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欲望のコントロール

1. ETHのバーンとフードロス

2022年1月に10億ドル相当のETHがバーンされたそう。年間だと発行量540万ETHに対し、350万ETHをバーンしているみたい。

ナンセン・アナリティクスが1日に発表したブロックチェーンデータによると、過去1カ月で10億9600万ドル以上のイーサリアム(ETH)がバーンされた。
過去30日で10億ドル相当のETHがバーン
* コインテレグラフジャパン 2022年2月2日

この話を聞くたびにフードロス問題とシンクロする。世界では、生産した食料の1/3が廃棄されている。

・食料廃棄量は年間約13億トン
・人の消費のために生産された食料のおよそ1/3を廃棄
* 国連食糧農業機関(FAO)「世界の食料ロスと食料廃棄(2011年)」

2. 人の欲望からアルゴリズムへ

バーンにも経緯があり、オークション方式だった当時はバーンされていなかったが、あまりにもガス代が高騰しており、いわゆるLondon(EIP-1559)で改善。ガス代のユーザー負担に変わりはないけど、マイナーにあげるよりアルゴリズムに決めさせて捨てて(バーンして)しまったほうが料金は安いとなったらしく…自由に取引させると欲にまみれて手数料でスタックするから、アルゴリズムで制御したほうが無駄は生じるが効率があがる?!とても示唆的です。

オークション方式(2021年8月まで)
ガス代はユーザーで決められるけど、少なく設定すると永遠に処理が終わらないからみんな多めに払っていそぎたい。その分、マイナーへの報酬が増えていた。
固定価格方式(2021年8月以降)※EIP-1559適用後
ガス代は、基本料金+チップ。基本料金はバーンされる😱バーン量はアルゴリズムで決定。チップがマイナーへの報酬。

3. システムの持続と最適化、無駄をなくせるか?

無駄を生じさせないと持続的にバランスしないのは、人のサガなのでしょうか。過剰供給は資源を枯渇させ、滅びてしまうのは環境問題で学んでいる最中なのですが、無駄なものは、なくせるものならなくしたい。

需要があるから供給がある(供給してしまう)。かつて、デザイナーの原研哉さんは「欲望のエデュケーション」という言葉で、需要の質を高める必要性を指摘しました。

欲望のエデュケーションという言葉が、ここしばらく発想の起点にある。人々の希求に応じてものが生み出されるなら、希求の質がものの質に作用する。おなかの希求に添ってベルトの穴を緩めていくと、しまらないファッションが出現するだろう。「ニーズ」は往々にしてルーズである。だからニーズには教育が必要だ。
欲望のエデュケーション Jun 12, 2011

ETHのネットワーク、 Improvement Proposals などは、まさにそのネットワークの思想そのもの。decentralized でコンセンサスを得て、改善されていく過程は、ある意味で、みんなで自分たちの欲望を決めている気がします。



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