Vol.528「女が同意か拒絶を明確にせよ」
（2025.2.12）
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…中居正広・フジテレビ問題、具体的に何があったのかも未だに一切わからない。刑事事件にもなっておらず、「被害者？」とは示談が成立していて、既に解決済みの問題だったのに週刊誌に記事が出て、何だかわからないけれども「人権侵害があった」と認定され、たちまち全ての番組が打ち切られてしまい、フジテレビなどは、なぜ問題を把握した後も番組を継続していたのかと責め立てられたのだ。女をただ「被害者・弱者」の枠に押し込めておくことが、女性を守ることなのか？それで女性の地位は向上していくのか？
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…うねる東アジア情勢の中、母から受け継いだ天皇の地位を高め、国家強靭化に情熱を注いで生きてきた天智天皇だったが、自身にもまた病魔が忍び寄っていた。かねてから、次の天皇は「弟の大海人皇子」と決めて仕事を任せてきた。だが、自分が没した後のことを考えると、大海人皇子を支え、次の天皇になる存在を重要なポストにつけておくべきだという考えが強まる。そのポストに適しているのは、息子の大友皇子しかいない。思案の末、宮廷人や豪族たちを納得させるために新人事を発表したが、人々の間では、その真意とはかけ離れた伝わり方をしていったのであった……。
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…「自称被害者」の背後には誰がいる？「『夫婦の絆』のラストはハッピーエンドじゃない」の意味とは？石破総理とトランプ大統領の会談の失敗を願うネトウヨの心理とは？無茶苦茶なことをやっても、景気のいい話ばかりぶち上げるトランプ政権をどう思う？先月亡くなったデヴィッド・リンチ監督の作品をどう思う？天皇陛下が日本に必要不可欠な理由は？…等々、よしりんの回答や如何に！？
1. ゴーマニズム宣言・第557回「女が同意か拒絶を明確にせよ」
先週号では中居正広・フジテレビ問題で、「Ｘ子」に関する「空想の話」を書いたら大反響となり、「小林よしのりライジング」創刊以来の購読数となってしまった。
今回は、先週とはまた別の視点から、この問題に関してさらに思想を深めておきたい。
週刊文春が「誤報」を認め、フジテレビは「性上納」などしていなかったということが明確になったはずなのに、なぜだか今なおフジテレビが叩かれ続けている。
どうせみんな、ただ誰かを叩いて憂さ晴らしがしたいだけで、あと1～2週間もすれば何が問題だったのかわけがわからないうちに、曖昧に全てが忘れ去られていくのだろう。そして理由も不明確なままに、中居正広という国民的人気のあったタレントが一人、芸能界から抹殺されたという事実だけが残ることになるのである。
それだったら、例えば橋本環奈の「パワハラ疑惑」はどうなる？ とわしは思ってしまう。
中居・フジテレビ騒動のちょっと前、現在NHKの朝ドラ『おむすび』の主役を張っている最中の橋本環奈が、ものすごく生意気になって増長しているというスキャンダル記事が出ていた。
どうせゴシップだから全面的に信用はできないが、休憩中に男の俳優を呼び出してキスしろと言ったりしたなんて記事も出て、いま一番かわいい旬の女優と言われていた橋本環奈にとってはかなりのイメージダウンになってしまい、朝ドラ自体の人気も全然盛り上がらない状態となってしまっている。
だが、もしもこれが、男のタレントが女を呼び出してキスしろと言ったなんて話だったらこれくらいでは済まないはずで、絶対に大問題となって、パワハラだのセクハラだのと言われて「人権問題」になっていたはずだ。
ところが女が「加害者」側だったら、あんまり「人権問題」にはならないのだ。これって、おかしくないだろうか？
中居くんの問題については、具体的に何があったのかも未だに一切わからない。刑事事件にもなっておらず、「被害者？」とは示談が成立していて、既に解決済みの問題だったのに週刊誌に記事が出て、何だかわからないけれども「人権侵害があった」と認定され、たちまち全ての番組が打ち切られてしまい、フジテレビなどは、なぜ問題を把握した後も番組を継続していたのかと責め立てられたのだ。
それだったら、NHKの朝ドラだって直ちに番組を打ち切るか、主役を交替させなければならないはずだが、そんな世の中になっても本当にいいと、みんな思っているのだろうか？
トラブルの内容も不明のまま、漠然と「人権侵害」と言われただけでその人の存在全てがキャンセルされてしまう「キャンセル・カルチャー」を、このまま認めておいていいのかというのが本質的な大問題である。
生島ヒロシだって、一体何をやったのがいけなかったのかもよくわからず、何かワイセツな写真を送ったらしいということくらいの理由でキャンセルされて、消滅してしまった。しかし、原因を確かめようとすること自体がまた「セクハラ」だとか「二次被害」だとか言われて禁じられるのだから、もうどうにもならない。
いつの間にか降ろされ、干されて、存在がなくなってしまう。フワちゃんでも誰でもそうだが、一時期どんなに人気があったって、一旦降板させられたら、スポンサーの印象が悪くなって、もう誰にも使われず、ただ消え去るのみなのだ。
芸能人って華やかそうに見えて、本当は酷い扱いなんだなとつくづく思う。「浮き草稼業」とはよく言ったもので、さすが「河原乞食」だと再認識させられる。とても人間扱いされているとは思えず、全く人権なんか認められてなどいない。「人類普遍の人権」なんて、どこにあるんだと思ってしまう。
中居くんの話に戻すと、やっぱり中居が「Ｘ子」にどれほどのことをしたのかを具体的に知らないことには、本当に人権侵害があったかどうかなんて、何も言えない。まずその発端がわからないと、そこから先の話が全然進まないのだ。
この問題、100歩も1000歩も譲ってＸ子の側に立って考えようとしても、やはり全く理解ができない。それほどまでの「性被害」を受けたのなら、なぜ刑事事件にもせず、示談にしちゃったのか？
具体的なことは一切明かされないものの、Ｘ子は中居の家で「意思に反する性的行為」をされたということ程度は匂わせている。
しかし、これとて「嫌だったら拒否しなさいよ」としか言いようがないのだ。
