freeeの全社戦略の柱の一つ”入り口開拓ヨット”とは?
どうも、freeeの伊関です。2021年7月にPMMから「入り口開拓ヨット」に異動しました。部署の正式名称は「HR事業部 新規事業開発室」。ヨットはfreeeの社内用語で「チーム」を意味します(※)。
まだ3名の小さなチームですが、freeeの全社戦略の柱の一つを担っています。これからチームを大きくするために、メンバーも積極募集中です。
本記事では、ライター・佐藤まり子さんによるインタビューをもとに、僕たちの具体的な仕事内容とやりがい、メンバーの短期・中期・長期目標などについて、ご紹介しています。
※社内用語に関しては、弊社代表・佐々木のブログ記事『海をテーマに組織のすべてを疑う』をご参照ください。
「入り口開拓ヨット」って何?
ーー 「入り口開拓ヨット」は、何をするチームですか?
僕たちのチームは、freee人事労務を販売するHR事業部所属。
企業の人事労務の仕事には「勤怠管理」「給与計算」「給与明細作成」「年末調整」「入退社手続き」などがあり、それぞれの仕事が複雑に関わり合っています。
freee人事労務はこれらの仕事を一元管理して効率化するサービスなんです。手前味噌ですが非常に便利で、導入していただいた企業様からは高評価をいただいています。
しかし、いきなり社内の人事労務システムをfreeeに変えることは容易ではありません。長年使ってきた社内システムを変えることは、社員の方々にも負担です。
そこで、「入り口開拓ヨット」がfreee人事労務の一部の機能を切り出した商品を販売することになりました。いきなり全てを切り替えるのではなく、一部の機能を使って慣れていただき、無理なくfreee人事労務の契約をしていただくことが狙いです。
ーーまさにお客様の「入り口」になるチームですね。これまでにどんな商品をリリースしたのですか?
2021年7月にチームが発足し、8月に『年末調整プラン』、11月に『勤怠管理Plus』をリリースしました。『年末調整プラン』はその名の通り、年末調整の作業を効率化し、楽にするプランです。
『勤怠管理Plus』は、細かな権限管理や英語対応など、freee人事労務でカバーしきれていない機能を搭載しています。例えば、拠点が複数ある場合、拠点長は営業所のメンバーの勤怠のみ知りたいなど、権限制限の要望がありました。また、英語をメインで使う従業員を雇っている会社は勤怠をつけるときに英語表示があると非常に便利。こういった個々のリクエストを『勤怠管理Plus』は実現しています。
新規事業の立案から販売開始までわずか1ヶ月
ーー現在「入り口開拓ヨット」は3人体制。まずはジャーマネである伊関さんの仕事について教えていただけますか?
僕は主に商品企画とマーケティングを担当しています。『年末調整プラン』の企画は異動前から着手し、異動後すぐに新プランを企画しました。当時は僕一人でセールスがいなかったので、他部署や外部の力を借りて事業を立ち上げました。
ーー新プラン企画では何をするんですか?
ざっくり書くと、以下の作業をしました。
・ターゲット顧客とその課題の設定
・提供価値の整理
・新プランの価格
・新プランの事業計画作り
・競合との差別化
・既存のプランとの整合
・販売チャネル検討
・マーケティング戦略の作成・検討
・販売ストーリー作成
・freee 社内での販売オペレーション
・サポート、サクセスの流れ
・経理・財務・リーガル観点でのレビュー
・各部署に合意
・最終的に会議で役員承認
ーー各部署への合意は何部署くらいに取るのですか?
大きくは10部署ですね。企画をまとめ、各部と調整を重ね、通常2〜3ヶ月でプランリリース、スピードが求められる時には1ヶ月で販売開始といった流れです。実際に売りはじめると仮説が当たる部分と当初見えていなかった課題が見えてくるので、それをもとにプランを調整します。
ーー超短期間で新商品をリリースしていますが、確認漏れや不具合は発生しませんでしたか?
大丈夫でした。新商品を企画する上で欠かせない視点や注意事項がまとまった、「秘伝のタレ」的な社内ドキュメントがあるので、そちらを参考にしました。
これまでの成功や失敗を踏まえ、随時アップデートされる基準が社内にあることで、カバーすべき視点の抜け漏れなく、スムーズに新規事業を推進できていると感じています。
当然、今回の新プランでのみ起こりうる問題については別途考える必要があり、どのローンチも簡単ではないと実感しているところですが(笑)
”攻め”と”守り”の視点で、上司から鋭いアドバイスを受けられる
ーースピード感のある新規事業立ち上げの秘訣は?
新規事業を立ち上げる際は、”攻め”と”守り”両方の視点が必要です。
プライシングを含む販売ストーリー作成が攻めの部分、守りの部分はサポートコストなどを含めたプロダクトの原価率や経理・財務・リーガル・CSIRTなどとの連携。それぞれ、新プラン登録の会議で各機能の有識者たちや役員陣が厳しくチェックしてくれます。
僕らの発想が及ばないことを指摘してもらいつつ、新規事業立案〜実行のいろはを学ぶことができ非常に勉強になります。
ーー揚げ足取りではなく、必要な細かさですね。
そうですね。後押しと言っても良いかもしれません。上司は、先々に起こる炎上リスクを回避してくれるんです。または、「こうすればもっと売れるんじゃない?」「グループ企業であればこう提案したら」など、先回りしてさらにポテンシャルを引き出す提案や指摘をしてくれます。
ーー上司たちが頼りがいがあるのは大きな魅力ですね。
はい、足を引っ張ったり、邪魔する上司は一人もいません。freeeでは、ジャーマネ(上司)は成長を後押しする役割を担っているのですが、まさにそれを体現しています。
仕事を通して、新しい自分を発見。まだまだ成長できると実感
ーーセールスの関さんの仕事についても教えていただけますか?
僕はもともとfreee人事労務本体のセールスをしていたのですが、7月だけ伊関の手伝いをして、そこから1ヶ月半育休を取ってるんです。育休が明けるタイミングがちょうど『勤怠管理Plus』の立ち上げ期だったので1人目のセールスとしてアサインされました。
基本はセールスが中心なのですが、新しいオペレーションが発生した際は定型業務に落とし込んだり、プロダクトについて開発チームにフィードバックしたり、現場の経験をもとに伊関の壁打ち役をすることもあります。
ーー役割を限定しておらず、裁量があるということでしょうか。
裁量しかないですね(笑)「これやっていいですか?」と伊関に聞くと「どんどんやっちゃっていいよ。結果だけ教えてください!」なんて言われることも多々あります。もちろん、進める上で相談に乗ってもらったり、1ウェイの意思決定など要所でしっかりとコミュニケーションはとりますが(笑)
僕は今年で36歳。freeeに入社する前からずっとセールスの仕事をしてきて、もう10年になります。でも「入り口開拓ヨット」の仕事が一番面白いですね。
ーーどんなところに面白さがありますか?
日々、新しいものを得ている実感があります。前職は30代前半でマネジメントをやらせていただいていたのですが、正直伸び悩みを感じていました。もちろん、僕自身の努力不足もあったと思うのですが…。
「入り口開拓ヨット」の仕事は、決まった道を歩くのではなく山の中で自ら道を作っている感じです。改めて自分の得意なこと、苦手なことに気付き、36歳で成長フェーズに入った気がします(笑)
また、僕らはいま『勤怠管理Plus』の販売をしていますが、それを全社展開する動きもあるんです。現場で得た情報は伊関だけではなく、各部署の窓口の方々にも勉強会を開いてお伝えしています。
自分で商品を売って終わりではなく、言語化して他の人に渡して、それでさらに売ってもらえたら、より嬉しい。大変な作業ではありますが、やりがいがあります。
ーー他部署むけに勉強会を開いているんですね。
全体向けと、各部署の代表者向けに5回ほど開催しました。お客様との打ち合わせに同席してもらったり、逆に僕が他部署の営業に同行することもあります。
新メンバーもベテランも、ストレッチゴールを目指す
ーー長澤さんは最近freeeに入社したと聞きました。働いてみてどうですか?
非常に風通しが良く、ストレスがないですね。そして「入り口開拓ヨット」はまさに新規領域。freeeは上場しているけど、ベンチャー気質で動きも速いので楽しいです。僕は3人の中で一番最後にチームに入ってきましたが、それでも与えてもらってる目標は2人と同じくらいなので嬉しいですね。
僕が上の立場だったら、新しく入った人には無難な目標設定にして、できる人にウェイトを置いてしまうかもしれません。他の2人と対等に、ストレッチした目標を課してくれるところが凄いなと。
ーー確かに凄いですね。なぜそのような方針なんでしょう?
freeeが掲げる目標を達成するためには必然だからですね。高い目標設定をすることで新しい発想を生み出していくのがfreeeのカルチャーなんです。無難な目標ではなく、「キツくないこれ…?」と、ちょっと届かないくらいの目標設定をします。だから、freeeは昨年と同じことをしている人は誰もいません。
目標を達成するために、セールス同士でのディスカッションもめちゃくちゃしますよ。
ーー高い目標を追っているのに、ギスギスしてなくて爽やかさすら感じます。
「高い目標を掲げるあるある」じゃないですけど、上から「とにかくやれ」みたいな指示が来ることは、まずないですね。達成するための方法をジャーマネの伊関が一緒に考えてくれます。マネジメントが適切なので、安心して目先のことに取り組めます。
追い詰める上司ではなく、一緒に悩んで一緒に喜んでくれるんです。
挑戦を後押しする環境
ーー「入り口開拓ヨット」にはどんな人が向いていますか?
好奇心旺盛な人、新規事業立ち上げに関わりたい人ですかね。このチームには新規事業立ち上げの全てが詰まっています。適宜、役員から鋭い視点で”攻め”と”守り”に関する指摘やアドバイスをもらえる点もいいですね。上司がとんでもなく優秀で適切にリスク管理をしてくれるので大きな失敗はしないです。
「まずはやってみよう」の精神を持っている人は楽しいと思いますよ。もちろん難しいこともあるけど、freeeにはサポートしてくれる人がたくさんいます。
ーー他の部署にサポート求めるときはどうしてるんですか?
「この件はこの部署かな」とあたりをつけて、社内SNSの質問部屋にメッセージを投げますね。もしその部署の担当ではなかったとしても、誰かが「この人に聞いてみたら?」と答えてくれます。
質問すると、当日か翌日にはミーティングがセッティングされます。freeeは、いわゆる「差し込み案件」があっても邪険にされないんです。必要性をきちんと伝えれば「無理です」とか「来季からやりましょうか」みたいなことは言われないですね。
ーー仕事の優先順位はどうやって決めてるんですか?
ベースになるのはOKRですね。ゴールを設定してそれに必要なことは優先順位をつけつつ取り組みます。さらに、「この数字に寄与することをしよう」と、3人の中で決めた3つのルールがあります。
ーー指針をはっきりと決めているから、優先順位をつけやすいんですね。
決め事は僕らの席の後ろのホワイトボードに書いてあって、ことあるごとに参照しています。選挙で使う花を買って、数字を達成するごとに貼っています(笑)。アソビゴコロもfreeeのカルチャーの1つですね。
チームの展望とメンバーの成長
ーーfreeeでは、メンバーの成長促進のために、グロースビジョン(2-5年後のありたい自分)、グロースプラン(半年〜1年)、グロースアクション(3ヶ月〜半年)を定めていると聞きました。メンバーそれぞれがどんな展望を抱えているのかお聞きしてもいいですか?
まずは僕、長澤から。僕は前職で海外に関わる仕事をしていたのですが、その時の経験から日本のGDPを底上げしたいと考えるようになりました。
この夢を実現するために、まずは新規事業を立ち上げ、スケールして稼げる事業にすることが必要です。将来的にfreee社内で新規事業を立ち上げるときに「長澤になら任せられる」と、安心して声をかけてもらえるようになりたいんです。
グロースプランは、HR事業部全体で売り上げトップになること。グロースアクションは、アカウント数を最大化することですね。アカウントの「数」を獲得してから、大きな会社に焦点を当て「利益」を出していくんです。ここで結果を出したら新規事業も任せてもらえるかなと考えています。
ーー関さんはいかがですか?
僕、何にも縛られない生き方をしたくて。誰かに何か言われるのが嫌なんですよ(笑)その理想のためには、プロフェッショナルにならなければと考えています。
僕は一社目は人材系の会社で働いていて、freeeでも人事労務系のプロダクトを扱っています。これまでのキャリアも踏まえた上で、組織設計のプロになることがグロースビジョンですね。会社のフェーズや状態に合わせて提案できるようになりたいんです。
そう考えると、ここ1年くらいはとにかく色々なことにチャレンジしたいです。伊関との距離も近いから、マーケティングやサクセスなど、今まで見えていなかった世界を垣間見るようになりました。メインミッションは営業だけど、それ以外のことにも興味を持って色々な経験を積みたいですね。短期的な視点では、「お客様に価値を届けること」、つまり買ってもらえる活動に集中したいと考えています。
ーー伊関さんの目標は?
僕は、freeeの海外展開を見据えて入社したんです。いつになるかはわからないけど、やれる会社だと考えています。
いざfreeeが海外展開をする時に、その中心にいたいんです。それが僕のグロースビジョンですね。もしくは、freeeが別会社を立ち上げる時に声をかけてもらうなど。
僕は前職で海外駐在の経験があるのですが、海外で評価されている日本の製品はハードウェアが中心でソフトウェアはほとんどないんですよ。国内では有名なIT企業も海外進出を頑張っていますが、今後の日本にとって、プロダクトでも評価されていくことが大事だと考えています。
以前PMMチームにいたときは、プロダクトのリリースまでが僕の仕事でした。いまは企画・ローンチしてさらに自分たちでセールスもしています。
事業のこと、組織全体のことも考える必要が出てきて、難易度も上がりました。しっかりやりきって目標を達成することが短期の目標ですね。
ーーチーム全体の目標は?
1月から3月までの状況で今後の方向性も変わると考えています。勤怠管理Plusのリードが取れなければ始まりませんし、リードが取れても全然売れなければ、やり方を考えないといけない。どちらも目標を達成した時に初めてもっとドライブする意思決定ができます。でも、僕はきっとできると考えているんです。
向こう一年くらいは、僕らが立てた「入り口開拓」の仮説が正しかったことを証明し人を増やしてドライブしていきたいですね。それがチームとしての目標です。
freeeにはクレイジーな目標を追いかける人が沢山いて、良い刺激になります。
入り口開拓ヨットに興味がある人へのメッセージ
ーー最後に、入り口開拓ヨットに興味がある方へのメッセージをお願いします。
関:前例がないことにチャレンジしたい人、自分の成長にハードルを設けずにチャレンジしたい人はぜひご応募ください。裁量が大きいチームなので「何事も自分で決める」くらいの気持ちで来てほしいです。逆に安定志向だとしんどいかもしれません。
長澤:僕も関さんと同じく前職はマネジメント側で、「このまま働いて成長できるのだろうか」と閉塞感を感じていました。
いまはいちセールスとして学び直しをしています。現状にモヤモヤして悩んでいる人は、一度面接に来ていただいて伊関さんと話すと、自分と向き合うきっかけになるかもしれません。その上で、freeeと合いそうであれば、ぜひ一緒に働きましょう。
伊関:新規事業を立ち上げ、その成長まで自分たちで責任を持って作り上げていくことができるチームは、freeeのなかでも珍しいです。ほかにもいくつか新規立ち上げ事業部はありますが、このチームは全社戦略の大きな柱の一つです。
もしこの取り組みが成功したら、さらに大きいプロジェクトにつながる可能性もあります。
興味がある方はぜひ以下のURLからご連絡ください。noteを見たとご記載ください!
freee人事労務のセールス職(同じ組織の隣のチーム)がどんなものか分かる動画も要チェックです!
おまけ
「入り口開拓ヨット」の普段の働く雰囲気です。
関が購入したダルマ。『勤怠管理Plus』の目標を達成したら目を塗ります!
自席の近くの打ち合わせスペース。席でさっと話すこともありますが、移動してここで相談することもあります。
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