神経状態というモノサシを持とう(後編)
カラダ視点シリーズの第5回。前回(#4)の続きです。3つの神経状態を見極められるようになると、自己調整、人間関係調整などに役立ちます。今回はその入口編・後半として、
・神経の「落ちこみ」状態
・神経の「安定範囲」
についてお話します。
新しい自律神経の理論、「ポリヴェーガル理論」を学ぶためにも、まずはこの基本やイメージをしっかり押さえていただきたいです!
▼内容は音声配信(13分強)をご確認ください。
↓文字起こし文章も読める、LISTEN配信はこちら
▼今回の内容を1枚で表現するとこちら
▼今回のポイントはこちら
■神経の「落ちこみ状態」
落ちこむ状態は、ブレーキが効いた時。
安定範囲を超えてブレーキ神経、つまり副交感神経が強く効いている状態。
なぜ、ブレーキが効くのかというと、
その前に高ぶりすぎて疲れたから、消耗したから。
ブレーキが効くと、車ならスピードが落ちる。
人間なら動きがゆっくり、あるいは動きにくいという状態になる。
エネルギーが落ちた感じになり、やる気が出ない、めんどくさい、眠い、
疲れた、うつっぽい、休みたいという状態。
思考力、頭の働き方もにぶくなり、ぼーっとする。
コミュニケーションの方も、人と関わるよりは、一人でいたい、
引きこもりたいというモードになる。
全てに共通するのが、消耗して休息を求めている、
エネルギーを使わない省エネモードになっている点。
食べ物を消化している時や
気温差・気圧差が激しい時にも省エネモードになる。
食べ物の消化をする時、内臓は動いているのでエネルギーが必要。
食べると少し休みたくなる、眠くなるのは、
消化を優先するために、他のところのエネルギーを落としているから。
自律神経はカラダの体温の調整をしている。
クーラーの効いた屋内と暑い屋外の気温差が大きいと、
その時の室温や気温に合わせてカラダの状態を調整する必要があるから、
自律神経が疲れてしまう。
気圧の差が大きいと、自律神経が調整に疲れてしまうので、
行動や思考が節約されがち。
落ちこみ状態、休息や省エネモードになっている時は、
カラダが求めている必要な休息やケアをちゃんと取ってあげた方がいい。
■神経の「安定範囲」
安定範囲には個人差があり、人によって安定できる範囲、
適度な範囲、ちょうどいい範囲が違う。
車にも軽自動車、大型クラスなど様々なクラスがあって馬力が違う。
同じように人にもどれくらいのスピードが出せるのか、
アクセル・ブレーキをどれくらいまで踏んで大丈夫かといった
得意・不得意がある。
生まれ持った個性、気質みたいなものもあるし、
育ちの違いでも変わってくる。
トラウマを抱えている人、神経過敏な人は
安定範囲が少し狭めだと言われている。
この範囲は経験や訓練、慣れなどで広げることができる。
ただ、急激に神経レベルや範囲を変えることはできない。
変えるにしても少しずつ。
とにかく車の安全運転と一緒。
できるだけアクセルやブレーキを極端に踏まないで
滑らかに運転できていれば、
燃費もいいし、車本体にも部品にも無駄な負担がかからない。
無理はせず、今の自分にとってちょうどいいというのを
考慮しながら生活していくことが大事。
誰かと付き合ったり、何かの活動をしたりした後に
ものすごく疲れてしまった時は、
どれくらいの神経レベルで活動していたかを振り返ってみるといい。
すると、自分にとってちょうどいい範囲は
これぐらいの活動量だというのがわかってきて、
それを踏まえてスケジュールを設定する、
人付き合いの仕方を調整するといった工夫ができる。
ポリヴェーガル理論
自律神経についてアクセルとブレーキの2種類で説明してきた。
次回からは、自律神経を3種類で説明する
新しい自律神経の理論「ポリヴェーガル理論」を交えてお話しする。
エピソード内でお話した関連記事はこちら
▼こちらも関連記事
▼こちらの動画教材では詳しく解説しています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?