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No.71茶の湯の音【松風】を嗜む

茶道に使用される「釜」。

釜の湯の煮える音には「釜の六音」という形容があります。

唐や宋の時代に中国から来た湯相(ゆそう/ゆあいと読む。お湯の沸き加減のこと)表現です。

1.「魚眼(ぎょがん)」:魚の目のような泡が生じている状態
2.「蚯音(きゅういん)」:ミミズの鳴く音のようにあるかないか分からないような音の出ている状態
3.「岸波(がんぱ)」:岸に波が押し寄せるような音のする状態
4.「遠浪(えんろう)」:遠くにある波が出すような音
5.「松風(まつかぜ)」:まさに松林の中を吹き抜けるような音のする状態
6.「無音(むおん)」:水を差すことや火の勢いが落ちることで音がなくなる状態


千利休は、「釜の六音」のうち、「松風」がお茶に一番良いと仰せになっています。

今回は、「釜の六音」のうち、「松風」をゆっくり嗜みます。



「松風」。松林の中を吹き抜けるような音。



ヒュー。



毎日の喧噪から、少し気持ちを釜の音に耳を澄ませます。



ヒュー。



釜の音を聞いて「何かを感じ取らなければならない」と思う必要はないのです。



これは座禅と同じで、ただただ、目を閉じて釜の音に耳を澄ませます。



ヒュー。



今はただ釜の音に耳を澄ませます。



ただの湯の沸く音だとお思いでしょうけど、その感覚で良いのです。



今はただ、「松風」を存分に味わってください。



ヒュー。



noteは文章が主体となりますが、たまにはこういった音を嗜むのも良いことです。



ヒューヒューヒュー。



「松風」に何も求める必要はありません。あなたは、ただ、釜の湯を嗜んでいるという事実を受け入れるのみで良いのです。




ヒュー。


















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