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仕事に対する恐怖心を取り除くには?
手が滑って顎や股間を鉄棒に痛打。あ痛たたっ…。
体操選手の落下事故って、文字にしただけで背中がゾクっとしますよね。
大怪我で病院へ搬送ということも多いようです。
これは出典が定かでないので、話半分で聞いてほしいのですが、怪我した選手を病院に運ぶ前にやっておくことがあるそうです。
なんと、怪我人に鉄棒を握らせるのです。たとえ、意識がもうろうとしていようとも…。
これを済ませておかないと、怪我が治ったとしても、恐怖心が邪魔して競技復帰が遅れるからです。
話は変わりますが、
個人宅への訪問営業を主体にしている会社さんでのエピソードです。
経験した方はおわかりでしょうが、訪問営業って、初めの頃は玄関チャイムのボタンさえ押せないんですよね。恐怖心で指が震えて押せない…。
何とかチャイムを鳴らしても、インターホン越しに聞こえてくるのは、「いりません」「間に合ってます」の断り文句がほとんど。
幸運にも家人が出てきたと思ったら、差し出した名刺を目の前で破られた…なんてこともあるくらいです。
新人営業マンにしてみれば、自分の人格を全否定された気持ちになります。
これほどまでに相手に拒否され、拒絶される経験は、おそらく生まれて初めてのことでしょう。
さらに恐怖で心が一杯になり、家の門さえくぐられなくなります。
悪循環です。
そこで、こちらの会社さんでは、まずは営業部のマネージャー自身が飛び込み営業のお手本を見せます。
たとえ、営業の上級者であっても門前払いがほとんど。
新人は、断られることが当たり前で決して恥ずべきことではなく、ましてや自分の人格が否定されているわけではないことを学びます。
お断りが続いてもめげずに、それでも、たまたま話を聞いてくれたお客様に笑顔で対応する上司の姿を、その眼に焼き付けることで、新人は辞めずに育っていきます。
仕事の失敗事例(本当は失敗ではありませんが)を見せることで、あらかじめ仕事に対する恐怖心を取り除くのです。
実際、新人の離職率が下がったそうです。
マネージャーに現場の肌感覚を思い出させる効果もあるようです。
上司の立場からすれば、自分のカッコ悪い姿を部下に見せるのって、なかなかできるものではありません。
それでも新人が力を発揮できる環境を整えるのが上司の務めである。
それがこの会社さんの方針です。