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ディレクターとは、結果を出すためにできることを全部考える人
この記事はGoodpatch Anywhereアドベントカレンダー9日目の記事です。
27歳からWeb/IT業界に入り、8年が経ちました(現在35歳・高卒・元トリマー)。
転職当時、(Web)ディレクターがどのような業務を行う役割なのかがハッキリとわかっておらず、悩むことが多くありました。
そのため、どのようなことを勉強すればよいかがわからず、自分の周りに相談する人もいないという状況が続き、使い物にならないポンコツディレクターでした。
そのような状況から半年が過ぎた28歳の頃、日本ディレクション協会に出会って状況は一変。コミュニティで知り合った人からいろんなことを吸収し、転職先にも恵まれ、今では島根に住みながらフリーランス(Goodpatch AnywhereではPM・UXデザイナーとして)なんとか生きています。
(こちらは、昨年のアドベントカレンダーで書いたnoteです。今見たら、若干かぶってるところがありますね...)
そこで、過去の自分のような、これからディレクターを目指す人やディレクターとしてこれからもっとキャリアを伸ばしていきたい人の参考になればと思い、自分なりにディレクターの役割と必要なスキルを棚卸ししてみました。
この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
お願い
もし、ブックマークやあと読みしておきたいと思いましたら、ぜひ「スキ」を押していただければ幸いです。
また、近々、過去の自分(のような人)に向けたディレクションに関するnoteを追加していこうと思っていますので、ご興味があればぜひスキを押してください。
1:ビジネススキル(戦略・マーケティング・会計・チームビルディング)
ディレクターは、制作物(ここではWebサイトやアプリとします)の質に責任を持つ者だと考えています。
では、制作物の質をどのように測るのか。
それは、ビジネスにおいて達成したいと考える目的が、制作物によって達成されそうか(されたか)どうかの1点だけだと考えます。
そもそもビジネスで設定される目的は、定量的に測れないといけません。
目的を設定する際のポイントとして、私はP&GのSMACというものを意識しています。
また、戦略を考える上では、達成したい目的と、保有している(または、手に入れることが可能な)資源を有効活用すること(=戦いを略すること)が重要だと考えます。
では、戦略に基づいた施策を検討する際に、どのように考えるのか。
それは、Who(誰に)・What(何を)・How(どうやって)の3点です。
ただし、プロジェクトにおいて、Whoが定めきれないということは往々にして起こりがち。
戦略は、「戦いを略すること」「資源を有効活用すること」と考えた際に、特定のターゲットに対して資源を集中して投下することで最大限の効果を得ることが重要ではないか。
ここでは、私は、”戦略ターゲット・非戦略ターゲット・プロジェクトターゲット”というフレームワークに沿って考えています(下記、参考)。
次に、資源(リソース)であるお金と人の話を理解することが大切だと考えます。
限られた資源を有効に活用するためには、携わるビジネスがどのようにしてお金を稼いでいる(稼いでいく)のか。そして、そのお金はどこに向けて使用されるのか。さらに、働く人たちが気持ちよく働き、最大限のパワーを発揮してもらうためにどのように振る舞えばよいのか。
それが、僕がディレクターにとって必要なスキル・ノウハウとして、会計とチームビルディングを挙げる要因です。
会計については、大河内 薫さんが発信されている情報などを参考にしています。
チームビルディングについては、参考図書をページの最後にまとめておりますので、よければご覧ください。また、後日、自身の経験も踏まえてnoteに書き留めておこうと思います。
2:人間中心設計プロセス
次は、制作物をどのように設計していくかというプロセスについて。
人間中心設計プロセスでは、
1. 利用の状況の把握と明示
2. ユーザーと組織の要求事項の明示
3. 設計による解決策の作成
4. 要求事項に対する設計の評価
を、ユーザーの要求が満足するまで繰り返すと述べられています。
上記の記事にて、それぞれのプロセスに対してどのような手法が用いられるかの例が記載されていますので、参考にしていただければと思います。
追加で、私が感じた点を言うと、「利用の状況の把握と明示」というフェーズで定量調査(Webサイトやアプリであれば、Googleアナリティクスのような計測ツールを用いた分析)や、事業KPI/KGIの構造がどうなっているかを知っておくのは特に重要だと感じます。
先述のとおり、達成したい目的はどのように測定・定量化されていくのかを意識するだけでも、ユーザー体験の設計における具体性が増していくのではないかと考えています。
この点について、先日、Anywhereの事業責任者であるKeita さんがnoteにまとめていたので、ぜひご覧ください。
また、コロナ禍におけるユーザーテストの事例として、Gokaichiさんがnoteを書いてくれていましたので、併せてご覧ください。
3:ソフトウェアデザイン
私たちが携わるWebサイトやアプリの制作は、すなわち、ソフトウェアのデザインではないでしょうか。
詳細については、以下の記事を参考にしていただければと思います。
ただ、一部の方はもしかすると、「この領域までもディレクターが関わるべきか?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。
この点についての僕の考えは、Webサイトやアプリの品質を高めるために必要なノウハウ・スキルは積極的にインプットしていく姿勢が重要だと考えています。
たとえば、プロジェクトにおいてソフトウェアデザインに関するノウハウ・スキルを担うメンバーがいるのであれば、ディレクターはプロジェクトマネジメントに主軸を置いていればよいと考えます。しかし、もしそういった人材がいない・調達することもできないとなった場合、品質を上げるための手段は自分に賭けるしかなくなるのではないでしょうか。
もちろん、場合によっては諦めなければいけない事態もあるものですが、ディレクターが知っているからプロジェクトにおいて得られるメリットがあるとも思います。
(私見ですが、ワイヤーフレームを書いているディレクターさんであれば、ここに関するインプットはMUSTだと感じます。)
4:プロジェクトマネジメント
最後は、ディレクターの主戦場となるプロジェクトマネジメントについて。
PMBOKや、Webプロジェクトマネジメント標準など、体系化されている質の高い参考となるものはたくさんありますので、そちらを読んでいただくのが一番だと思いますが、すぐに使えるTipsとして、(こちらもGoodpatch Anywhereメンバーで恐縮ですが)大堀さんのnoteがとても良記事なので、ぜひご覧ください。
最後に:結果を出すためにできることを全部はやらない
ここまで、「あれもこれも全部できるようになろうぜ」という内容になってしまっていますが、いつまで経っても完璧になることはほぼないだろうと思っています。
というのも、自分自身の1日の時間は24時間しかなく、インプットしてアウトプットする時間もかなり限られているのではないでしょうか。
過去の自分は、その時々であっちに行ったりこっちに行ったりとフラフラしながら、いろんなことを学んでは消化をし、次に行くというスタイルでやってきました。それはそれで、自分にとっては納得のいく形で次に進められるのでよかったのですが、効率という点においてはあまりにも非効率だと感じます(Amazonのほしい物リストに、買いたい書籍がたまりがち)。
ですので、まずは大枠としてどのようなスキル・ノウハウが必要そうなのかという点を明らかにしたうえで、今すぐ必要なもの・今はいらないけど将来的に知っておきたいことなどを明確にし、インプットをしていくのがいいんじゃないかなと思います。
ただし、プロジェクトにおいては自分の力を100%出し切って、結果を出すためにできることを最後まで考える続けることが大事なのではないでしょうか。
このnoteは、過去の自分に向けてまとめたものですので、もしそのような方がいらっしゃって参考になれば、とても嬉しいですし、TwitterやFacdebookなどでメッセージをいただければと思います(スキも押してやってください)。
参考図書
1:ビジネススキル
なぜ「戦略」で差がつくのか。―戦略思考でマーケティングは強くなる―
2:人間中心設計プロセス
3:ソフトウェアデザイン
オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理 WEB+DB PRESS plus
4:プロジェクトマネジメント
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