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【英語】ビジネス英語を攻略した僕の人体実験⑳ 『英語のResumeでツボらせるテクニック』
シンガポールの高層マンション。窓の外には、熱帯の夜空に瞬く無数の星々が、まるで宝石をちりばめた黒いビロードのようだった。僕は、深い溜息をつきながら、冷えたコーヒーを一口飲んだ。もう何度目になるだろう、この物語を語り始めるのは。でも、あの時の記憶は、昨日のことのように鮮やかに蘇ってくる。それは、僕の人生を大きく変えた、片道切符での海外異動の物語。そして、英語の履歴書と職務経歴書という、新たな試練との格闘の日々だ。
日本を離れると、「こうあるべき」なんて押しつけは、砂漠に降る雨のように消えてしまう。もし、例外を許さないタイプのコメンテーターに捕まってしまったら、静かにその場を立ち去るのがいい。君の貴重な時間が砂時計の砂のように流れ落ちていくだけだから。
日本の履歴書と職務経歴書は、まるで人生の棚卸しだ。名前、性別、年齢、住所、電話番号、そして過去の足跡である学歴。小学校から書き始める人もいれば、中学や高校からの人もいる。趣味や特技を書き込む欄もある。職務経歴書には、新卒で飛び込んだ会社から、すべての職場が時系列に並ぶ。まるで古いレコードを一枚一枚ターンテーブルに乗せるように。僕は日本語の職務経歴書を書いたことはないけれど、これまで見かけたものはおおよそそんな感じだった。
一方、英語のResumeは違う。それは、まるで一枚のポスターだ。履歴書と職務経歴書が融合し、一枚のA4用紙に凝縮されている。お問い合わせ先となる名前、電話番号、メールアドレスが上部に並んでいることは多いが、住所はめったに書かれない。年齢や性別も、触れられない秘密のように隠されている。職務経歴の要約が数行で記され、最近の職歴から順に列挙される。まるで、記憶の断片を拾い集めるように。そして、最終学歴以外の学歴は、ほとんど登場しない。過去の栄光よりも、今の輝きを重視するかのようだ。
日本の履歴書と職務経歴書が、人生の百科事典だとすれば、英語のResumeは、自分自身の広告だ。
広告には、伝えたいメッセージが凝縮され、見る人の心を掴む仕掛けが施されている。最も伝えたいことは、まるで星空の中でひときわ輝く星のように、目立つ場所に、そして魅力的な言葉で表現されている。
僕は人事担当者でもなければ、転職の専門家でもない。だから、何が正解かなんてわからない。そもそも、正解なんて存在しないのかもしれない。ただ、自分の組織に新しい風を吹き込む仲間を探す立場として言えるのは、嘘さえなければ、表現方法は自由だということだ。型にはまったテンプレートなんて、どこにもない。
僕は、小さな文字がぎっしりと詰まった、息苦しさを感じる標準テンプレートのようなResumeは好きじゃない。まるで、窓のない部屋に閉じ込められたような気分になる。芸術作品である必要はないけれど、個性が感じられるものの方が、心に響く。だから、魅力的なResumeを見つけると、僕は人事やリクルーターが何と言おうと気になる候補者とは必ず会ってみることにしている。
そのおかげか、僕の組織には、IT企業のエンジニア部門としてはちょっと風変わりな経歴を持つ人が多い。シンガポールのレーサー、インドネシアのミュージシャン、韓国の人工知能学者、香港のパイロット。まるで、異国のスパイスがブレンドされたカレーのように、多様な才能が集まっている。彼らは、一見すると本業とは無関係な特技を持っているが、驚くほど優秀なのだ。
なぜ彼らが優秀なのか。それは、彼らが「何かを極めた経験を持つ人たち」だからだと思う。一つの道を究めることで得られるものは、計り知れない。まるで、深い井戸から汲み上げた水のように、彼らの経験は、組織に潤いを与えてくれる。
新しいポジションに人を採用する時、社内異動で即戦力となる人がいれば、それはまるで砂漠で見つけたオアシスのようにありがたい。しかし、そんな幸運はめったに訪れない。各部門は職種別に採用を行っているため、僕の組織の仕事内容を理解しているのは、僕の組織のメンバーだけだ。まるで、秘密の地図を共有する探検隊のように。
では、採用において何を重視しているのか。もちろん、会社には明確な採用基準がある。しかし、僕はそれを踏まえたうえで、3つのポイントを大切にしている。
1つ目は、問題解決能力だ。僕の組織は、常に未踏の地に足を踏み入れるような、新しい挑戦を続けている。仮説を立て、成功と失敗を繰り返しながら、暗闇の中を手探りで進んでいく。まるで、地図を持たずにジャングルを探検するようなものだ。だからこそ、高い問題解決能力が必要とされる。「まだ発売されていない製品を、来年スリランカで拡販するための戦略と計画を立ててほしい」そんな突拍子もない要求にも、目を輝かせて取り組めるような、冒険心溢れる仲間が欲しい。
2つ目は、急速学習能力だ。未知の領域であっても、情報を収集し、それを自分の血肉に変えていくことができる、そんな知的好奇心旺盛な人と一緒に仕事をするのは、まるで新しい音楽を発見するような喜びがある。そこには、組織の上下関係なんて存在しない。それぞれが、自分の知識を惜しみなく共有し、互いに成長していく。まるで、お互いを高め合うジャズセッションのように。そんな理想の組織を目指している。
そして最後に、コミュニケーション能力だ。これは、口数が少ない人が不利だと言っているわけではない。相手のレベルに合わせて、わかりやすく伝えることができる能力を、僕は大切にしている。まるで、複雑なジャズの名曲を、初めて聴く人にも感動してもらえるように演奏するミュージシャンみたいに。僕の高齢の母に、生成AIにおけるハルシネーションの問題について、優しく丁寧に説明できるような人と一緒に働きたい。
僕が評価する英語のResumeとは、これらの3つのポイントを、一枚の紙に見やすくまとめた、まるで旅行会社のパンフレットみたいなものだ。
そんな僕が、これまで目にした数え切れないほどのResumeの中で、最も心を揺さぶられたのは、東南アジアのある国の候補者の、こんな言葉だった。
特技: いい声
美男美女は、3日で飽きるかもしれない。しかし、いい声は、いつまでも耳に残る。それは、僕のもう一つの顔が、ミュージシャンだからなのかもしれないし、あるいは、そうではないのかもしれない。ただ、その言葉が、僕の心に深く刻まれたことは確かだ。まるで、静かな夜の海に浮かぶ、月明かりのように。
最後に、僕がResumeを書くならこうするだろうというテクニックをまとめてみたい。僕はもう10年以上転職活動をしていないので、他の企業に応募するResumeを書いているわけではないが、これらのテクニックは採用面接をする側の立場である僕の視点で、こうだったら興味が湧くだろうなというものをまとめたものだ。だから、参考にしてくれてもいいし、参考にしてくれなくてもいい。
まず、"Objective"なんて古臭い項目は捨ててしまおう。グローバルのビジネスシーンはスピーディーだ。そんな回りくどい自己紹介は必要ない。代わりに、"Professional Summary"で自分の強みを簡潔にアピールする。まるで、チリクラブの濃厚なソースのように、記憶に残るフレーズで。
次に、"Work Experience"は単なる職務経歴の羅列ではない。それぞれの職務で何を達成したのか、具体的な数字や成果を盛り込む。まるで、ホーカーセンターの屋台が競い合うように、自分の実績をアピールする必要があるのだ。
そして、"Skills"は自分の能力を余すところなく伝えるチャンスだ。ただし、ありきたりな単語の羅列は避ける。まるで、リトル・インディアのスパイスのように、個性的で魅力的な言葉を選んだほうがいい。
最後に、"Education"は学歴だけでなく、自分が何を学んだのか、どんなスキルを身につけたのかを伝える場だ。まるで、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイの植物のように、自分の成長をアピールして損はない。
これらのテクニックに加えて、忘れてはいけないのが、Resume全体の「デザイン」だ。シンガポールの街並みのように、洗練されたレイアウトとフォント選びが重要だ。読みやすく、かつ目を引くResumeを作成することで、面接官の心を掴むことができるだろう。
さらに、グローバルならではの文化や習慣を理解することも大切だ。Resumeにも、多様性を尊重する姿勢を示すことが重要だ。
また、グローバルの組織は勤勉で効率性を重視する傾向がある。Resumeにも、簡潔で分かりやすい表現を用いることが求められる。長々と自己PRを書き連ねるのではなく、要点を絞ってアピールすることが大切だ。まるで、無駄な装飾を省いた、機能美あふれる建築物のように。
最後に、人間はユーモアを愛する一面も持っている。Resumeにちょっとしたユーモアを交えることで、面接官の印象に残るかもしれない。ただし、度が過ぎたジョークは避けるべきだ。あくまでも、プロフェッショナルな印象を保ちつつ、個性をアピールすることが重要だ。まるで、スパイスの効いた料理に、ほんの少しの砂糖を加えるように。
次回もまたテーマを決めずに僕が思いついたことを自由に書くことにする。英語は世界につながるどこでもドアを開けるためのカギだから、僕は僕が見た僕にとっての新しい世界を、これからもこのnoteに書き綴っていきたい、いまはそう思っている。
もしこのnoteに少しでも役に立つ情報が入っていたら、僕をフォローして今後のnoteも読んで応援してほしい。僕は、副業には一切興味がないので、これからもnoteに有料記事を書くことはないけれど、そのかわりに、これからもnoteを書き続ける勇気がもらえたら、このnoteも継続できると思う。
そして、もし相談や記事にしてほしい内容などがあれば、気軽に僕のプロフィールに載せてあるメールアドレスまでメッセージを送ってほしい。英語学習、海外移住、外資系キャリアなど、少しでもサポートできたら、それ以上の喜びはないのだから。
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