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悪意で人を傷つける「厄介な人」を見抜き身を守るヒント#5「タイプ別サバイバル術part1」

本シリーズ記事では、いつ、どこで遭遇するかわからない「厄介な相手」から人格攻撃(ハラスメント)を仕掛けられる前に、普段の相手の言動から悪意の有無や攻撃手口を見抜き、攻撃される前にすばやく相手の意図を封じ込めるサバイバル戦略として、
・そもそもなぜ狙われやすい人、狙われにくい人がいるのか?
・タイプ別悪意の有無の見抜き方
・実践的なサバイバル術
・相手に舐められないメンタルを手に入れるトレーニング方法
について紹介していきます。

今回は#2「厄介な人4つのタイプ」で分類した中から「コウモリタイプ」「キツネタイプ」の2つのタイプについて
・事例からみるタイプ別人物像
・具体的な攻撃の全体像(流れ)
・初動段階で相手の悪意を見抜くポイント
・攻撃を無効化するヒント
の4つを中心にサバイバルに必要なポイントをお話しします。


私たちは普段、自身の経験や記憶に無意識に照らし合わせながら(直感心理)、他人の振る舞いを理解しています。
相手の立場になって考えているつもりでいても、実際には「自分の過去の経験の記憶」「信念や価値観」を投影しているから、相手から予期しない攻撃を仕掛けられては翻弄させられるのです。

ですので本記事では直感心理的なアプローチではなく、#1の記事ですでに明らかにしたビック・ファイブ因子や、典型的な攻撃手口(マウンティング、ダブルバインドなど)から、厄介な相手が次にどう動こうとしているのかをリバースエンジニアリング的に分析していきます。

「相手がこうきたら、次はきっとこうくる」といった将来予測が容易になると、攻撃の初期段階から状況を優位にコントロールすることができるはずです。

では、さっそくタイプ別に見ていきましょう。

コウモリタイプの人格攻撃への対処法

<事例>
Aさんは、子育てが一段落したため、家族が学校や仕事に行っている時間帯の仕事だったらと、前職の経験を活かして近くの介護施設で働き出しました。
職場はどちらかといったら和気あいあいとしたアットホームな雰囲気で、Aさんもすぐに馴染めそうだなとホッと胸を撫で下ろします。
働き出してすぐに、Kさんという先輩指導員がつくことになり、Kさんから仕事について教わりながら進めることになるのですが、Kさんは夜勤のシフトや休日出勤が多いため、1週間のうち2日、3日程度しか指導してもうことができませんでした。
そんな状態を気遣ってくれてか、同じシフトの時にはKさんは親身になってわからないことの相談に乗ってくれるため、いつしか仕事に関係のない子育ての悩みや、夫が勤めている会社がブラックだけど戸建て住宅資金のために頑張っていることなど、プライベートなことまでKさんから聞かれるままに答えていました。
そうした状態がしばらく続いたある日、自分のシフトに少しずつ夜勤や休日出勤が多くなっていることに気づきます。
それでも、Kさんと同じシフトでわからないことも聞けるし、きっと他の人の都合が合わなかった分を任されたのだから頑張らなければと、家族と過ごせる時間が減ったこと以上に、仕事に打ち込むことを考えて頑張っていました。
しかし、翌月のシフト表を見ると、翌々月のシフト表も、夜勤や休日シフトがAさんにだけ極端に偏っていたのです。
さすがにおかしいと思い、施設長に確認したところ「あれ?おかしいわね。指導係のKさんから、あなたが夜勤と休日をどうしても希望していると聞いていたから、他の夜勤希望の方に頼んでわざわざずらしてもらったのに」と、逆に驚かれてしまったのです。
そこで今度はKさんに、夜勤や休日出勤を希望していないこと。せめて他の人と同程度にしたいことを伝えたところ「仕事を早く覚えたいだろうと思って、わざわざ施設長に頼んで一緒のシフトにしたのに、私の顔を潰す気なの?」と逆に発言を咎められてしまいます。
驚いているAさんに、「だって、旦那さんの会社はブラックなんでしょ?もしかしたら突然辞めてしまうかもしれないでしょ?そうなった時のためにも、手当の少しでもいい夜勤と休日を増やしておいた方がいいと思ったの。それにわからない点も、一緒のシフトだったらすぐに聞けるでしょ。あなたのためを思ってしてあげてるのよ。わかるでしょ?」とさらにKさんは畳み掛け、Aさんは一言も反論できないまま言いくるめられてしまいます。
後でわかったことですが、Kさんは他の職員にもAさんが住宅購入資金のために金銭的に困っていて、ことさら夜勤と休日出勤を希望しているなど吹聴していました。
以来、Aさんはことあるごとに「あなたのことを思って」というKさんの言葉に抗えず、ずるずると都合のいいように利用されたあげく、最終的には1年で仕事を辞めてしまいました。

・コウモリタイプの人物像

#2でお話ししたように、コウモリタイプのビック・ファイブの特性因子は、外向性・神経症的傾向が高く、誠実性が低いでした。
コウモリタイプは、外向性の高さを活かしてターゲットの懐に入り、相手の弱みや価値観を手に入れそれを悪用することや、神経症的傾向を活かして相手の変化を敏感に察知し、それを攻撃に転用するのが得意です。
また、誠実性の低さから、嘘をついたり、相手の親切心や真面目さを利用したり、裏切ることに躊躇しません。

先ほどの事例でも、Kさんに握られた個人情報を「あなたのために」といった断りにくいフレーズで悪用されていました。

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