【新・資本主義をチートする・番外編】 自己啓発の歴史から学ぶチート術
この世知辛い資本主義の世の中を乗り越えてゆくための、ちょっとしたヒントやアイデアを書き続けている連載ですが、今回はとても面白い記事を見つけたので、それを紹介しながらよもやま話をしてゆきたいと思います。
https://withnews.jp/article/f0200529001qq000000000000000W08u10101qq000021212A
それが↑の「自己啓発本の歴史を振り返る」という記事なのですが、これがめちゃくちゃ面白い!
ついつい、僕たち私たちが
いかに時代の潮流に飲み込まれながら資本主義の世の中を流されているのか
に気付かされてしまうお話になっています。
記事そのものは、自己啓発本の編集者が、「時代によって、テーマや目線が変わりながらいかに資本主義の世の中を人は生きようとしてきたか」について語るものですが、こちらでもざっくりまとめて歴史を振り返りながらその内容を読み解いてゆきましょう。
そもそも「自己啓発本」なんてのは、「チート術」そのものなのですから、興味しんしんですね。
◆1960年代~70年代 高度成長の残り香
成功者の痛快譚・豪快譚をはじめ、昭和の価値観をあおるもの。
「金、仕事、女」 バカでも成功!まるでパチンコ雑誌の裏表紙のようなキーワード。
◆1980年代~90年代 バブルの狂乱と翻弄
↑の昭和価値観を引きずった世代。
自己啓発本は麻薬・ドーピングのようなカンフル剤。
◆1990年代~ミレニアム 効率とスピード
ITの隆盛とともに起こったスピード感。パソコンでお金持ちになれる幻想。
ネットで金持ち、ネットワークビジネスで金持ちに!を煽るワード
投資・FXの流れはビットコインの予習。
◆2000年代~ 筋肉の時代
仕事で成果がでないなら、筋肉を鍛えよう。筋肉は裏切らない。
断捨離と持たざる生活はアンチテーゼ。
◆2010年~現在 しょぼさと諦め
脱サラ、隠居、地方ぐらしなど。景気悪化で単純にお金持ちにはもうなれない。
希望を持つ者はビットコインへ、希望なきものは撤退のベクトルへ。
しょぼい起業、小さな副業。
◆ そして未来へ
承認欲求とSNS 素人から即メディア、あるいはインフルエンサーに
会員制サロンという新宗教、舞台はyoutubeへ
・・・こうして全体像を俯瞰してみると、僕たち私たちは、「自分こそは他とは違う生き方を見つけるんだ!」と意気込みつつも、総枠ではしっかり、「その時々の資本主義の潮流に飲み込まれ、振り回されている」ことがわかります。
変な話ですが、2020年の現在に「金だ!女だ!高級外車だ!」ということを目的としたオンラインサロンを開いても、どうにも人が集まりそうにありません。逆に、「年収200万円で田舎リッチをめざすサロン」とか「東京で消耗するのをやめるサロン」とかのほうが、はるかにウケるだろうことは予想がつきます。
なんだかんだ言って、僕たちはお釈迦様の手の上から出られない孫悟空のようなものなのでしょう。
今年の春以降は「コロナ禍でも生き延びる術」とか、「縮小経済の副業術」なんかの啓発本が当たりそうな気もします。
「マスク転売に学ぶこれからのせどり」とか「ソーシャルディスタンス・マーケティング」とか、出てきそうでしょ?(苦笑)
しかし、大枠をざっくり見てわかるのは、なんだかんだ言って自己啓発の真の目的は1つか2つ程度だということです。それは、ぶっちゃけで言えば
「収入を増やすか」
「支出を減らすか」
の2つです。
上の方向だと「お札でウハウハとか投資とかコインとか」のベクトルだし、下の方向だと「捨てる、地方、脱なんとか」ですね。
究極的にはこのどちらかしかないんです。
(その意味では、現実逃避で筋肉に逃げるパターンは、かなり面白い時代の異端児だという気もします)
これこそ資本主義経済の象徴で、僕たちは結局、資本(お金)の話からはなんだかんだ言っても逃れられないのですから、この両者のバランスを見ながら自分の生活を設計してゆくしかありません。
これからも当noteでは、そんな生活設計に役立つような、資本主義の話をしてゆくつもりです。こうご期待。