【詩】気楽に描けばいい
あなたのファインダーを通して
見えたものをそのまま
伝えればいいのよ、
と頭の中で誰かが言った。
たとえ特別でなくとも。
そうなんだ、
わたしに見えているのは
特別なものじゃなくて、
もしもこれが特別ならば
誰に見えているものだって
特別なのだから。
その特別はもう特別でなくなって
無数のきらめきのひとつとなって
世界を彩っている。
無數のきらめきのひとつであることを
怖れる必要なんてまるでなくて
もっとはっきりと言ってしまえば、
沈黙してしまっても
同じきらめきのひとつで
暗闇に沈んでしまっても
そうだというのだからもはや、
どう転んでもなんでもない。
だとしたら
もっと気楽に描けばいい。
呼吸をするように
歌うように、
楽しんで、在ればいい。