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「なでしこ」 なぜ勝てなかったのか?オリンピック女子サッカーを分析する。

私は、下記記事で、
①オリンピック女子サッカーの決勝トーナメント1回戦で延長戦に進む試合が増えていること、
②アメリカの女子代表は、1回戦に過去5大会中3大会で引き分けていること、
③1回戦に唯一負けたのが2016年リオ五輪、スウェーデン戦の延長・PK戦であること

を指摘した。

ここでは、それを検証してみよう。そして、私なりの意見を寄せたい。

まず、①であるが、そのトレンドは維持されたままであった。具体的には、過去3大会から、0試合、2試合、3試合、であった。そして、今大会も、3試合。これについては、前回、世界の女子サッカーのレベルが底上げされたとの分析をした。

しかし、試合を見ていると、女子プロ選手の「持久力」が上がっているのではないか、ここでいう「持久力」というのは、自らに与えられた「タスク」を90分間、集中してこなせる身体能力、マインド・セットを言う。

古い言葉であるが、どのスポーツでも「ゾーン守備」を引いた場合、自らの「タスク」は、はっきりとする。「ゾーン守備」が破られるのは、圧倒的な選手の個人技か、特定の選手が「タスク」を遂行できなかった場合である。

私は、女子サッカーおいて、「ゾーン守備」とそれに伴い自分に与えられた「タスク」をこなせる選手が増えてきたことが、この「延長戦」の増加につながっている、と考えている。

②は、アメリカ代表が第1戦に延長の試合が、多いということであったが、2023年W杯で、スウェーデンに延長、PK戦の末負けているから、アメリカがもっと焦るかと思ったが、そんなことはなかった、選手交代も行わず、試合の成り行きを見守っているように、感じた。

アメリカの報道を読んでいると、現監督は試合に出るメンバーをできるだけ固定し、長い時間一緒にプレーさせたいようである。そのため、予選リーグ最終戦でターン・オーバーを行わなかったこと、日本との試合で、選手交代に消極的であったことを批判とは言わないが、指摘されている。

それに対して、日本はどうだったであろうか。これは、ピッチレベルの情報なので、選手と監督、コーチにしか分からない。言えることは正直ない。しかし、第三者からみると、90分間か延長戦か、半々に考えているように見えた。

ここで、考えるべきは、サッカーは引き分けが特筆すべきほど、多いスポーツである。大きな大会になると、30%から40%の試合が、引き分け(延長も含む)に終わる。

しかし、選手たちは普段のリーグ戦では、「延長」というゲームをほとんど戦わない。その意味では、慣れてはいない。ここに、監督・コーチの出番があるのではないだろうか。あるいは、「延長」もある試合について、サッカー界には、まだ「戦略」が確立してはいないのではないか。

私は、いつもこの問題を考えるとき、男子クロアチア代表のことを考える。2022年のカタール・ワールド杯で、予選では3試合中2試合、決勝トーナメントも3試合中2試合を延長戦まで戦い、ベスト4に入っている。このクロアチアというチームを分析することで、日本サッカー界も「延長戦」に強くなれるかもしれない。

私は、素人なので分からないが、サッカーの「戦略」、「戦術」の専門家の方に、一度聞いてみたいと思っている。

③アメリカに勝つには、PK戦に持ち込むべきだ、と考えたのは、確かに、PK戦には、偶然性が伴うので、どの監督も嫌がる。しかし、それは、普段PKの練習をしていない選手が蹴るからであり、統計学から見ると、キーパーのデータさえあれば分析可能で、「戦略」をたてられると私は考えている。

普段、蹴らない選手が「戦略」にのとって、練習すれば、かなりの確率で勝てると考えていた。その点で、90分間で勝つより、延長・PK戦が勝つ確率が最も高いと分析していた。

私は、素人なので、サッカーの練習がどのような割合、すなわち、練習時間における「シュート練習」の割合がどうであるか。全く知らないので、勝手なもの言いであるが、スポーツ・アナリティックスの進歩と共に、どのような練習が行われているのか、現場を知りたいと思った(もちろん、極秘であろうが。)

以上が、私が、なでしこの「アメリカ戦」から学んだことである。いずれもが、サッカーという「偶然性」が支配するスポーツの不思議なところで、面白いところでもある。

これからも、サッカーについて、書いていきたいので、興味のある方はぜひ私の記事を読んでください。




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