「物理学者のすごい思考法」 橋本幸士 著 インターナショナル新書
「あー、やってたやってた!」と思ったのが、「すべての切符には、切符ごとに異なる4桁の整理番号が印字されていた。その4桁の数字が与えられた時に、数字の間に「+」や「÷」などの記号を入れて、計算結果を10にする数式を作る(p.18)」です。小学校時代電車に乗る度にやっていました。「9999」「1919」とかで10ができた時には感動したものです。
また、「時間は2次元」という考えにも、「おー、似たようなことを考えていた人がいたんだ!」と嬉しく、ちょっと悔しくも感じました。
高校時代、「世界は4次元である、すなわち、x、y、zの3次元の世界に時間軸tが加わったものである」と知ったとき、なるほどと思いました。「羊羹の切り口は2次元なのだけど、実際の羊羹は3次元・・・もし切り口が、今この瞬間の『x、y、zの3次元の世界』であり、そこにtという次元が加われば、4次元羊羹という世界になるのだ」と当時の僕は理解しました。
しかし、疑問が湧いてきたのです。「『x、y、z』は、互いに交換可能。つまり、『z、x、y』に記号を変えてしまっても良いわけだけど、tと交換することはできない。と、いうことは、『x、y、z』と『t』は別物なのではないか?」という疑問です。「そうか!」と、そこで僕は閃いたのです。「『t』が1次元である必要はないではないか?」ということです。「空間と時間は対等であった方が美しい」という妄想から、僕は、「時間も空間と同じ3次元なのではないか」という仮説を立てたのです。
もし時間が3次元ならば、量子力学のあやふやさが少しは解決できるのではないかと思いました。すなわち例えば、「光子がどの位置にあるかということは、どの時間経路を通ったかによって決まる」ってな理論が作れるのではないかと思ったのです。
「あー、オイラは天才だ!」と思ったのですが、そこからがいけない。大学では工学部に進んだものの、勉強より、麻雀の確率論に特化する学生生活を過ごしてしまいました。あの頃もっとちゃんと勉強しておけば良かったなと・・・今更ながら思いました。
面白かったです。あっという間に読みました。