第11回GR人材育成ゼミ(7月20日)チーム発表「もし自分が市長だったら、地域の 『孤立死』をどう防ぎますか? 」
こんにちは。GRゼミ8期生の”はな”です!
今週は、月に1度のドッキドキ「チーム発表day」でした。
今回取り組んだ地域課題は「地域での看取りの増加」について。
ここで注目すべき点は、地域での看取りが増加する背景には、一人暮らし高齢者の「孤立死(孤独死)」が含まれている、ということです。
お題「もしも皆さんが横須賀市長だったら、『孤立死』をどう防ぎますか?」
そこで、今回のチーム発表のテーマは、こちら〜!これを元にチームごとのプレゼンテーションが行われました。
先日の第1回目のチーム発表時の講評を活かし、3チームともに内容も発表スタイルも格段にバージョンアップ!!
皆さん本当に素晴らしい発表で、良い刺激をたくさんいただきました。
※「地域での看取り増加」については、第8回目のゼミレポートで“にゃんP”が詳しくまとめてくれていますので、よろしければ、ぜひこちらもご覧くださいね。
ではでは。早速各チームが横須賀市長になりきってどんな対策を考えてきたのか?ご紹介してきますね!
トップバッターは、私も所属しているチーム「ゆびとま」の”けらら”さんです。
発表1「一人暮らし男性が孤立する無縁社会を変えたい「横須賀版YMCAプロジェクトのご提案」」
私たちのチームでは、孤立死の統計から、男性の孤立死が圧倒的に多い(男性:女性=8:2)という点に注目し、「退職後の男性の生きる支援」を中心にプレゼンさせていただきました。
その名も、
「横須賀版YMCAプロジェクトのご提案」
え?
YMCAって、・・・・ヤングマン・・・ですか・・・?
いえいえ違います!なんてったって、解決すべきは一人暮らしの高齢男性問題。
YMCA
=Yokosuka Men’s Corporative Action(男性の協調的な活動)
結構まじめな内容ですw
● ゆびとまが調べた一人暮らしの高齢男性の現状
・男性単身者が急増している
・単身男性の50%が、数日〜2週間に1回以下しか話さない(会話の頻度)
・「困ったときに頼れる人がいない」と回答した単身男性は20%と圧倒的に高い
高齢者男性・・・修行僧のようだ・・・
● 課題(なぜ一人暮らしの男性は孤立するのか)
女性は、地域の高齢者サービスやコミュニテイを積極的に利用してくれる一方で、男性は良い地域コミュニティやサービスが提供されていてもそこになかなか入りたがらない。
結果、一人暮らしの高齢男性が孤立しがちになり孤立死が増える。
発表者の“けらら"は、実は本業でデイサービスを経営していて、孤立死の問題は、実際にけらら自身も目の当たりにして非常にショックを受けた経験もあり。この問題を、人一倍、自分ごと化しています。
その経験と、先に提示した高齢男性の現状を踏まえ、このような課題を示してくれました。
男性の皆さんなら、共感できることも多いんじゃないでしょうか。
● 対策
ここから(修行僧のような)高齢男性でも積極的にコミュニティに参加したくなり、そして孤立しないサポートをできる対策として、「横須賀YMCAプロジェクト」をご提案させていただきました
「横須賀YMCAプロジェクト」の内容は、こちらです!
そのうち、今回は②の対策を、具体的にご紹介させていただきました。
その名も、地域のかかりつけ工房
“男はつらいよ” ならぬ “男は使えよ”
(♬チャ〜ン、チャリラリラリ・ラリラ〜 チャ〜リラ〜チャ〜リラリララ〜ン♬)
これは、いわゆる、高齢男性のスキルと、地域の困った!をマッチングさせるコミュニティサービスです。
「男は使えよ」拠点は学校内に作り、
【高齢男性】→退職後に、自分の得意な分野・スキルを登録
【地域住民】→それを必要としている地域の人が頼ってくれる
例えば、
・おもちゃの修理ができる
・学校の花壇づくりができる
・夏休みの自由研究を手伝える
・電球交換できる
・将棋を教えられる
などなど。
男性は、誰かに頼られた方が生き生きする。
だからこそ、退職後に「社会的役割」を提供することで、地域コミュニティへの参加意欲も高まり、孤立も減っていく、というのが狙いです。
これに参加すると、男性は以下のような参加特典がもらえます。
将来の介護サービスをお得に利用できるのはもちろんですが、お酒カフェに行けたり、給食食べたりできるのも、楽しそうですよね。
何より、いくつになってもかっこいい大人でいてほしい!
これを横須賀市で支援しながら、一人暮らしの男性の自立を促し、男性の平均寿命を伸ばしていこうというご提案です。
頼まれたら、嫌とは言えねえな。
必要とされるのが生き甲斐だ。
そして、どんどん魅力的になっていく男性たち。
そんな高齢者男性が増える未来を想像しています。
さて。2番目の発表者は、チーム「The Change」の”ジョニー”さんです。
発表2「ふれあいカードで繋ぐ孤立させない町」
ジョニーは、この日内定者研修を終えた後のゼミ参加でしたが、今週から、トレードマークの頭髪が、ブルーになってました(笑)
夏だね!海色だね!(内定者研修、大丈夫だったの?笑)
(ここから出てくる画像の右上をご覧ください)
毎度、今できることに全力投球しているジョニーを、いつもほほえましく思います。次は何色になるんだろう・・・。
余談はさておきw
The Changeのプレゼンテーマは、「ふれあいカードで繋ぐ孤立させない町」
● The Change が調べた孤立死の現状
・一人高齢者世帯と孤立死と見られる高齢者が増加傾向
・単独+夫婦のみ世帯(=孤立死の母数)は、2035年ごろをピークに増加。
・孤立死の発見までに時間がかかってしまう方も増加傾向にある。
ここから、孤立死が引き起こす問題を、前回のゼミで教えてもらった「進化思考の適応フォーマット」を使って、見事にまとめてくれました。
これを見ると、孤立死は、その人だけの問題でなく、
・遺族には、孤立させてしまったことへの後悔を
・地域には、そのエリアのイメージダウンを
・見守りを担う世代にも負担が
など、さまざまな影響が出てくるようにも感じますよね。
● 課題
そこで、The Changeの皆さんが提示した課題は、
・孤立死を促進しているのは、周りに人がいないこと
・孤立する前に対策が打てていないこと。
つまりは、下記のような循環が孤立死を促進していると推測しました。
● The Changeが理想とする社会
人とのつながりが生まれ続ける社会
・高齢者が、孤立したくならない
・高齢者が、人に頼りやすい
・そもそも高齢者を孤立させない町に
・横須賀市として安心して暮らせる町に
・高齢者が、困った時に助けを呼べること
そのための解決策として
「ふれあいカードで繋ぐ孤立させない町」
を提案してくれました。
↓ ↓ ↓
● 解決策
① 住民票データ等活用し、ひとり身世帯の高齢者を検出
② その方々へ「ふれあいカード」を配布
③ 横須賀市としてふれあいの場(BBQや映画鑑賞など)を提供し
④ ふれあいカードの利用履歴からデータを活用し孤立死を事前に防ぐ
まずは、一人暮らしの高齢者がどこにいるのか、把握するところから。
そして、ふれあいカードは、横須賀市が提供する「ふれあいの場」を無料or割引で利用できるカードで。
後には、決済機能を搭載し、利用していない場合には、危険アラートと判断できるので、対象者宅へ、民間企業や市役所職員が見守りを実施するきっかけにもできます。
だから、万が一の孤独死を、早期発見できるという仕組みです。
とはいえ、大切なのは、ふれあいの場で高齢者がつながりを持ち続け、地域に見守る人が増えること。
ここが大事なんです!と熱く語るジョニー。
ジョニー、大学生で若いのに・・・
とっても熱い良い発表でした(拍手)
そして、3番目の発表者は、チーム「へたれアベンジャーズ」の”イザベラ”さんです。
発表3「誰もひとりにさせない横須賀計画」
プレゼン前から、「すっごい緊張してる」ってことでしたけど、元演劇経験者のイザベラにしかできない、演劇スタイルのプレゼン。
すごかったー(笑)こういうプレゼン、わたし初めて見たー(笑)
台本書いたかと思うような、人をひきこむプレゼンに私たちの方がドキドキしちゃいました。
さてさて。そんなプレゼンは、イザベラからの問いかけからスタート。
Q1.あなたは、孤立死したいですか。
▼イザベラアンサー▼
人の死亡率は100%です。遅いか早いかだけの問題です。
自分の死に方は、自分にはわかりません。
・・・確かに。
Q2.あなたに漠然とした孤独死の不安はありますか?
▼イザベラアンサー▼
まだ若いからわかんないか。
・・・確かに。
● へたれアベンジャーズが考える孤立死の現状
・孤立死の平均年齢は、男女ともに61歳(高齢者だけじゃない)
・孤立死の要因は、病死が圧倒的
・若い人も結構いる(自殺より孤独死の方が髙い)
・発見までは、男性の方が時間がかかってる。
・発見者は職場の人が多い。働いてない人は発見されない可能性が高い。
どう?孤立死、リアルに自分ごとになってきた? byイザベラ
例えば、あなたが、今一人暮らしでアパートに暮らしている。
コロナに罹患して、自宅療養をしろと言われている。
体調が悪くて、連絡しても電話も繋がらない。
ばったり倒れて、あなたも孤立死するかもしれません。
なんともドキドキする問いかけ。
ということで。ドーンと、イザベラが横須賀市長宣言!しました笑
● 対策
① 「私の就活登録」の”拡大”
実は、横須賀市には「私の就活登録」という素晴らしい制度があります。
生前の元気なうちに、緊急連絡先・遺言書の保管先・お墓の場所などを登録しておける仕組みです。
この登録窓口を、アパート家主・不動産会社・管理会社など、より生活に密着した民間にも拡大し、広く登録促進を促してもらう方針です。
②定期モニタリング
半年に1回「登録の変更情報ないですか?」とかこつけて、電話/メールなどで連絡。「最近どうですか?」という話もしながら、寂しいリスクがないか確認する、というものです。
③ひとりじゃないよ情報メルマガ
・仲間づくり情報
・相談窓口情報
・健康保険情報
・就労関係情報
・住宅情報など
時々お送りして、「あなた、ひとりじゃないですからね」と寄り添うもの。
④ひとりじゃないよポイントを付与
単身/夫婦のみ/母子父子/無職/介護福祉サービスの未利用
緊急連絡先なし/民間賃貸住まい
などの方々に、ポイントを付与。貯められるようにしておきます。
そのポイントをどうやって活用するかが、⑤番です。
⑤横須賀シェアハウス優先入居
現在、横須賀市には「学生居住支援事業」というものがあります。
これは、市内の戸建て住宅に居住して、日常生活を通した地域貢献をしてくれる学生に家賃助成をするもの。
これ、すごくいいシステムですよね。これを、高齢者向けにも作ってみよう!というものです。
ひとりじゃないよポイントが高い人は、横須賀シェアハウスに優先的に住める。その代わりに、地域の役に立つことに協力しようね。というもの。
確かに。こうすれば、高齢者が必然的にコミュニティに参加するようになりますよね!
ラスト。
⑥ひとりじゃないまち横須賀窓口
管轄・要保護・要支援・要援護の枠をこえて、一人でなんだかリスクがある人と連携をとりましょう!という取り組みです。
いかがだったでしょうか?
へたれアベンジャーズの発表は、今あるものをより実りあるものに発展させていこう!という提案が含まれていて。ゼロから立ち上げることばかりでなく、1→10にしていくのも、スピーディに成果をあげるための新しい発想なのかも、と感じました。
3チームの発表のご紹介はここまで。みなさんは、どのように感じられましたか?感想など、ぜひいただけたら嬉しいです!
個人的には今回のテーマを、ゆびとまメンバーと一緒に考える中で、
身元が判明しても、身内に連絡が取れない状況が増加している。
その要因の一つに、固定電話がなくなったことが起因している。
ということを知り、驚きの発見の一つでした。
理由は、
昔はハローページなど電話帳等で調べることもできたけど
携帯の連絡先は調べる術がなかなかないから。
世の中を便利に解決する一方で、気が付かないうちに別の地域の課題が沸き起こることもある。これもまた、学ぶべきところですよね。
今週も、みなさんの貴重なお時間をいただき、私たちのnoteを読んでくださりありがとうございました。
来週のテーマは、「伊藤羊一氏『課題解決のためのプレゼンの要諦」です!
ぜひお楽しみに!