見出し画像

残留争いと開幕10試合の関係ー残留争いは開幕から始まっている。


はじめに

前回の記事では、「優勝争い」と「直接対決」の相関関係を検証した(結果については記事を読んで欲しい。)

この記事では、「残留争い」と「開幕10試合のスケジュール」の関係を見てみたい。残留争いでは、終盤戦でどのチームと当たるかが問題となるが、残留争いに追い込まれていく状況は分析されていない。

私は、今シーズン中、順位表を自分で作っていたので分かるが、下に落ちると中々上がれないのである。まさに、蟻地獄である。そのような発想の下、この記事を書いている。

開幕10試合と言えば、暦で言えば、ゴールデンウイークに入る前だ。上位で言えば、首位C大阪、そして2位に町田、3位広島。ちょうど、町田の実力が本物ではないか、と言われだした頃である。

対戦相手の強さからの推定

話は変わるが、アメリカでは、今まさにカレッジフットボールがプレーオフに入る時期である。このプレーオフに出るチームを決めるのが大変なのである。

今年から、フォーマットが変わり12チームのプレーオフになったが、それまでは4チームのみのトーナメントだった。アメリカのカレッジスポーツは、地域ごとに大きく5カンファレンスに分かれている。

レギュラーシーズンは基本的に、この5カンファレンス内で試合が行われる。各々に所属するカレッジは、およそ10チーム強全てで約60チームである。また、アメフトは極めてフィジカルなスポーツである。1週間に1試合しかできない。

その限られたサンプルサイズをもとに60チームを4チームに絞っていたのである。そこで、妥協的に用いられるのが対戦相手の強さからの推定である。極めて統計学的思考を用いるのである。

FIFAランキングを思い起こしてほしい。このような手法は、論争を巻き起こすが、これ以外に妥協案はないのである。これを「残留争い」と「開幕10試合のスケジュール」の関係に用いようというのが、本記事の趣旨である。

開幕10試合の成績

さて、残留争いに絡んだのは、5チーム、上位から新潟、柏、磐田、札幌、鳥栖である。これらのチームの第1節~第10節の成績を見てみよう。下表のようになる。
最終順位がTOP5の対戦相手の結果をハイライトした。

黄色のマスはTOP5のチーム

今シーズンのTOP5は、順に、神戸、広島、町田、G大阪、鹿島である。何か、気づくことはないだろうか。下位のチームの方が、TOP5との対戦が多いのである。

降格した3チームは、開幕からの10戦中少なくとも4戦は、TOP5のチームと対戦しているのである。それに対して、自動降格しなかった2チームは、1戦しかしていないのである。

最終順位という結果から、その原因を探るという後づけ論ではある。しかし、これだけの差があれば、一要因として、降格したチームは、開幕10戦のTOP5との対戦によって残留争いに追い込まれていったと言っても良いと思われる。

町田の場合

最後に、昇格から優勝争いをした町田を見てみよう。

自身もTOP5なので、残りのTOP4とは、全て当たっている。4戦、1勝1分2敗である。それでは、なぜ磐田と運命を分けたのであろうか。

答えはTOP5以外のチームと互角以上に戦ったからである。6戦5勝1敗である。町田のサプライズのカギはこの開幕10試合にあると言っても過言ではない。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集