映画の宣伝方法を変えよう
映画として評価が高いにも関わらずなかなか集客できずに苦戦している作品がある。
もちろんこういう作品は昔からある。映画全盛期でも興行面で苦戦した名作はあった。
しかし、昨今の事例を見ていると時代や作品にそぐわない宣伝しかしていないケースがやたら目立つのである。
例えば孤狼の血level2は来場者に登場人物のブロマイドランダム配布という特典攻勢をかけた。
この種のキャラブロマイド、それもランダム配布というとアニメファン向けのアニメ映画で多用される手法で実際近年でもFreeやFateなどの映画で成果を挙げている。
しかし孤狼の血シリーズはシリアスなヤクザVS警察のアウトロー小説である。それもキャラが一般に知れ渡っているとはいい難いし、かと言ってファン層がブロマイドを望むかというとそうでもない。
結果は散々たるものであった。
一方でアイの歌声を聴かせてやサイダーのように言葉が湧き上がるなど、アニメ映画ファンには高い評価を受けているのに興行収入がパッとしないオリジナルアニメ映画がある。
両作とも先行してコミカライズやノベライズはしているものの、ほとんど書店の店頭でPOPなどを見かけない。なので作品をそもそも知らない人が圧倒的に多い。
結果、見る人がいないという悪循環に陥っている。
アニメファンに売り込むなら例えばゲームでコラボする、各種イベント(今ならオンラインでライブ配信など)などの手法が取れる。
するとこういう世界でこういうキャラクターの話があるんだ、と知ってもらえる。
孤狼の血などのアウトロー系ならオンラインイベントに比べファン層が喜びそうなラーメンチェーンや焼肉チェーンなどとコラボイベントやメニューを出す、それも公開数ヶ月から仕込んで盛り上げるなど手はあるはずだ。小説ベースのオリジナル作品なら特典でミニ小説を配布したほうが効果高いだろう。
もちろん有名企業ほどさらに人気作品と組む可能性は高いし、オンラインイベントもスケジュール被る可能性も出てくる。作家も執筆スケジュールがある。
だがうまくコラボ先企業を見つけたり、時間を調整するのも宣伝担当の見せ所だろう。
まずこういう映画がある、ということを知ってもらう、次に映画館に来たくなる施策を取るという点で昨今の映画には改善の余地が多々あるのではないか。