【詩】喪失の痛み・3 of Swords
創造性や発展性の3が
ソードという
鋭いエネルギーと掛け合わされると
胸を射抜くような
失意の痛みとなる
陰鬱な雨模様を背景に
中央に大きく描かれたハートには
3本の剣が貫かれている
垂れ込める灰色の雨雲と
降りしきる雨は
このハートの持ち主の心象
そのままの風景
人物がまったく
描かれていないのは
この人物が己の悲しみに暮れ
その思いにどっぷりと浸り込み
孤独だということだ
他者性を失っていることを
表している
風のエレメントは
知性やコミュニケーションを表すが
剣に象徴されるその鋭さは
まさに「諸刃の剣」だった
ワンドの表す腕力よりも
剣の与える傷の方が深く鋭い
風には
言葉という意味合いが含まれている
言葉は時に相手を深く傷つける
コミュニケーションを活発にとることは
誰かの言葉に励まされることでもあり
誰かの言葉で致命的な傷を負うことでもある
心は繊細で脆い
物理的に剣が心臓を貫けば
私たちは命を絶たれるし
言葉の刃が貫けば
やはり激しく心を破壊される
生きていくうえで
この喪失の痛みから
逃れることはできないだろう
私たちはしばしば
こういった深い失意と向き合い
喪失感や孤独感を受け入れて
生きていく
渦中にいる時は
受けた傷の痛みでいっぱいだ
それ以上何かを考えることも
誰かの助言を受け入れることも
できないだろう
しかし時と共に
この喪失は少しずつ癒やされ
再起の物語は始まってゆく
今はまだ
悲しみの雨に打たれている最中でも