1.労働条件通知書の重要性
まずはここから
皆さん働いていますか?僕も働いています。
最近、色々な労働問題の相談を頂くようになったのでnoteに纏めていこうと思います。
僕が働いているのは生きていく為の原資を得る為です。
規模の大きい会社の従業員だと「ステークホルダー(株主)の為に!」等をよく見かけますが正直そんな事を考えて仕事する労働者は少ないと思います。
自分の生活、家族の生活、親の介護費用、家や車のローン、趣味に費やす原資を、まず先に考えるのは普通の事だと僕は考えています。
人(会社)の幸せが先か自分の幸せが先か?みたいな事を言っているのではなく、労働者として幸せな労働者人生を送りましょうって事です。
今まで労働者が不利益な扱いを受ける数多くの相談に直面しました。
今も(昔も)ブラック企業の労働力の搾取は現実問題として存在し続けます。
未払賃金…不当解雇…ハラスメントによる退職…
貯金があるかないかは別として労働者が本来えられるべき給与、すなわち生活の為の原資が得られない事態がおこる前に若しくは自分が直面してしまった場合どのように対処するか各種労働問題別にまとめました。
1. 労働条件通知書は必ず交付してもらう
労働基準法第15条第1項には、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と規定されています。明示すべき事項は労働基準法施行規則第5条第1項に規定されてます。※補足いれてます。
「絶対的明示事項」
(1)労働契約の期間に関する事項
契約期間のない正社員の場合には、なしと記載し、契約期間を設ける場合にはその期間の明記。
(2)就業の場所及び従業すべき業務に関する事項
働く場所を記載します。会社や実際に勤務することになる店舗などの住所を明記。実際に従事する業務内容について明記。
(3)始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時点転換に関する事項
始業時刻と就業時刻が定まっている場合には、その時間について明記。
所定労働時間を超えて働く場合があるかどうかを記載。
会社における休憩時間や休日、休暇について明記。
(4)賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金等を除く。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
月給や日給、時給などの計算方法を明記。
賃金をいつ締め日にし、いつ支払うのかを記載。
(5)退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
定年退職の年齢や、自己都合退職の場合には何日前の連絡が必要かを明記。
「相対的明示事項」
(6)退職手当の定めが適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払いの方法並びに退職手当の支払いの時期に関する事項
退職手当の支給制度がある場合には記載。
いつ、どのような計算のもとで金額を支払うのか詳細を明記
(7)臨時に支払われる賃金(退職手当を除く。)、賞与及びこれらに準ずる賃金並びに最低賃金額に関する事項
業績によって支払われる報奨金、およびボーナスについて、いつどこでどのように支払うのかを明記
(8)労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
従業員用の食堂がある場合に、社員に支払ってもらう食費や、制服の購入費用が発生する場合には明記
(9)安全及び衛生に関する事項
健康診断の時期や、喫煙所の場所、災害補償に関する内容などを詳細に記載
(10)職業訓練に関する事項
職業訓練の受講など、会社規定がある場合には記載
(11)災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
従業員が勤務中に怪我をしたり、病気になったりした場合の会社の補償制度について記載
(12)表彰及び制裁に関する事項
会社における表彰制度や制裁制度がある場合には、記載
(13)休職に関する事項
産休や育児休暇など法律によって定められたもの以外の会社独自の休職制度がある場合には明記
について明示しなければなりません。また、これらの内(1)から(5)((4)の内、昇給に関する事項を除く。)については書面の交付により明示しなければなりません。
「皆さん労働条件通知書はお持ちですか?」
実際働いてみたら求人広告の給与や勤務時間と全然ちゃうやんけぇぇぇ!ってトラブルは労働条件通知書が無い事がほとんどです。
多いのは個人事業主VS労働者です。
悪質な個人事業主だと「えっ?採用してないよ?」って普通に言ってきます。気持ち的にはワンパン+エルボー案件です。
このトラブルを回避する為にも労働条件通知書は必ず交付してもらいましょう。
雇用契約書と労働条件通知書の違い
雇用契約書は、雇用主と労働者が契約内容に合意したことを示す書面で、双方ともに署名捺印します。
「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて労働者及び使用者が合意することによって成立する」と労働契約法第6条では定められています。口約束のみであっても、労使間で合意していれば雇用契約は成立しますがオススメはしません。
「うち雇用契約書ないよ」って言われたら「あっ!そうなんですね!でしたら労働条件通所で大丈夫です!押忍」って言いましょう。
労働条件通知書については労働基準法第15条によって作成・交付が義務付けられてます。
これに違反した場合は30万円以下の罰金刑!
これに違反した場合は30万円以下の罰金刑!
これに違反した場合は30万円以下の罰金刑!
労働条件通知書の交付がとても重要な事はおわかりいただけましたでしょうか。
以降は、
未払賃金編
未払残業編
不当解雇編
各種ハラスメント編
業務委託契約の労働者性(偽装請負契約)
のトラブル対処について纏めていきます。