なかなか読み終われない本
年単位でちびちび読んでいる本がある。
正直なところ、あまりに時間を掛けすぎて、もう前の方の章に何が書いてあったかをあまり覚えていない。脳のはたらきと自然に関する本なので、「自然があるところで暮らすと脳に良いよね」的なことが、様々な面から書いてあったはずだ。脳と自然に関する色々な実験についても書かれていた。
今やっと三章に入ったところだが、とりあえず「自然は間違いなく脳に良い」ことは分かったので、もう読まなくて良いのではないかとちょっと思っている。古本屋に持っていっても良いのでは? しかし、もしかしたら何か劇的な情報やアイデアが出てくるかもしれない。そんな期待でまだ手放せないでいるし、時折思い出してはページをめくっている。
手は付けたが読み終われていない本は他にもある。「星を継ぐもの」という、ジェイムズ・P・ホーガンのSF小説だ。
内容についてはかなり面白い。月で宇宙服を着た死体が発見されるのだが、調査によりなんとこの死体は死後五万年が経過していると分かる。一体この死体は何者なのか。今生きている人間と関係があるのか。調べていくうちに、他の星でも奇妙なものが発見される。科学者たちはそれぞれの分野から、これらの謎を解いていく……。という内容だ。
面白いのに何故読み終われていないかというと、登場人物が多いのだ。更にそれぞれが「死体は地球人類と関係がない」「いやある」といった感じで主張が分れている。誰が何の分野に属する科学者で、何を主張しているかを分かった上で読まなければ頭がこんがらがるのだが……、読んでる途中で、うっかり数ヶ月期間を空けてしまったのだ。
長い間読まないでいると、たっぷり出てくる登場人物の名前なんて頭から揮発してしまう。そういうわけで、もしこの本の続きを読むのなら、私は最初から読み直して、登場人物を把握し直す必要があるだろう。
いつかはそうしたいと思っている。なかなかそのやる気が出てこないだけで……。