あの街が応援してくれる、君を応援してくれる
私と父には10年のブランクがある。
正確に言えば13年。父と離れたのは17歳の時。再会したのは30歳の時だったと思う。
17歳の時、初めて裁判所という場所に行き、自分たちを弁護する人と、父を弁護する人。その人たちが言い合うのを目の前で見た。私たちにはそれなりの「証拠」と「動機」があり、父には「理由」があった。
私たちが住んでいた、マッチ箱みたいなあの家は、今はどうなっているんだろう。風の噂で、とても大きな住宅街になり、公園や国際的なスーパーができたりしているんだそうだ。