5歳児に学ぶ、日本語文法の特殊性
幼稚園からの帰り道。
「つむ、今日は怖いことなかった?」
「ううん」
「なんか怖いことあったの?」
「ううん、なかった」
「そうか、それは良かった」
つむぎは最近、幼稚園に行くことにぐずっている。
先生がやっぱり怖いそうだ。
本当かどうかは分からない。
幼稚園帰りに「楽しいことあった?」「怖いことなかった?」と聞くと、楽しかった、怖いことはなかったという場合がほとんどだ。
それはそれとして、つむぎの返答の仕方に興味を持った。
「楽しいことあった?」と聞くと「うん、あった」と答える。
一方で「怖いことなかった?」と聞くと「ううん、なかった」と答える。
大人からすると、「ううん、なかった」ではなく「うん、なかった」だろう。
つむぎのこの答え方は英語の文法と同じだと思う。
英語で同じ質問をすると、たぶんこんな感じ。
「Didn't you have any fears today?」
なかったときの返答は、
「No I didn’t.」であって「Yes I didn’t.」にはならない。
5歳児のつむぎにとって、返答方法は日本語的な「うん、なかった」の肯定と否定の混在より、英語的な「ううん、なかった」の否定と否定の文章が自然なようだ。
最初は「ううん、なかった」なのに、日本で成長していくうちに「うん、なかった」に変化していくのはとても不思議だ。
「ううん、なかった」のままのほうがシンプルな気さえしてくる。
そもそも、この日記を書いているうちに、「怖いことはなかった?」と聞くことが自体がまぎらわしい気もしてきた。
「怖いことはあった?」と聞いてしまえば混乱はない。
でも、「怖いことはなかった?」と聞きたくなってしまうんだよなぁ。
それは、ぼくの中で「怖いことはなくあってほしい」という願望があるからなのかしら?
人間にとって自然なのは英語的な文法なのかなぁ?と思う幼稚園の帰り道だった。
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