ママさんバレー、つむぎ流の楽しみ方
「つむ、今日は体育館行く?」
「うん、いくー、たいいくかん!」
今日は幸枝さんのママ友の集まりで、町内の小学校の体育館でママさんバレー。子連れで集まるので、幸枝さんもつむぎをつれて行ってくれることになった。ぼくはひとりの時間を満喫できることに。さぁ、なにしようかな?
昼過ぎ、体育館に向かう時間。幸枝さんの運転する車につむぎを抱っこで連れて行く。チャイルドシートにのせて、ベルトを締めて、準備万端。つむぎも完全にワクワクモード。
「じゃあね、楽しんできてね!」
声をかけると、みるみるつむぎの表情が一変。
「だでぃは?」
「ダディはお留守番だよ、ママとふたりで体育館で遊んでおいで」
「だでぃも!つむとママとだでぃとみんなで!」
大泣きを始める。
「う、うーん。そうかぁ、じゃあだでぃも行くね」
ということで、ひとりの時間をあきらめぼくもついて行くことに。
体育館。幸枝さんのママ友とその子どもたちが集まっている。めずらしくマスクをしているつむぎはなんだか楽しそうな表情。
「ボールはどこにあるの?」
「取りに行こうか」
青いボールをゲットしたつむぎ。ボールを抱えて体育館をうろうろ。少し年上のおにいちゃん、おねえちゃんに一緒に遊んでもらいながらあっちへこっちへ。
しだいに、ママのバレーボールに興味をもち、コートの中をニコニコ、ウロウロ。そして、目をつけたのがスコアボード。「ぼくが!」とアピールして得点係に就任。機敏な動きで試合にまったく関係なく得点をめくる。試合のすべてを司る得点の神が降臨した。
さらに、神はその際限のない力を振りかざす。スコアボードの下の部分をにぎり、ゴロゴロと押し始めた。スコアボードは試合の得点からも試合の会場からも解き放たれ、得点の神の乗り物と化す。
「これ、くるまなの!」
そう言って満足そうにコートを去っていくのだった。
自由な息子に両親ともにヘトヘトだったが、つむぎはとても楽しそうだったのでした。
はぁ、家でNetflixみてたかったなぁ。