平凡な新卒パーソナルトレーナーが3年目で管理職に抜擢されるまでにやったこと


自己紹介

都内フィットネスクラブで正社員として働いています森田良樹と申します。

都内で育ち早稲田大学スポーツ科学部在学中にNSCA CSCSを取得、トレーニング指導を開始しました。大学在学中からフィットネスクラブのアルバイトや高校部活動での指導、スポーツ現場でのインターンなどを積み、新卒で中高年者向けのパーソナルジム・整骨院を展開している会社に入社しました。

前職にあたる中高年者向けパーソナルジムでは顧客対応に加え、トレーニング研修担当や新人教育担当、3年目からエリアマネージャーも任せていただき、教育や研修システムの構築など幅広い仕事に携わらせていただきました。現在は自らの培ってきた力を試したいという想いや今後の独立を見据えて大手のフィットネスクラブで働いています。

現状でもパーソナルセッションに加え店舗パーソナル売上の管理や育成にも携わっています。現職ではグループレッスンや集団でのトレーニング指導にも関わっておりますが、身体について悩む人を減らしていきたいという想いは一貫して変わりません。

このノートでは
トレーナー業を目指す学生
・新人や若手トレーナー
・仕事の成果に悩む方

に向けて
トレーナー業で成果を出すために必要なこと
・営業において成果を出すために必要なこと

を僕の経験則を基にお伝えすると共に
「やれば誰でも可能性がある」
ということを伝えていきたいと思います。まだまだ未熟な若者ですが、社会人になってから現在まで誰よりも仕事にコミットしてきている自信があります。拙い部分もありますが、何か刺激にしてもらえたらと思います。

大学時代 〜資格取得・学生トレーナー活動開始〜

大学時代がトレーナー業としてのキャリアのスタートと言えます。幼い頃からスポーツに取り組み、サッカー、陸上、総合格闘技(日本拳法)を経験しました。スポーツに多く取り組む中でどんなスポーツでもとにかくセンスがなく怪我が多い人間でした。

高校時代に取り組んだ陸上競技でも人並み以上には足は速くなりましたが、特段成績は残せず怪我ばかりの毎日でした。大学時代はスポーツを本気でやるのも最後だと想い日本拳法(防具をつけて行う総合格闘技)に挑戦しましたが、またしてもセンスはなく、怪我ばかりの毎日で大した成績も残せませんでした。

怪我ばかりの毎日で鬱憤が溜まる中で考えたのは「どうしたら怪我が予防できるのか?」ということでした。そんな中出会ったのがストレングス&コンディショニングの概念です。"筋力柔軟性持久力等々を総合的に高め、障害予防やパフォーマンスアップを図る"そんな概念に惹かれ、学習を開始しました。

勉強する中で自ずとパーソナルトレーナーやストレングス&コンディショニングコーチに関心が湧き、所属していた部活でのトレーニング指導、フィットネスクラブでのアルバイト、高校部活動でのトレーニング指導、スポーツ現場でのインターンを同時並行で行っていました。当時のスケジュールはカツカツでしたが、とにかく経験を積みたいという想いでした。大学4年の夏にCSCSを受験して合格、前職にあたる中高年向けパーソナルジムに内定をいただき入社を決めました。

また、同時に大学4年次は卒論執筆に取り掛かり、「筋肥大に有効なアミノ酸摂取戦略」という題目で執筆しましたが、当時身につけた論理的思考は今でも役立っています。

そんなこんなでトレーナー業に足を踏み入れたのが大学4年次です。ここからは新卒時代から管理職に抜擢されるまでを記していきます。

トレーナーとしてのキャリアのスタート

新卒1年目 〜トレーナーデビュー〜

新卒1年目では中高年向けのパーソナルジムに内定をいただき、入社しました。先に述べますが、この時代が精神的に最もハードで尚且つ最も成長した1年だったように思います。

幸い大学4年次の冬から入社前の研修に行かせていただいていたため、早めにお客様デビューまでは辿り着きました。3月に店舗に配属され、4月からお客様デビューを開始しましたが、ここからが試練の始まりでした。結論、全く成約をいただけず、デビューした月は5件中1件のみの成約という結果でした。

当時は何が課題かもわからず、ただただ自信を失う毎日でした。今思えば、はなから自信が持てる実力でもなかったですが、何が足りていないのかもわからず、先輩にフィードバックを受け吸収を続ける日々でした。

体験ごとに必死にフィードバックを繰り返しましたが結果は変わらず、あまりの出来の悪さに店舗を異動になり(勿論諸々のバランスを見ての経営判断ではありますが)、スポーツクラブでトップクラスの売上を誇っていた事業部マネージャーの下で働くことになります。

もう一度言いますがここからが試練の始まりでした。異動してからはセッションを行うごとにトレーニング内容から会話内容、話し方、姿勢、敬語など細かく細かくフィードバックを受けました。体験に入り、未成約だった時はお客様が退店された瞬間から上司とのフィードバックでした。基本的には耳が痛い指摘をひたすら受け続ける毎日です。言い方が悪くなってしまいましたが、間違いなく最も成長した1年間でした。

が、それでも成果が出るまでは程遠く月間の売上は10万〜40万円前後、新規のお客様が取れない期間が3ヶ月ほど続きました。ここまでで既に1年目の10月〜11月を迎えており、既に売上を上げていた同期との差も開くばかりでした。上手くいかないと自分で思っているより自分を正当化したいように思考が働くものです。偶然上手くいっている月の結果を見て満足しようとしていた自分がいたことも覚えています。

毎日毎日上司に「何故できなかったのか?」を問われ、上司のプロ意識の高さに圧倒されていました。毎日毎日帰り道は落胆していましたが、それでも「必ず結果を出す」と決めていました。必ず上司を超える、同期を超える、圧倒的な結果を出すと自分に言い聞かせ仕事に取り組みました。結果を出すためにできることは全てやってきたと言えます。冗談抜きで24時間365日仕事で結果を出すための行動をしていました。

四六時中仕事のことを考え成長するためにできることをしました。

コミュニケーション能力に課題があると考え、行ける飲み会にはひたすら顔を出しました。どんなに仕事が忙しくても、どんなに夜が遅くても飲み会には顔を出してコミュニケーション能力を鍛えました。また、量が増やせることは圧倒的に増やしたいと思い、セッション以外の時間は全てチラシ配布とポスティングに充てたりしていました。(休みの日に事務作業を行えば平日は全て営業活動に捧げられると思い休みも全て活動しました)ポスティング中や移動時間は自分や先輩のセッション音声を聞き、自分の改善点の洗い出し、先輩から真似できる点を抽出して実践しました。

このように圧倒的な時間を投下して結果を出すための努力をしてきました。時に店舗近くのホテルに寝泊まりして仕事をしていたこともあります。

このような生活を続ける中でようやく成果の兆しが見えてきます。

新卒1年目 〜顧客獲得〜

当時の私の課題は新規体験の成約率、継続成約率が低いことでした。つまり、新規も取れなく続けてももらえない状態です。当たり前に顧客は増えません。顧客数は5〜10名ほどで今考えるとモチベーションが高い方と相性が合う方が続けてくれていたに過ぎないと思います。新規成約率も継続成約率も50%前後でした。

当然上手くいかない毎日の中で「何故上手くいかないのか?」「どうしたら上手くいくのか?」を徹底的に考えました。特に新規体験のカウンセリングがうまくいかず、いつも大事なポイントが抜けたり、逆に話が長くなったりして、お客様の本音を掴めず未成約に終わる、そんな経験ばかりでした、その度に上司と不足点を洗い出し「何故?」を繰り返しました。

体験毎に上司とフィードバックを繰り返すことで少し解決の糸口が見えてきます。

試行錯誤を繰り返す中でカウンセリング中に頭が整理できず要点がヒアリングできていないことに気付き、体験前に要点をまとめたメモを用意して体験に臨むようにしたところ、急に高回数の回数券が2回連続で売れました。

また、クロージング強化のために先輩方の音声を聞き漁り、クロージングで話すセリフをまとめておき、ほぼ暗記して取り組んだことも成果に繋がったように思います。

ここから学んだことは
思考を止めずにできるまで行動し続ける重要性
・成果が出ている人の真似ができる素直さ

でした。

結果的に1年目の12月頃から私の成約率は徐々に上がっていき、2年目の4月には顧客が40名弱いる状態となっていました。

新卒1年目 〜店長就任まで〜

前職の会社は年齢や経験に関係なく実力に応じて抜擢のチャンスが回ってくる成長意欲に溢れた若者には恵まれた環境でした。とはいえ、店舗責任者や研修責任者には当然責任があり、信頼と実力がないスタッフには任されません。

ですが、私の優秀な同期は1年目で店長に抜擢されており、私の目標も自ずと店長になることでした。そのためにも成約率や顧客数によってある程度の結果を示す必要がありました。

物件の状況もあり、新規出店のタイミングは完全にはコントロールできないですが、上司からは2年目の秋から冬に店長就任の目標にすることを提示されていました。ですが、期待は良い意味で裏切ってこそ意味があると思っていた私は3月には出店して店長になると決めて取り組んでいました。会社、上司、同僚の期待以上に結果を出すと毎日心に刻み仕事に打ち込みました。

前章で述べたように1年目の12月以降徐々に顧客獲得ができるようになってきていましたが、ここで課題になるのは"継続率"です。獲得できて継続してもらえなければ稼働は増えず売上は上がりません。また、会社に対しても再現性のある実力として示すには継続売上が非常に重要でした。

12月以降は継続率にフォーカスして、また上司とフィードバックの毎日が始まりました。お客様との会話で少しでも噛み合っていない箇所があったり、プログラムの意図が希薄だったり、お客様の不満足が見られたタイミングがあればすぐさま指摘が飛んできました。

毎日指摘を受ければ、へこたれるのも当然ですが、必ず店長になる、顧客を溢れさせて圧倒的な結果を出すと決めていました。何度指摘されても、改善までのアクションを粘り強く継続しました。私の結果どうこうの前にそこまで粘り強く指摘をくれた上司には今でも感謝しかありません。

少しずつセッション数も増え経験も積めたことで継続率は伸びていき、1年目3月には40名前後の顧客を抱えており、4月には予約枠はほぼMAXに近づきました。結果的に顧客が溢れたことで出店が決定し、6月末に新規店舗をオープンまでこぎつけました。

目標の3月出店には届きませんでしたが、顧客が増えた影響で1年目は10万〜40万だった売上は120〜130万で安定しました。

まだまだではありますが、"やればなんでもできる"ということをしみじみと体感しました。

新卒2年目
〜店長就任・社内MVP獲得〜

有り難いことに新卒2年目で新規店舗を任せていただき店長に就任しました。幸い1年目に顧客が一定数獲得できていたため、顧客がいる状態でのスタートでしたが、店舗責任者として"自分がやるしかない"という責任感と共に死力を尽くしたのが新卒2年目です。

結論、2年目は店舗責任者としての責任感から死力を尽くし、売上は社員トップ、社内MVPも獲得しました。

特別な取り組みをしたわけではなく、1年目にも実施していたようなPDCAサイクルを緻密に回しただけですが、1年目より更にお客様に対しての"責任"を強く意識して仕事をしていました。

・どんなお客様でも成果を出す
・どんな手段を使ってでも成果を出す(法に触れるわけではないです)

そんな意識で毎日仕事をすることで結果に結びつきました。正直2年目は仕事しかしていないくらい四六時中仕事をしました。必死に毎日仕事のことだけを考えて過ごし、年間MVPを獲得した瞬間、店舗で1人膝から崩れ落ちていました。ようやく報われたような気がしたのだと思います。手前味噌ですが、誰よりも仕事に向き合ってきた自信があるのはこの経験があるからです。

ここから私はマネジメントを少しずつ任せていただけるようになってきます。


新卒2年目 〜研修担当就任〜

2年目は個人実績が安定したこともあり、秋頃からトレーニング研修の担当にも就任しました。私の実力があったわけでもなく、規模が小さい会社だからこそ、抜擢のチャンスが回ってきただけに過ぎませんが、ある程度の信頼と期待を抱いていただいての抜擢ではあると思います。(手前味噌ですが)

トレーニング研修担当では社員の実技フォームのチェックやお客様に提供するプログラムのチェック、研修システムの構築に携わりました。毎日8本以上のセッションを行いながらの研修業務は楽ではありませんでしたが、自らの能力もより磨かれた実感がありました。ここで身についたのは

◯1つ1つの物事を言語化して論理的に分解して説明する能力
です。

これは接客・マネジメントにおいて大いに役立ちます。相手の状況を整理して論理的に相手に合わせてアウトプットすることで相手の求めている説明に辿りつきやすくなるからです。

また、研修プログラムを1から作成し運用まで責任を持たせていただき非常に貴重な経験だっあように思います。

新卒3年目 〜新人教育担当就任〜

トレーニング研修担当として経験を積みつつ、3年目からは新人研修担当を任せていただきました。

繰り返しですが、マネジメント未経験の未熟な若手に大きな役割を任せていただいた会社には感謝しかありません。

ここからは素質のない自分がゼロから成果を出すまでのプロセスを言語化し、仕組みに落とし込んでいく作業です。

当然楽でもなく、人それぞれ能力やキャラクター、個性が異なる中で各々のペースに合わせながらも成長できる環境を作り上げていく、難しくもやりがいのある仕事を任せていただいていました。

改めてこの時に感じたことは
自分ができること=誰でもできることではない
ということです。当たり前ですが指導する側になると忘れがちな観点かと思います。それでも自分基準に引き上げるために環境を作ること。それが管理者としての役割でした。

まだまだマネジメントとして未熟だったかと思いますが、個人実績、マネジメント層としての動き、社内での発信力を評価いただき2年連続で社内MVPもいただきました。

新卒4年目 〜エリアマネージャー就任・転職〜

4年目になる少し前からはエリアマネジメントとして3店舗の管理を任されました。当時は自分の店舗、新人管理、トレーニング研修管理と並行してエリアの店舗管理にも従事しました。

まだまだマネージャーと言える実力もなかったと思いますが、エリア施策の管理、低稼働店舗の管理等を行わせていただきました。

常に数字に向き合い、仕事のことを忘れた時間はないほど仕事に没頭しました。大きな結果こそ残せなかったように思いますが、マニュアル作成、研修プログラム作成、教育システムの構築など様々な経験を得ました。

ここから大手企業に転職をしますが、1社目の零細企業で学んだのは"責任"の2文字です。勿論他にも多くのことを学びましたが、何より責任というものを学びました。

言ったことに責任を持つということ。
結果に責任を持つということ。

これらがどういうことか?を身に染みて学んできました。結果に責任を持つということは「なんとしてでも結果を出す」ということです。コントロールできることは全てやり尽くして結果が出るまでやり切るということです。何となくでは望んだ結果は出ません。そんな"責任"を学んだ3年半でした。自分の基準を引き上げてくれたのは他でもない会社ですので、会社の環境に感謝しています。

新たな挑戦 〜大企業に〜


新たな挑戦として4年目の夏に大手フィットネスクラブに転職をしました。何故かというと、もっと大きな挑戦がしたいと思ったからです。ぶっちゃけた話をすると前職の環境が物足りなくなったからです。

有難いことに様々な役職を任せていただき、実績も残せましたが、自分程度の実力でここまでスムーズに役職をいただけてしまう環境に物足りなさを感じたからです。

では大手企業に行けば強い人間が沢山いるのか?というとそうではないかもしれませんが、規模感が大きく様々な人間がいる環境で自分の実力を証明する。圧倒的な結果を叩き出すこと。そのために大手企業に殴り込むかのように転職しました。(言い方が悪いですが、そのような挑戦心で転職をしました)

まだ道半ばですが、有難いことにパーソナル予約も多くいただいており、店舗のお客様にも自分の専門性やキャラクターが少しずつ認知されており、勝ち筋が具体的に見えてきているのが今です。

今後は史上最速でパーソナル売上全店舗トップを獲得し、新たな挑戦をします。トレーニング指導に本腰を入れるとはどういうことか?を示し続けます。その過程で多くの方のお悩みを解消する。そんなことができれば理想です。

自己紹介記事でも触れておりますが、今後も
・身体について悩む人を減らすこと
・正しい指導が享受できる人を増やすこと

に最大限コミットします。

また、本質的で正しく熱意をもって指導ができるトレーナーを増やします。それによって、役に立てる方が増えれば本望です。

長くなりましたが、本気を出せば人は変われます。そんなことをお伝えしたいと思います。少しでも燻っている、悩んでいる方の刺激になればと思います。

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