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2024年「乱世」のJリーグを象徴するチーム「湘南ベルマーレ」ー最終節 歴史に名を残せるか
乱世のJリーグ
いくども記事にしてきたが、今年のJリーグは混戦である。この記事のテーマである、「湘南ベルマーレの分析」に入る前に37節時点での順位表を見てみよう。
左が2024年、現在の順位表である。右は、1ステージ制に戻ってから最も混戦だった2018年シーズンの最終結果である。右の列は偏差値である。
比較をしやすくするため、2018年には偏差値50(=平均点)のチームを2チーム足して20チームとしている。
![](https://assets.st-note.com/img/1733463736-YBlGOz1ITHJasQFqu23tie4R.png)
この比較から何が言えるだろうか。まずは、優勝争いであるが2018年は川崎がぶっちぎりで優勝している。このシーズンは、はじめから終わりまで川崎と広島の争いであった。
それに対して、今年は、神戸、広島、町田、G大阪、鹿島、C大阪の6チームが一時的にせよ首位争いを繰り広げた。
中団の熾烈な争い
そして、今年のリーグの最大の特徴は、中団の争いが熾烈であったことである。一時は、10位~16位の順位が1節で入れ替わるような勝点差の状況が多くあった。
それぞれの順位表で、偏差値45~55のラインを二重線で区切ったが、最も混戦だった2018年と比べて、今年はそれに劣らない混戦だったことが分かると思う。
湘南ベルマーレ
その象徴が「湘南ベルマーレ」である。順位表を見てみよう。
![](https://assets.st-note.com/img/1733465612-f2EMI4YncC8wUk1zGyq0SWuj.png)
まだ一節残っているので、湘南は12位の浦和を追い越す可能性がある。最終節で、順位を3つ上げられるシーズンはなかなかない。福岡、川崎も見て欲しい。2桁順位から一気に7位まで上がれる可能性を残している。
湘南の試合運びのまずさ
ここで注目したいのが、勝点ではなく、湘南の12勝という数字である。同じく12勝しているチームは4つ(黄色でハイライトした)あるが、湘南はその中では最下位である。理由は、単純で、最も負けているからである。
湘南の得失点差-2という数字にも着目してほしい。6位~15位の10チームの中では、5番目にいい数字である。さらに、湘南はここまで3人が10得点以上あげている。これは、おそらく湘南以外では神戸のみである。
セイバーメトリクス(MLBのデータ・アナリスティック)の世界では、得失点差がいいのに勝率が悪い場合は、監督の手腕に疑問が呈される。つまり、試合運びがうまくないということである。
サッカーの場合、監督が試合中にできることは、大きくはハーフタイムでの修正と選手交代であろう。さらに、交代枠が5に増えたことで、より監督の采配に大きくウェイトが置かれるようになった。このことは、フィールドプレーヤーの半分は、理論的には交代できるということである。
選手層の問題か監督の問題かは分からないが、今年の湘南はデータを見る限り、試合運びがうまくいっていないことが分かる。
また、私がデータを見てきた直観であるが、10得点以上をあげる選手が3人以上いるチームは、大体優勝している。
そして、悲しいことに湘南で活躍した選手は大方上位のチームが引き抜く。この3人の選手も既に多くのチームからコンタクトを受け取っているであろう。
勝てば歴史に残る勝利となる。
最終節は、アウェイでの神戸戦である。湘南がどのようなマインドセットで戦うか分からないが、注目の一戦であることは間違いない。最終節、3チームが優勝争いをする中で、首位のチームに勝ったチームはない。
勝てば大番狂わせの歴史に残る勝利となるであろう。