小説を書くための本【読書のきろく】
「小説を書くこと」がテーマの本、読みました。
noteで小説っぽいものを書くようになってから、もっとうまく書きたい、読んでもらえるようなものを書きたいと思うようになって、たぶんそのおかげで図書館に行った時に目に飛び込んできたんだと思います。
読んでみて、自分がなぜ小説が好きなのか、どこに感動して、読んでいるときに心の中で何が起きているのか、が分かりました。
同時に、僕が小説っぽいものを書いて、「何かが足りない」と感じていたものが分かりました。
「描写」です。
今まで書いてきたものには、それぞれの場所があり、空気があって、僕の頭の中では表情豊かな登場人物が動いています。マンガや絵本にしたら、その様子を伝えることができるのかもしれません。絵で状況を表現できるから。
でも、小説には絵がない。ことばで表現しない限り、同じ場所に連れていくことができません。
自然の美しさや荒々しさ、人の動きや表情、街の様子、聞こえてくるもの、触れた感触、匂いや味わい。その場に立って、五感で感じる状況を、写生するようにことばで表現する。
あるいは、なんとも言えない心の動きを捕まえて、なんとかして表現する。
描写する力が弱かったのが、よくわかりました。だから、説明文みたいになっていたんです。
『小説の書き方』では、その切り口のバリエーションを、たくさんの作品の例を示してもらいながら学ぶことができます。
『2週間で小説を書く!』には、描写する力を磨くための14の実践練習が掲載されています。1日1つで、2週間。
どちらも、分かって終わったら本当の終わり。
書くこと、書き終えること、書き続けることが大切で、それが大前提として書かれています。
いつまでも完成しないまま次々と新しい思い付きを書き足しているだけでは、経験知が増えない。作品を書き上げるという経験知である。どんな下手な作品でも、みじめな失敗作でも、幼稚で恥ずかしい若書きでも、一つの作品を書き上げた方が、たくさんの未完成の作品を生んでいるより、はるかにマシである。同じ作品をどんなにいじくり回していても、同一平面上を歩き回っているだけであるが、一つの作品を完成させると一段上のステージに上がることができる。
>『2週間で小説を書く!』|清水良典 著 p.179より引用
「実践練習までついて、なんて優しい本なんだろう。」
これが今の感想です。
宣言すると、それでやり遂げた気分になってしまうから、とりあえず読書のきろくだけ書き留めておこう。
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読書のきろく 2020年57・58冊目
「小説の書き方」
#森村誠一
#角川oneテーマ21
「2週間で小説を書く!」
#清水良典
#幻冬舎新書