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女心と秋の空 映画『真珠の耳飾りの女』 (2003)

46点/100


絵画に残念ながら、造詣がなく、『レンブラントは誰の手に』がヨーロッパのお金持ちの生態を知るのに、面白かったので、何となく、観てみることに。

光彩が綺麗なので、好きな人も多いと思う。


あらすじ


家族から働きに出され、フェルメール家の女中になる少女 グリート。

フェルメール家の雇い主と女中の関係。

フェルメールの奥様と女中の関係。

パトロンと絵描きの関係。

昼ドラのような渦巻く関係の中で、純粋な少女 グリートは、振り回される。

真珠の耳飾りの少女の謎のモデルの人物像に迫る物語。


不可もなく、可もなく


観終わった感想としては、"可もなく、不可もなく"。

様々なレビューを読んで、彼の作品の映像の再現がスゴいと目にする。

当方としては、真珠の耳飾りの少女と牛乳を注ぐ女が一緒に働いていたのかと納得した。

役者がすごく豪華だった。

主演がスカーレットヨハンソン。

フェルメール役にキングスマンや英国王のスピーチなどのコリンファース。

肉屋の青年がビックリ!!

オッペンハイマーを演じたキリアンマーフィー。


スカーレットヨハンソンが3年後にクリストファーノーランの『プレステージ』に出演する。

キリアンマーフィーが2年後に『バットマン ビギンズ』にスケアクロウ役で、出演し、今、話題の『オッペンハイマー』で、主演をしている。

クリストファーノーランも当時、観ていたのかもしれないと想像する。

スカーレットヨハンソンは、アメリカ出身なのにUK訛りも違和感なく、演じていた。


性的な描写


性的な描写は、あまり多くない。

様々なレビューで取り上げているように、真珠のピアスを通すということは、そういう意味だと捉える。

だから、その後、肉屋の少年 ピーターに体を寄せたのは、自分が汚れてしまったので、純粋なもので、払拭したかったと推察する。

マダムが鬼の形相で、怒っていたのも、そういうことだろう。

最初のシーンで、父親が家を出るグリートに父親が描いたマヨリカタイルを渡していた。

フェルメールのアトリエに飾られていたのもマヨリカタイルだった。

やたらと、フェルメールは、マダムに"絵を理解していない"と言う。

グリートは、文字が書けなくっても、美的センスの面で、フェルメールと理解しあう部分があったという事だろう。

最後のシーンで、牛乳を注ぐ女が実家に訪ねてきて、最後にターバンと真珠を渡したのは、

フェルメールとマダムが離婚したことを伝えたかったのか。

あなたは、真珠の耳飾りの少女として、後世まで伝わりますよ。という「しがらみ」を伝えたかったのか。


感想


スカーレットヨハンソンの美貌に息を呑むというレビューが散見される。

個人的には、『プレステージ』の時のスカーレットヨハンソンが好きだ。

今作は、辛いグリートの半生を描いている。

真珠の耳飾りの少女は、微笑みに明るい印象のある絵画だと感じるのだが、この映画の原作小説を書いたトレイシーシュヴァリエは、この絵画に少女の悲しさを見出したのだろう。

劇中で、グリートが言う。

"私の心まで、見透かしたの"

人それぞれ、絵画に見出すものは、千差万別である。

なので、このnoteの題名を"女心と秋の空"とさせて頂いた。


ここまで、読んで頂き、ありがとうございます。
愛してるぜ!!

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