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人は失ってから、それがかけがえのないものだったのだと気づく

「もう先生に会われへんのやな」

夜ぽつりとこぼした娘の言葉。

「もう幼稚園行けへんのやな」

朝からバタバタしながら登園し、卒園式からのクラスでのお別れ会、そして茶話会からの、家族での打ち上げ。

娘にとって目まぐるしく過ぎた1日。

娘は今になるまで、幼稚園最後の日というのがどれだけかけがえのないものか分かっていなかった。

まだ娘はお別れというものを経験したことがない。

だから卒園というもの、幼稚園が実際に無くなるまでは、その寂しさが分からなかったであろう。

慌ただしく過ぎた1日が終わりを迎えたとき

ふいに現実を理解したのです。

もう幼稚園には行くことがないのだと。

もう先生と会うことはないのだと。


奥さんと娘が二人でお風呂に入っているとき、娘は泣いていた。

二人の会話を聞いてくると、娘の寂しさが伝わってきて、僕もせつない気持ちになりました。

幼稚園に戻れない寂しさと

これから1年生になる不安

お風呂に入ったときにその間で板挟みになっていたのですね。

人は出会いと別れを繰り返し成長していくもの。

今日のつらさも、これからの娘にとっては大事なこと。

娘は一つ成長の階段を登ったのでした。


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テル@星詠み
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