見出し画像

乗用型半自動野菜移植機でナウエルナナでバッチリだった〜レビュー〜

ついに、この日が来た。3月末に種まきしたブロッコリーを畑に定植する。去年も何度かやった作業ではあるが、今年は大きな違いがある。手作業でなく、乗用型半自動野菜移植機ナウエルナナを使うのだ!

新規就農とともに野菜移植機を導入するのは決めていたけれど、機種選びにはかなり悩んだ。気軽に買えるほど安いものではないし、メーカーや動作タイプの選択肢がそれなりにある。

その上、使用感のレビューがいくらググってもほぼ出てこなかったのだ。

なので、今日ここに記そう。ISEKIの乗用型半自動野菜移植機ナウエルナナ、使い心地バッチリ!これを選んで良かった。

このナウエルナナの特徴は次のような感じ。

1,乗用型:圃場を歩かないですむよ
2,半自動:回転するカップに苗を自分で載せることで定植が進むよ
3,給水機能あり:定植のタイミングで潅水もされるよ
4,後進型:後向きに進むよ

https://products.iseki.co.jp/yasai/isyoku/yasa-pvhr2/

購入時点での決めてであり、一番の懸念点でもあったのは4番の特徴だ。後向きで進むのは定植直後の苗を確認しやすいので良さそうだと思う反面、本当に真っ直ぐ進むのかどうか不安があった。

若干の不安を抱えたまま、大枚をはたいてナウエルナナを購入。ついに定植の日となった。

定植に備えてまずは畝立てを行う。移植機の一番小さい車幅、ヤンマーAF210の車幅に合わせて畝幅は88cm、高さ10cmくらい、天板70cmくらいの設定。条間を50cmにしたいので、本当であればもう少し広い畝幅を取りたいのだけれど、そうするとヤンマーが走れなくなる。いずれヤンマーは車幅を変えたいなぁ。

フロントの施肥機で肥料を落としながら、リアのロータリーマルチャーでマルチを敷かずに畝立て。後ろの様子が気になって振り返る度にぐねっと曲がった畝が完成した。施肥機の設定をミスって、1畝目の施肥量が予定の倍くらいになってしまったのは、もうそっとしておこう。

ところどころぐねっと曲がった畝が完成!

そして、いよいよ定植に。ナウエルナナを軽トラに積み込み畑に向かう。積み込みにはお隣の農家さんにつくっていただいたステップ、積み下ろしには畑の端に作ったスロープが活躍した。

アーガマに搭載されるZガンダムのごとき、ナウエルナナ

ナウエルナナを畝にセット。畝幅と車幅は丁度いいくらいだ。苗を苗台に置いていく。ターンテーブルのところには育苗トレーの下に敷く受け皿もあったほうが良いことに気づく。ただ、取りに帰るのが面倒なのでそのままやることに。

畝にセット、うまくいくだろうか?

ドキドキしながらエンジンスタート、回転するカップに次々と苗を落としていく。ゆっくり進む移植機。次々と植えられていく苗。植えると同時にプシュプシュっと潅水もされている。なんだか良さそうだ。

畝の天板70cm、条間50cmという設定もあって、畝に直角方向の傾斜がある部分では、車体が谷側によってしまい天板の際に定植することになってしまった。ただ、それもそこまで多くないので許容範囲だ。

懸念点だった直進性はほぼ問題なかった。まっすぐな畝では問題なく畝に沿って走ってくれた。畝方向に直角な緩やかな傾斜がある場所でも大丈夫だったので、基本的に問題ないのだろう。一度だけコースアウトした場所があった。それは、畝がS字ターンのように曲がっていたところだった。これは畝つくりに失敗しなければなくなるはず。

直進性に問題がなかったナウエルナナ、「これはいいな」と感じるポイントが3つあった。

1つ目は正確性。事前に聞いていたことだが、全自動の移植機より、機構が単純な半自動移植機は定植ミスがものすごく少ない。自動化する難易度が高い苗の供給部分が手作業なのが良いのだろう。

全自動型では移植機が走ったあとに、定植がミスしている部分に補植が必要だった。この作業は苗のできが悪いほど増えてしまう。結局定植は機械に乗る人と補植する人のペアですすめることになる。一方で、半自動型だとこの補植作業が必要ない。これは全自動に比べて植えるスピードが遅かったとしても、それを補ってあまりあるメリットだ。

畝に沿って順調に進んでくれる。定植ミスは見当たらなかった

2つ目は苗選びができること。最高の農家さんであれば、均一で良い苗をつくれるのだろうが、新規就農のぼくらの苗はできがまちまち。どうしてもセルトレーの端は水分が足らず成長が悪くなりがち。また、育苗中に苗に混じって雑草が成長してくることもある。これをそのまま定植してしまうとブロッコリーより巨大なモンスター雑草のでき上がりだ。

半自動型の移植機では定植する苗を選びながら進められるので、できが悪い苗は植えず、一緒に生えてしまった雑草は取り除くということが可能になる。

苗の根元に紛れ込む雑草。これがいずれモンスターと化す。
半自動なら定植前に取り除くことができる

そして3つ目は定植と同時に潅水してくれること。昨年は砂漠のような畑に定植することがたびたびあった。それに比べると、砂漠に小さなオアシスを作りながら苗を植えていくのはきっといい効果があるはずだ。

苗のそばに、そっと水を添えていく職人の技

ということで、ISEKIの乗用型半自動野菜移植機ナウエルナナ、これを選択して良かったな!と実感するものだった。苗づくりに不安がある新規就農者ほどおすすめできる性能だと思う。数ヶ月前のぼく、買ってしまって大丈夫だよ!

noteを読んでくれてありがとうございます。東京から北海道オホーツクの美幌町に新規就農した3人と1匹家族の農業、子育て、おすすめスポットなどをほぼ毎日更新しています。もしよろしければ「スキ」「フォロー」をお願いします!

サポートとは「投げ銭」の意味です。 サポートにて100円でも200円でも頂けるとやる気に繋がります!皆様のサポートありがとうございます!!