環境に拘れ
僕には、この言葉を理解することが出来ませんでした。
大阪で板前の修業をしていた頃は
長時間労働
低収入
そして存在ごと否定される毎日。
メンタルがとても弱かった僕は
仕事終わりに自己啓発やモチベーション動画を見漁り
自分の心をなんとか折れないように保つことに必死でした。
そこでよく出てくるワード
『環境に拘れ』
これについて現在、僕が料理人として考えていることをまとめました
逃げる人の言い訳
このように感じていた僕は、
今思えば精神的にギリギリすぎたのか
完全に上手く洗脳されていたのかのどちらかだと思います。
突然ですが、洗脳のやりかたを知っていますか?笑
人間を洗脳したい場合は
『肉体』と『精神』を極限まで追い込み
そのタイミングで相手に洗脳したいことを言うと
簡単に洗脳できるらしいです。(何かで見たことがるだけの曖昧な記憶)
(笑)
14時間働き疲れ切ったところに、真夜中の1時間の説教
和食屋さんではあるあるのシーンだと思うのですが
これはいわゆる『洗脳』をされていたのだろうなと今になって感じます。
お前の将来のためだ!
料理人はこうでないとだめだ!
そんなんでどうやって飯を食うつもりだ!
お前は人間として終わってる!
このようなセリフを毎日浴びる日々で、
僕はどこでも通用しないからここで成長して
誰にも負けるわけにはいかないと感じてました。
見事にやられちゃってますね。。。
ただただ質の高い商品を素早く提供するための奴隷
極端な表現かも知れませんが今となればそうだったなと感じます。
全員が極限の精神状態で、全くもって余裕がなく
ただ怒られないようにするためだけに働く日々。
これが立派な料理人になるために必要な『環境』と言われていました。
このままで良いのか?
6年ほど努めているうちにひとつの疑問が生まれました。
日本の人口は減り、インバウンドが増えていく時代。
昔のやり方で修行していては時代の波にのれず、このまま終わってしまうのでは?
僕はそのように感じるようになり
ずっとこのことで悩むようになりました。
海外に行くべきだ
ずっと和食の価格の安さに疑問を持っていました。
どうしてこんなにも素晴らしく手間暇をかけたものを作って
美味しいものを低価格で提供しているのだろう。
原価などの販管費を差し引くとほんの少しのお金しか残らないのに
それを続ける理由はなんでなんだろう。と
一方で、インバウンドのお客さんは3~5万円だって出し惜しみしない人がいる。
それどころかそれを食べてすごく喜んで帰ってくださる。
これがずっと疑問でした。
そんな中、奇跡的に海外で働けることになりました。
そこでようやく気付くことが出来ました。
環境こそが全て!
現在はこの言葉の意味が少しわかるようになりました。
海外では、和食はとても人気です。
ですが、
まだまだ本物の日本食を提供できるレストランは少ないです。
ほとんどのお店が、日本で食べたものやSNSで見たものを
自分なりにアレンジして『日本食』として提供しています。
そこで学んだ人が同じようにアレンジした日本食を提供しています。
残念ながら日本に行ったことがなく本物の味を知らない人は
それで満足していることが多いです。
日本人がタコベルを本物のタコスだと思い美味しいと感じる人がいるのと
似た感覚なのかも知れません。
ですが、日本を訪れて本物の和食を食べたことがある人は
本物の味を知っていてそれをずっと求めています。
そして彼らは、すごくリスペクトを持って接してくれます。
コース料理を頼んでくれたお客さんがこんな事を伝えてくれました。
今でも忘れられない大切な思い出です。
このように和食の料理人はとても重宝されます。
和食の料理人というだけでかなりの恩恵を受けることが出来ます。
給料面や生活補助の待遇もいいですし選択肢が沢山あります。
どこからも引っ張りだこということが現状です。
アメリカやタイはすでに日本のように市場が激化していたり
本物の技術を持った現地の人も沢山いると聞きますがそれでも
まだまだ参入の余地はあると思っています。
そして、僕がいるラテンアメリカに関しては、
まだまだ本物の日本食はかなり少なく
本物を求めている方は沢山います。
この環境だからこそ
沢山の人を喜ばせることができるのだと確信しています。
10年続けてきて、ようやく料理人としての芽がでた気がします。
これからもラテンアメリカを中心に沢山の方に
日本にいかなくても美味しいものを提供できるように
今ある素晴らしい環境で様々な仕事に取り組んでいきたいと思います。
最後に
『海外で働く』
この選択だけでも充分にいい環境に身を置くことが出来たと感じています。
ですが、それ以上に恵まれた事がありました。
それは、今の会社です。
このことは、次回の記事で書きたいと思います。
(書くつもりでしたが長くなってしまいますので。。。)
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
少しでも海外の情報を素晴らしい才能を持っている日本人に届けたい。
自分も葛藤していたので、なにかのきっかけになってほしい。
この先も日本食が世界から愛されるものにしていきたい。
このような想いでnoteを書いています。
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ありがとうございました!