大自然に浸かる、コタン温泉に入る
「クー、クー、クー」少し甲高い大きめな鳴き声。車を降りて、湖に向かう途中、ふと右を見るとたくさんのオオハクチョウ。今日僕は、コタン温泉に入る。
コタン温泉、屈斜路湖にある、知る人ぞ知る露天風呂だ。目の前には広大な屈斜路湖、冬であればそこかしこにオオハクチョウやカモの姿。日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖は、その成り立ちから周囲を山に囲まれている。そのため、湖と一緒に美しい山並みまで楽しむことができる。素晴らしい景観、それを温泉に浸かりながら楽しめる。何という贅沢。それがコタン温泉。
僕は、この温泉の存在を移住直後から知っていた。しかし、未だ入ったことは無い。なぜかと言うと、コタン温泉は外からも中からも見晴らしがすごくいい温泉なのだ。もっとわかりやすく言うと、温泉の周りに、塀という塀はなく完全に外から丸見え。僕がこれまで見てきた温泉の中でぶっちぎりのオープンさだ。「これ、本当に裸で入っていいのだろうか?」それが僕の第一印象。興味はあるけど、入るのはなぁ・・・。そう思って今日まで過ごしてきた。
しかし今の僕には入る理由がある。釧路新聞のコラムにこの温泉の感想を書くのだ。
賑やかに鳴くオオハクチョウを横目に少し進むとコタン温泉がある。相変わらずのシースルーっぷりだ。今日は運良く誰もいない。いつもであれば遠巻きに中を覗いて満足して帰っていた、でも今日の僕は違う。ずいずいと、中に踏み込んでいく。
分ける必要があるのか?と疑問に思うくらいのオープンさだが、一応右側が男湯、左側が女湯になっている。もちろん男湯の方に足を進める。中にはちょっとした棚とちょっとした小屋。誰かがいることも考えて水着を持ってきていた。しかし、周りにはオオハクチョウ以外誰もいない。
「よし、もういいや!」
決心して、全裸になる。足元には雪。裸に靴という、完全に不審者なスタイルで湯船へ。
ゆっくりと足を浸ける。熱い、冷えた体が少ししびれるくらい熱い。しかし、浸かっていない体はものすごく寒い。「ええい」と気合を入れて、肩まで浸かる。
あったかぁーい
手先と足先は、少しジンジンするくらい。お湯から出ている部分にあたる冷気が心地よい。これはきっとベストな温度だ。前を見ると、屈斜路湖、そこにはカモがのんびりと泳いでいる、オオハクチョウも何羽かいる。湖の先には白く色づいた外輪山。
あぁ、さいこう・・・。
一度温泉に浸かってしまうと、もはや周りのことは何も気にならない。外から丸見えの中、全裸でお風呂に入っていることなんて、この至福の前ではものすごく些細なことだ。ものすごい開放感、すべてのことが小さなことに見えてくる。
オオハクチョウの鳴き声を聞きながら、一人、悦に入りながら温泉を楽しむのでした。
コタン温泉、そのあまりのオープンさから、これまで友人にあまりおすすめしてこなかったのですが、もう違います。
コタン温泉、最高ですよ!
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