弱く生まれてくれてありがとう
君が弱いから僕は強くいられるんだよ、だからありがとう。
嫌なことがあるよね、弱いから、だから僕はそれを排除しよう。
つまらないこともあるよね、理解できないから、じゃあ少しだけわかりやすくするね。
キライなことばかりだよね、スキがわからないから、だったらさ僕が好ましい存在になってもいいかな?
白馬で登場すると思ったかい? 最寄りの地下鉄で来たよ、でも誰よりも愛してる。
イライラするよね、毎日くだらないものね、今日はこれから楽しいことをしよう、踊るのは嫌いだったかな?
君の好きなカモミールティーは? そう……温かいのをすぐに淹れようね、ミルクたっぷりで。
明日は昼までゆっくり一緒に眠って起きたら僕の手作りティラミスをごちそうするよ、実はこっそりチーズを買っておいたんだ。
また死にたいと思ったんだね、わかるよ、優しい君だもの。
ためしに自ら命を絶ってみれば? そのかわり僕も消える、そういう成り立ちだから。
月が邪魔なら僕が壊そう、隕石をぶつけてさ、できないとでも?
君が僕の力、できないことはない、これからもずっと。
もう他に何もいらないと思えるような君。
どうか居なくならないで、君は僕の太陽。
君が弱いんじゃない、僕が強くなるためにそう生まれた。
君に照らされない僕はただの石ころと同じ。
君と一つになったとき、僕はついに虹色に輝く。
だから僕の傍で幸せに笑っていてほしい、もうそれ以外何もいらないから。
そうならない未来なら全部壊してしまおう。
何度でもやり直す、悠久の繰り返しの中で、頬を撫でる風のように君に愛を囁く。
弱く生まれてくれてありがとう、幾星霜すべての輪廻で愛してると言おう。
僕の奏でる音楽、唄が君のその心に届くまで。
本稿はこの曲を聞きながら書きました vol.006
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ここまで読んでくれたことに感謝。
これからも書くね。