5年間言い続けてきた「飲食店のビジネスモデルを変える」目的と方法 ②キャッシュポイントの拡大
この記事では飲食店のビジネスモデルを変える可能性を秘めた事業について紹介します。
今時点ではこの取り組みですが、他にもあるはず。
一緒に模索してくださる方を募集中です!
前回のおさらい
前回は飲食店を取り巻く市場環境の厳しさについて私なりの見解を記しました。
①レッドオーシャン
コンビニが全国で6万店舗に対して飲食店は全国に60万店舗の絶望的なレッドオーシャン
②付加価値の伝えにくさから起こる価格競争
付加価値を伝えにくく、来店促進のために割引などコストを下げる施策でリード獲得する店舗が多い。そのため価格競争が起きやすい。
③労働環境
価格競争が起きると労働環境が悪くなる、働き手の満足度も下がっていく。
多くの飲食店で培えるスキルは他のビジネスに転用しにくく、厳しい労働環境でも辞めない人が多い。労働環境が改善されていかない。
飲食店が厳しい市場環境にいることは周知の事実だと思いますが、私は上記の視点でそれを分析しています。
その上で、
私なりに飲食店のビジネスモデルを変えるべく取り組んでいる2つの取り組みを紹介します。
ひとつ目は「キャッシュポイントの拡大」です。
これはずっと考えていたことでもありますが、コロナ禍を経験して改めて必要性を確信している策です。
場所を持つビジネスのキャッシュポイントは一つのところが大半
まずは「飲食店」という括りを広げ、飲食店や小売店、ホテルなどを含む「店舗・施設の場所を持つビジネス」という括りで考えていきます。
場所を持つビジネスのキャッシュポイントは一つに絞られていることが多いです。
・飲食店:イートインやテイクアウトを含む来店した利用者からの売上
・小売店:店舗に揃えた品、取り寄せを含む来店した利用者からの売上
・ホテル:当該エリアに何らかの目的を持って訪れる利用者からの売上
場所を持つビジネスには、その場所特有の目的を持って利用されることがほとんどです。
そこで僕が感じたことは大きく分けて大きく二つ。
①場所のポテンシャル
その場所に複数のポテンシャルがあっても、あえて目的をひとつに絞るのはもったいないんじゃないか?
その上、無人でない以上は管理者を雇うコスト(もしくは事業責任者が直接管理するコスト)がかかっているのに、その管理者に1つのビジネスだけを任せるのは機会損失ではないか?
その場所で他のサービスを提供できれば他のニーズに応えることができるのでは?
②限定するリスク
数年後の市場がどうなっているか誰にもわからないのに、キャッシュポイントを一つに絞るのは危険すぎないか?
キャッシュポイントを増やすことであらゆる外部要因に左右されにくくなるのでは?
ちなみに②に関しては「社会人」という括りでも近いものを感じています。
「社会人」という括りでも、多くの人がキャッシュポイントはひとつで、本業を続けるor転職する選択をし続けている人が大半です。
それってキャッシュポイントはひとつ(毎月決まった企業から振込)ですよね?
勤めている会社や業界の変化、その業務を代替する技術の発展、その業務に人気が出て労働単価が下がっていく可能性…
ここにも限定するリスクを感じています。
(その仕事で様々なスキルを身につけることができて、将来のキャッシュポイントを広げる下準備が目的なら別ですが)
(ちなみにキャリアを否定している訳ではないです。経験が浅い状態で独立した僕の方がリスクありましたし、リスクが悪いと言ってる訳ではない。実はリスクあるよ、と言っている)
場所を持つビジネスがキャッシュポイントを増やしにくい当たり前の理由
先ほど社内人のキャッシュポイントについて触れましたが、個々がキャッシュポイントを増やすための活動として「複業・副業」が広まってきています。
働き方が多様化していることについては多くの方が認知しているのではないでしょうか?
ただ、場所を持つビジネスにおいて、現場ではまだまだ複業・副業は浸透していません。
理由は2つと分析しています。
①設備(ハード要件)問題
あえて書くのも憚れるくらい当たり前のことですが、そもそもの設備がないと別のビジネスは始めにくいです。
例えば、飲食店のあるスペースに小売店を新たに開業することは難しいです。
スペースの問題があるし、何より飲食店と小売店では必要な設備が違います。
ちなみに「飲食店の空き時間を活用すれば良い!」と意気込んでいる人はよくいますが、そんなに簡単な話でもありません。
・空き時間を活用するビジネスの管理コストをペイできる収益をあげられる?
・空き時間と本来の時間で用途を転換することでオペレーションコスト増
・そもそも取ってつけたような施策を現場がやりたいと思うか(これ重要)
②人材(ソフト要件)問題
前述の通り一般的には複業・副業が浸透してきておりますが、場を持つビジネスにおける多くの業界でまだまだ複業・副業は浸透していません。
業界に浸透していないと働く人もその発想にならず、今の仕事に全コミットすることが“常識”になってしまいます。
そうなると複業しやすいスキルにシフトしていきません。
複業・副業するための意思やスキルがなければ選択肢すら生まれません。
このように、複業・副業するには業界特有のブロックが発生しています。
設備は後から変更が難しいし、人材は業界に根付いた深い問題です。
ここまで「場を持つビジネス」がキャッシュポイントを拡大しにくい理由について解説しましたが、超超ざっくりまとめると下記です。
・キャッシュポイントがひとつに絞られている
・キャッシュポイントを増やすメリットはある
・でも設備要件と人材要件が業界特有のブロックとなり難しい
ここまで「場を持つビジネス」という括りで解説しましたが、もちろん飲食店に置き換えても全く同じです。
キャッシュポイントを拡大することで飲食店のビジネスモデルを変えられる
それでは飲食店に話を戻します。
多くの飲食店がキャッシュポイントが限られていて、キャッシュポイントを拡大をすることが容易ではない状況下にあります。
簡単ではないですが、その状況を崩していきたいと思っています本気で。
そのための取り組みとして、「物件選びのタイミングで複数のキャッシュポイントを作れる物件を選ぶ」という方法を実践しています。
・後から設備を変えられないなら、先にハード要件を整えておけば良い
・複業が浸透していないなら、勝ち筋を示してソフト要件を整えておけば良い
という考え方です。
飲食店のビジネスモデルを変えると言うよりは、飲食店の枠組みからはみ出すといったイメージが近いかもしれません。
ちなみにこの考えは5年前のぐるなび時代から考えていたことです。
ぐるなび時代には既にオープンしている店舗の集客をサポートしていたのですが、前提条件(家賃・立地・コンテンツ)が整っていないことで「打ち手がない」店舗を数多く見てきました。
最初から不利な条件を把握していたわけではなく、後から不利な条件に気付いたケースばかりでした。
自分の手取りが下がる分には良いと思っている人でも、赤字だと事業を続けることができません。
本来はやりたいことに挑戦するために開業したのに、存続のために売上を追わないといけなくなります。
せっかくやりたいことに挑戦できているのに不利な条件に気付かず大きな決断をして開業して、後から苦戦を強いられる…
それが本当に辛く、「前提条件を整えた上で、開業者が本来やりたかったことに挑戦する座組みを整えたい」とずっと思っていました。
2年かけて手に入れたぐるなび企画のポジションを捨てて飲食店プロデュースのベンチャーに転職したのも同じ理由です。
前提条件を整えたかった。
キャッシュポイントを拡大した飲食店、実際の取り組み
そんな中でスペリアルと出会い、複合施設をプロデュースしていることを知り、痺れました。
しかも自分が焦点を当てていなかった「使われていない賃料は低いがクセのある物件を上手く活かして再生する」という前提条件の整え方。
スペリアルで「場を持つビジネス」をもっと幸福度の高い職業にしていきたいと思っています。
実際にスペリアルでやっている複合施設をご紹介いたします。
①Neriba(練馬)
コンテンツバー×シェアハウス×イベントスペース×コワーキング
②b.e.park(祖師ヶ谷大蔵)
ダイニングバー×シェアハウス×植物×本×コワーキング
どちらも複合施設で、それぞれの場所で管理者が複数のビジネスを運営しています。
前述の通り、キャッシュポイントがあることで売上が拡大、安定しやすいです。
また、様々な機能を備えていることで面白いと思ってもらえる付加価値、バーのお客様がイベントスペースを利用するような認知拡大のメリットがあります。
繰り返しにはなりますが、私は今まで「赤字だから売上を追わなければならず、本来やりたかったことに挑戦できない」方を何十人も(もしかしたら百超える)見てきました。
好きなことに挑戦できるのは、事業が安定した者の特権だと思っています。
もちろん前提条件を整えても「挑戦」はリスクを孕んでいます。
絶対勝てるビジネスなんてこの世に存在しません。
それでも、
多くの方が後になって不利な前提条件に気付く中、複合施設によって有利な前提条件で挑戦を応援していきたいと思っています。
好きなことに挑戦できる人をもっともっと増やしていきたいです。
すんごく長くなってごめんなさい。
ここまで読んでいただき嬉しいです😊
上記をより広い範囲で実現するために、チームメンバーやビジネスパートナーを募集中です!
ぜひお気軽にご連絡ください😊
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