆっくり流れている気がした。



ところで、
今回、なぜ草津温泉を選んだかというと、
岡本太郎がデザインした、この湯畑周辺をしっかり見てみたいと思ったからだった。

「岡本太郎が好きです!」
とか言っておきながら、しかも同県の出身ながら、
草津の湯畑を岡本太郎がデザインしたとは最近まで全く知らず、
いつか草津に行ったら湯畑をきちんと見る!!
と心に決めていたのだ。

1975年(昭和50年)、当時の町長が経営するホテルに投宿した岡本太郎が、湯畑を憩いの場に変えたいという町長からの依頼を快諾。
ひょうたん型の湯畑と、それをぐるっと一周する遊歩道をデザインした。

自分の作品が個人の所有物にされることを嫌い、
パブリックアートに積極的に取り組んでいた岡本太郎。

源泉が流れ落ちる湯滝の前、
写真を撮る人々の足元に広がる
「草」という字を眺めながら
ここにもまた、岡本太郎がいた、と分かり感慨深いものがあった。

湯滝を撮影する人々の足元に広がるタイル。よく見るとめちゃくちゃオシャレ。
太郎らしさ爆発の”草”の字
遊歩道のタイルもオシャレ。
ところでこのタイル自体も岡本太郎がデザインしたのかどうか、
調べたけれど確認が取れなかった。
これはこれで可愛い。
湯滝の前にはひっそりと石碑が。

太郎らしさ爆発の湯畑と石畳が、
不思議と草津の自然と調和していて、
湯畑を訪れる人に
目立たず、騒がず、
癒しとパワーを与えている気がした。


温泉につかりまくり、
手がふやけすぎて、ぼこぼこになって
「手! 手に変な湿疹ができてる!!」
と勘違いしたほど、のんびりと過ごさせてもらいました。
(風呂上がり5分で元の手に。というか湿疹じゃなくてふやけてただけ。)

世の中の息・生き苦しさは全く変わらないけれど
次の息継ぎまでのパワーをもらえた草津旅だった。

読んでいただいた人にも
硫黄のかおりと、岡本太郎のパワーが届くことを願って。


【草津温泉】
・観光協会ホームページ


・草津温泉「湯畑」湯滝前 ライブカメラ


・草津温泉「湯畑」移動式ライブカメラ


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吉田
最後まで読んでいただきありがとうございます!もうそれだけで感無量。