「主体的に学習に取り組む態度」の評価 悩むより先に考えること②
続編です。
前回の①で伝えたかったことは
どう評価するかより、どう発揮させるかを先に考えないとはじまらない
でした。
そして、今回の②と次回の③を合わせた結論を先に伝えます。
です。
根本的なことなのに、つい忘れがちなので、いちばん大事な部分をもう一度繰り返します。
学習評価は子どもを伸ばすためのもの。
どの学校でお話する時も最初に確認するのですが、
研修の途中で忘れてしまう人がいらっしゃいます。
だから、しつこくもう一度。
だって本当に大切だもの。
学習評価は子どもを伸ばすためのもの。
そもそも「評価」は自然な行為、自然な心の動きだと僕は思っています。
僕たちは美しい花を見れば「きれいだな」と考える。
つまり、「きれいだ」という評価をしている。
カレーを食べて、「おいしい」と感じる。
これも評価です。
ほぼ無意識に評価しています。
逆に、
カレーを食べて、「まずい…」
これも評価。
でも、カレーをつくってくれた人に向かって、
「まずい」と声に出して評価を伝えることはあまりない。
だって、わざわざ言わなくてもいいことですから。
声に出さず、「いやー、まずいなー」と胸のうちにしまっておく。
それでいい。
というか、その方がいい。
ところが、学習評価は、わざわざ伝えます。
マル・バツをつけたり、A・B・Cをつけたり、所見を書いたり。
そういった評価を集めて「成績」とし、成績表を渡したり。
どうして、わざわざ伝えるのか?
バツやCの評価でも伝えるのか?
それは、
子どもに伸びてほしいから
ではないでしょうか。
つまり、
相手を伸ばそうと考えた時に我々は評価を伝えようとする。
もし、自分の家族がカレー屋をはじめたとして、
店のカレーが「美味しくない」と感じたら、
評価を伝えると思います。
もっと美味しいカレーをつくれるようになってほしいから。
では、
グルメサイトなどに、そのカレー屋の評価が
と書かれていたとして、
この評価は「美味しいカレー屋」につながるでしょうか?
接客、雰囲気、価格という評価の観点は、味とは無関係であり、
「美味しい」につながるものではありません。
でも、お店はこの評価を受けて、価格を見直すかもしれません。
そういう期待が評価の観点にこめられています。
つまり、
評価の観点は「伸びてほしい」と期待しているものの表れ。
そして、現在の学習評価は3観点
・知識及び技能
・思考力、判断力、表現力
・主体的に取り組む態度
この3つが伸びてほしいって言っているのが今の学習指導要領。
だから、僕らが考えるべき問いは
「どうすれば評価できるか」ではなく、
「どう評価したら、伸ばせるか」でしょ?
教師には、学習評価についての説明責任があります。
教務担当や保護者から評価の根拠を問われることもあります。
だからつい「どうすれば説明のつく評価ができるか」と考えがち。
でも大事なのは、
学習評価は子どもを伸ばすためのもの。
考えるべきは、
どう評価したら、子どもを伸ばせるか。
僕らは子ども伸ばすために、教育やってるんで。
教務担当や保護者に褒められたくて教師やってるわけじゃない。
説明できなくて良いわけじゃないが、第一優先は子どもの成長。
どう評価したら、子どもの「主体的に取り組む態度」を伸ばせるか。
これは、次回の③で書きます。
「伸ばす」と考えたとき、「主体的に取り組む態度」の観点は「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力」の2観点と性質が異なります。
すると評価の考え方も異なります。
そのあたりも次回の③に書きたいと思います。
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