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美幌の自然と、つむぎと、ヘイケボタル
農業に復帰し、雑草の勢いに打ちひしがれ、幸枝さんに勇気づけられ、「頑張るか」とレジリエンスを発揮。
その後、子どもたちが帰ってきて夕飯を食べ、のんびりとしていた時間。
ぼんやりと立ち上げたFacebook。
いつもお世話になっている北海道新聞の青山さんの投稿に、「美幌のヘイケボタル、今年は多いです!」の文字を見つける。
そう言えば、毎年ホタルを探しに行くけど、まだつむぎに見せられてなかったなぁ。
今年こそ見せてあげたいなと思い。
DMしてみる。
「子どもにホタルを見せてあげたいんですけど、場所教えてもらえますか?」
すぐに返事が。
「良ければ、今日でも明日でも同行しますよ」
願ってもない返事。
明日の天気予報は雨。
行くなら今日だ。
「つむ、いまからホタル見に行きたい?」
「行きたい!」
すぐに準備を整え、案内してもらいホタルが見られる場所へ。
車内で。
「つむ、ホタル見られるといいね。でも必ず見られるわけではないからね」
一応保険をかけるぼく。
「うん、見てみたい。でも見られないと思うよ」
「また、そんなこと言って、人生すべて最悪の方向に進むわけではないんだよ。悪い想定ばかりしなくたっていいんだよ」
「でも、ダディだってそうなんでしょ?」
「あぁ、前にそんなこと言ったっけ」
「うん、言ってたよ」
つむぎの言う通りぼくは基本的に常に最悪のケースを想定している人間だ。
とはいえ、こうなってくると是が非でも今日はホタルを見せてあげたい。
先導してくれている車が駐車場に入った。
青山さんが熊鈴に大音量のラジオに万全の熊対策で降りてきた。
頼りになる。
満月手前の明るい月明かりに照らされて、ぼくとつむぎも後に続く。
「一番見やすいところは奥に入っていくんですけど、今日は手前の場所で見てみましょう!」
「はい、よろしくお願いします」
目的地に到達。
パット見ただけではホタルの姿は見えない。
息を潜めてじっと待つ。
BGMのラジオには東京03の声が響く。
しばらくすると、パッと小さな光が。
「あ、見えた。つむ、ホタル見えたよ」
「うん」
その後も、あちらこちらにホタルの光が。
無事につむぎに実物のホタルの光を見せることができた。
それも、自然のヘイケボタル。
とても貴重な体験だろう。
ぼくにとっても美幌に来て初めてのホタル体験だった。
1時間弱ホタル観賞を楽しんで、家路に。
ぼくはつむぎにホタルを見せられたことにとても満足していた。
美幌にいるからこそ体験できることだし、人生すべてが最悪の方向に行くわけではないということもちょっとだけ分かってもらえただろう。
願わくば、幸枝さんのように前向きな人間に育って欲しい。
青山さん、ホタル鑑賞に案内してくれて本当にありがとうございました!
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最後まで読んでいただきありがとうございます。東京から北海道オホーツクの美幌町に新規就農した4人と1匹家族の農業、子育て、おすすめスポットなどをほぼ毎日更新しています。もしよろしければ「スキ」「フォロー」をお願いします!
(登場人物)
ぼく:東京大学で農学博士取得後、ベンチャーで8年勤務。その後、北海道で新規就農。
幸枝さん:ぼくの妻。北海道大学で生命科学修士、ぼくと同じベンチャーで同期入社。2015年に結婚。
つむぎ:5歳の長男。北海道で元気いっぱいに成長中。電車、働く車、飛行機など乗り物大好き。
スピカ:4歳の猫。女の子。網走の病院で保護されていたところからぼくの家にやってくる。
櫂:1歳の次男。長男が騒ぎ回る横で、どっしりと寝ている大物感を漂わせる。
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