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雑草だらけのじゃがいも畑でプロフェッショナル
革命が起きた。
雑草の根がひどくて、デガーを使った掘り上げが困難を極めたじゃがいも畑。
ぼくも幸枝さんも、これからしばらく続くであろう苦行に気が重くなっていた。
そんな中にもらった、お隣の農家さんのアドバイス。
「草がひどいときはデガーを思い切り深く入れるといいんだよ」
トゥーン
革命の始まりだった。
土が詰まって前方に押し出してしまうデガーを見て、ぼくと幸枝さんは、より浅くより浅くデガーを入れようとしていた。
上がってくる土の量が減れば、つまらなくなると考えていたのだ。
お隣の農家さんが教えてくれた方法は真逆。
あえて深くデガーを入れることで、雑草の根に邪魔されない地下を掘り進めると言うものだった。
「刃を深く入れてやってみたら、別の機械を使ってるように感じると思うよ」
いつもお世話になっている農家さんがそう言うのであれば、やってみよう。
「うちの畑の雑草の凄さだと、そこまでうまくいくかしら?」とちょっとだけ不安を感じていた。
そして、実践の時が来た。
念の為、畝の雑草はある程度抜いてある。
しかし、それはこれまでと同じ状況。
アドバイスに従い、トップリンクをできる限り縮め、デガーの刃がなるべく深く土に入っていくように設定。
PTOを入れる、回転し始めるデガーのコンベア。
ギアをニュートラルからフォワードへ。
クラッチをゆっくり離す。
進み始めるトラクター。
上がってくる土。
後方へと流れていく土とじゃがいも。
うまくいった。
スピードもギア1の5くらいまで上げられる。
デデデーン、デデデーン、デーン、デーン。
デデデーン、デデデーン、デーン。
頭に鳴り響くスガシカオの『Progress』。
あぁ、これがプロフェッショナルか。
いつもお世話になっているお隣の農家さんに、ぼくらは今回も救われた。
その後、畝の雑草を抜かずにやることも試してみたが、流石にそれは詰まってしまった。
とは言え、ある程度草を抜いてしまえばスムーズに掘れる革命に、ぼくも幸枝さんもさいこうファームスタッフも歓喜の声を上げたのだった。
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こちらはさいこうファームスタッフの発見
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最後まで読んでいただきありがとうございます。東京から北海道オホーツクの美幌町に新規就農した4人と1匹家族の農業、子育て、おすすめスポットなどをほぼ毎日更新しています。もしよろしければ「スキ」「フォロー」をお願いします!
(登場人物)
ぼく:東京大学で農学博士取得後、ベンチャーで8年勤務。その後、北海道で新規就農。
幸枝さん:ぼくの妻。北海道大学で生命科学修士、ぼくと同じベンチャーで同期入社。2015年に結婚。
つむぎ:5歳の長男。北海道で元気いっぱいに成長中。電車、働く車、飛行機など乗り物大好き。
スピカ:4歳の猫。女の子。網走の病院で保護されていたところからぼくの家にやってくる。
櫂:1歳の次男。長男が騒ぎ回る横で、どっしりと寝ている大物感を漂わせる。
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