③鼻と口の関係とは!?
鼻腔共鳴とは
鼻で音が共鳴するわけですが、
この鼻の空間、
いわゆる鼻腔は
軟骨で囲まれていて
中の空間を動かすことが
できません。
そしてその空間には
独特の「音響特性」があって
とてもこもった音がするんです。
音響的には、
300Hz周辺が強く、
それわり高い周波数は弱いのですが、
とにかく低い成分だけの音。
鼻腔は空間を動かせないから、
この音の出る空間が
鼻にずっとある!という感じ。
いいですか。
動かないのだから、
手術でもしない限り
コントロールは不可能
と覚えましょう。
コントロールできるのは
鼻腔の"手前"にある、
軟口蓋です。
実は、
その軟口蓋を
どんな状態にするか?
によって
この「こもった音」のする鼻腔が
いろんな影響を及ぼす
ということなんです。
鼻腔共鳴というのも、
おそらく軟口蓋あたりに
何か関係がありそうですね。
とはいえ、
実は鼻腔って洞窟のように
入り組んでいるせいで
その影響の仕方は
科学的にも発展途上。
分からないことが多いですが、
意味ありそうな面白い情報に整理し、
お伝えしたいと思います。
-----
鼻腔はこもった音がします。
これだけ聞くと、
鼻に音を流してしまうと
音色がこもっていく雰囲気が
あるかもしれません。
鼻腔共鳴なんて嘘???
確かに流しすぎると、
口よりも鼻の方に
音がメインで入ってしまうので、
こもった音がとても目立ちます。
開鼻声というやつです。
発音も不明瞭になるので
避けたい人は多いはず。
一方、閉鼻声のように
軟口蓋で完全に
鼻への道を閉じてしまうと、
鼻を必要とする子音が
全く発音できないのは
もちろんですが、
これも全体的になぜか、
不明瞭な音です。
なんでだよ!と思いません?
どっちにしろ
こもらざるを得ないのか??
実は、そうではないんです。
鼻への隙間を用意しつつ、
口腔メインで音が流れると、
だいぶ状況が変わります。
つまり
自然でニュートラルな発音が
最も明瞭ということです!
開鼻、閉鼻のどちらよりも、
豊かな響き、
ハッキリした滑舌、
余計な雑音の減少、
結果、とても明瞭な発音となります。
具体的に説明します。
まず、
口腔は
舌や顎や唇を動かすことで
母音を作ることができます。
口腔がメインになることで、
その動きがはっきり音に結びつき、
それに加えて
鼻腔の音響特性である
300hz付近が
口腔の音色に"付け加わる"ことで、
結果的に豊かな音色と
明瞭な滑舌の手助けとなります。
これは、あいうえお
の発音の明瞭さにも繋がります。
その上の周波数全体では
また別の現象が働きまして、
メインである口腔に対し、
サブである鼻腔が、
全体の雑音成分を抑えます。
この現象を
アンチフォルマントと言いますが、
これがまた、滑舌などを
より明確にするのです。
そうか結局、
自然でニュートラルな
軟口蓋のポジションが良いんだな。
この気づきはOKですが、
じゃあやることないじゃん!
と思った方はちょっと注意です。
人によって、
口腔や鼻腔の状態は異なります。
つまり、
必ずしも、
何もしていないときが
その人の最適なフォームとは
限らないのです。
特に歌となると、
余計な動きが無意識に起こるので
なかなかニュートラルを保つのは
至難の技かも知れません。
例えるなら
地面の上をただまっすぐ歩くのと、
平均台の上をまっすぐ歩くのでは、
訳が違うような感じ。
そして更に困ったことに、
割と多くの人が
鼻腔自体に問題があります。
鼻中隔湾曲症という
鼻の中の壁が曲がる状態や、
副鼻腔炎や
恐らく上咽頭炎など、
鼻の中が腫れている人は、
普通にしていても
閉鼻声のような状態となりえます。
鼻が詰まってそうだな、
なんか鼻悪そうだな、
という声ですね。
母音は不明瞭、
子音は成立しづらく、
高周波数の余計な雑音が入り、
キンキンする。
軟口蓋のフォームを
あなたの技術で調整するより
治療や
場合によっては手術が
根本的な出しやすさに
つながることもあるでしょう。
そこはもちろん
お医者さんの領域ですが、
そこまで頭に入れつつ
自分や生徒さんの声を観察すると
更に解像度も上がるし、
誰かに頼る選択肢も増えて
より良いと思います。
プロシンガーの間でも話題の
慢性上咽頭炎については、
治療できる耳鼻科が
とても少ないです。
数年前の
僕の知り合いのお医者さん曰く、
慢性上咽頭炎は
治療法が確立していないので、
お医者さんになるための
教科書に載っていない、
ゆえに
大学病院で治療できなかったり、
そもそも病名自体を
知らない耳鼻科医も多い。
しかし、
その存在と重要性に気づき、
独立開業後に
治療を行うようになる
耳鼻科の先生がいる。
ということらしいです。
ドロっとした鼻水がずっと出て
体調も崩れがちという
慢性上咽頭炎の治療には、
鼻うがいと、
EAT擦過療法、
別名でBスポット治療というのが
有効のようなのですが、
その
EAT擦過療法、
Bスポット治療をできるのは
一部の街の耳鼻科さんです。
ちょっと前の情報ですが、
googleマップに
日本全国のEAT作家療法できる
耳鼻科さんをまとめていまして、
関東を一見すると
割と多く見えるけど、
日本全国の耳鼻科数で考えると
本当に少ないですよ。
最新情報に更新することが
とても大変なので、
現時点で
googleマップのリンクは
一般公開していないですが、
うーん
興味ある方は
概要欄覗いてみてください。
動画公開までに
方法を考えておきます!
さて、少しまとめると
鼻の空間は動かなくて
鼻と口の境目にある
軟口蓋を動かすしかないんだな
それで
鼻と口のバランスを
とるしかないんだな
良いバランスは
自然なニュートラルにありそうだけど
歌うと自然な状態は崩れやすいし、
そもそも人によって
鼻のコンディションが違うんだな。
そんなことが
ふわっとイメージ
出来たかと思います。
ぜひみなさんには、
自分の声の可能性を
感じてほしいなと思います。
もし鼻がうまく使えなくて
歌うことに絶望していても
それはボイトレじゃなくて
医療の世界が手助けになるかも
しれないじゃないですか。
自分の声はまだまだだけど
伸ばす方法が必ずある
その気持ちをもつことに
つながっていたら
とても嬉しく思います。
さあ、
まだ鼻腔共鳴の正体に
届いていないかのようですが、
これはひとつの
鼻腔共鳴です。
鼻の空間と
口の空間の
関係性をあわせる。
すると
ハッキリした滑舌、
豊かな響き、
雑音の減少、
わかりやすい明瞭な発音
となるわけです。
そもそも世の中、
鼻腔共鳴の定義が
はっきりしていないんだな
ということに
気づく人もいるかもです。
そうなんですよ。
むっちゃ通る音、
抜けの良い音、
ビンビン鳴るような音、
怒鳴っていないのに大きい音、
そのとき、
鼻が使われていそうな音
これを「鼻腔共鳴」
と思っている人もたくさんいて、
そういう人からすると
まだ期待に届いていないかなと。
その人達のほしい説明は
シンガーズフォルマント
かもしれません。
※YouTubeの内容を読んで学べるようにまとめた記事になります。動画はコチラ
ボイトレノウハウの大黒柱から
知る必要がある場合は、
最近まで秘伝のタレ扱いだった
「ボイトレ超重要ノウハウ」を、
期間限定、無料公開しています!
ぜひ公式LINEにご登録ください。
今なら無料LINEに登録&勉強会で、
有料級特典「ミックスボイス徹底解剖」も
プレゼント中です。