美幌のそば屋「かね久」は焼肉定食がうまい
農作業が少ない冬のシーズン、つむぎをこども園に送り出したあと、ぼくと幸枝さんは自宅でパソコンに向かって仕事をしている。再考編集室の時間だ。原稿を書いたり、雑誌の編集をしたり、ウェブ制作のお手伝いをしたり、研究のレポートをまとめていたり。おかげさまで今シーズンの冬はやることがない日が一日もない。
11時過ぎ、
「今日のお昼は何にしようか?」
「あれ、行ってみたい。この前SNSで紹介されてたとこ」
友人がSNSに上げていたジュージューと美味しそうな焼肉定食の動画。それは美幌町のそば屋のメニューらしい。11時半頃、車に乗って例の「かね久」に向かった。
「かね久」のそばは緑色の麺が特徴だ、おそらく茶そばなんだと思う。以前に行ったときは、美味しいけれど、ぼくには少しやわかめだなぁという印象だった。今回の目的はそばではなく「焼き肉定食」。そば屋でカレーは定番だけど、焼き肉というのはあまり聞いたことがない。
メニューを開くと、そばの並びの下に焼肉定食の文字。「これこれ」と思い、値段をみると1650円。ぐぬぬぬ、1650円かぁ・・・、ランチに1650円、うーん、なかなかの値段だなぁ。難解な英語の論文を読んでいるときの様に険しい顔になりながらしばらく考える。そして、決断。
「焼肉定食お願いします」
「しょうゆとソースどちらにしますか?」
なに!味を選べるのか・・・。1650円、これは絶対に失敗できない。
「ど、どちらが人気ですか?」
「うーん、どちらも人気ありますよ。醤油はあっさりめでソースはケチャップもついてこってりとした感じですね」
どちらも同じくらいの人気かぁ・・・。たいていの場合、この手の質問で「解」にたどり着くことはできない。初めては、やっぱり素材の味を楽しむあっさりかなぁ・・・。
「そしたらしょうゆで」
7割程度の席が埋まり、賑わっている店内にはニュース番組が流れている。幸枝さんと明日の天気の話をしながら料理を待つ。明日の道東は荒れるらしい。
大きな鉄板に乗った肉が机に運ばれてくる。分厚くて、大きくて、ステーキのよう、食べごたえがありそうだ。店員さんが醤油をスーッと回しかけてくれる。ジュージューと音を立てるお肉。あぁ、美味しそう。
あっつあつの肉に箸を伸ばす。熱い食べ物はやけどするくらい熱いままで食べるのが好きなのだ。
分厚い肉、適度な脂身、柔らかい。醤油で焼かれた味もいい感じ。下味がついていたとか、そういうこだわりについてはぼくにはわからない。シンプルに美味しい。ご飯を食べては、肉を食べ、肉を食べては、玉ねぎを食べ。ああ、たくわんもうまいなぁと思っている間に完食。
ぼくには値段的にもボリューム的にも少し贅沢品ではあるけれど、美幌のそば屋は焼き肉がうまいなと思ったのでした。今度はソースも食べてみたいなぁ。
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