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人生の目的を見つける「サバティカルタイム」

あなたは、「自分のやりたかったこと」について深く考える時間をつくれていますか?

多くの人が、毎日の忙しい生活の中で、「自分は何がやりたかったのか」ということを考える"時間の余裕”すら持っていません。

そうして、「いつか考えよう」「いつかやろう」と先送りにして、これまで何も行動してこなかったのが、今の我々の現状です。

40歳を過ぎると、若い頃のように働けなくなったり、定年退職後にやりたいことが見つからないなど、将来に対して漠然とした不安を誰もが持ち始めます。

こうした不安に駆られて何かを始めようと思っても「自分が何がやりたいのかわからない」という虚無感に襲われることで、人生の幸福度が下がっていきます。

このような”人生の目的”を見失っている人に必要になるのが「サバティカルタイムをつくる」ことです。

この記事では、人生の目的を見つける"サバティカルタイム”という時間の使い方や、サバティカルタイムを取って実践して欲しいアクションプランについてお伝えします。

サバティカルタイムとは"自己理解を深める”時間

"サバティカルタイム”とは「使用用途を決めない休暇」という意味で、企業などでは次のように定義されています。

  • 理由(介護、海外駐在帯同、進学など)がある従業員に長期休暇を与える制度

  • 長期勤務者に対し、休暇理由に関係なく与えられる一定期間の長期休暇

乱暴に略すと「好きなことに使えるボーナス期間」という意味になります。

僕がこの「サバディカルタイム」という言葉を知ったのは、尾石 晴さん著『40歳の壁をスルッと越える人生戦略』を読んだことがきっかけでした。

尾石さんは、この"サバティカルタイム”を「自分業を模索・試行錯誤するための休暇」というように定義しています。

サバティカルタイム取得後の2ヶ月くらいは、中小企業支援団体の勉強会に出たり、セミナーに参加したり、何が向いているかを模索しながら少しずつ試したりしていました。
これらは、収入を得るためにやっているというより、「私には何が向いていているかな」と自己探求していた感じです。

『40歳の壁をスルッと越える人生戦略』

このことを自分なりの言葉に置き換えると、"サバティカルタイム”とは『自己理解を深める時間』と捉えることができました。

僕たちは、毎日の忙しい生活の中で、「自分は何がやりたかったのか」ということを考える時間の余裕すら持っていません。

つまり、意図的にサバティカルタイムをつくらなければ、"人生の目的”が分からないまま、他人に流されて人生を終えることになるかもしれないのです。

サバティカルタイムをつくる目的

サバティカルタイムとは『自己理解を深める時間』であるとお伝えしました。

「自己理解を深める」という結果を出すためには、過去の経験から「自分のやりたかったこと」を自問自答し、出てきた考えを言語化すること、アウトプットと試行錯誤を繰り返すことというステップを経る必要があります。

サバティカルタイムをつくる目的というのは、このステップを経るための時間を意図的につくることにあります。

自分のやりたかっとことを自問自答する

google検索やchat GPTにより、僕たちはインターネットを通じて何でも知ることができるようになりました。

ですが、「自分のやりたかったこと」というのは、何を検索しても、誰に聞いても、そこに本当の“答え”はありません。

「"答え”は常に自分の中にある」からです。

「今よりも時間があったら何がしたいだろう」
「もっと自由に使えるお金があったら何に使うだろう」
「今の仕事以外で選ぶとしたら何をするだろう」

こうした「人生の目的」というのは、誰かに教えてもらうものでも、探し出すものでもありません。

自分の価値観に従って選んできた「過去の経験」から導き出すものだからです。

「今までに夢中になってやったこと:好き
「人から褒められて嬉しかったこと:得意
「人の役に立ったと感じた出来事:ニーズ

こうした「過去の経験」から「自分がやりたかっこと」を自問自答し、考えを"言語化”していくことで「自己理解」が深まっていきます。

「定年退職したら、何をしようか」と考えている人にとっては、この「好き」「得意」「ニーズ」が重なるところ"自分業の種”が隠れているのです。

アウトプットと試行錯誤を繰り返す

過去の経験を紐解いて「自分がやりたかったこと」を見つけても、それが「本当に自分に向いているか」は、やってみないとわかりません。

副業を始めた人によくある話で、一つ目の副業で成功した人は少ないという話があります。

「ブログでうまくいかなかったけど、YouTubeを始めたらうまくいった」というのがその一例です。

これは、ブログがオワコンでYouTubeの方が成功しやすいと言っているのではありません。

その人にとって、「文章を書く」ことよりも「話す」ことや「動画編集」する方が好き(得意)だったという「自己理解」が深まったからになります。

「自己理解」を深めるためには、
『自問自答する → 言語化する → アウトプットする(書く、話すなど)
という流れで、自分の考えを客観視すること(メタ認知)が必要になります。

そのため、言語化するというところまできたら、アウトプットと試行錯誤を繰り返すことが「自己理解」を深める最短ルートになります。

まとめると、サバティカルタイムをつくる目的というのは、過去の経験から「自分のやりたかったこと」を自問自答し、出てきた考えを言語化し、アウトプットと試行錯誤を繰り返すことで、「自己理解」を深めることにあります。

サバティカルタイムは“いつ”つくる

サバティカルタイムというのは、「好きなことに使えるボーナス期間」という意味があるので、長期で取ることが理想です。

退職や休職してサバティカルタイムを取得できれば一番良い形ですが、ほとんどの方の場合、長期の休みを取ることが難しいので、仕事を続けながら有給を取ったり、隙間時間を使ってサバティカルタイムをつくることになると思います。

1日の中で隙間時間を取ってサバティカルタイムをつくるためには、"時間の余裕”が必要になるので、残業を減らしたり、ゲームや漫画などに費やしている時間を減らすということを意識的に行なっていかなければなりません。

ここでは、どうやってサバティカルタイムを捻出して、どんなことに時間を使えばいいのかというアクションプランについてご紹介します。

退職・復職のタイミングでサバティカルタイムを取る

今の働き方に限界を感じていたり、収入や職場環境が原因で退職や転職という選択をする方も少なくないと思います。

もしくは、ハラスメントや長時間労働を受けて精神的に疲れてしまい、休職と取っているという方もいらっしゃるかも知れません。

夫婦共働きで当面の生活費には困らないという方や、復職までに期間が開くという方は、このタイミングでサバティカルタイムを取ってみるのが最適です。

「やりたいこと」が決まっているのであれば、資格取得やリカレントに時間を費やすのもアリですが、そうでないなら『自己理解を深める』ことに時間を使ってみましょう。

「本を読んでみる」
「人と会って話をする」
「行ったことがない場所へ旅行に行く」
「一度やってみたいと思っていた体験をやってる」
「副業を始めてみてる」

仕事をしながらだと、なかなか時間がなくてできなかったことをやってみることです。

僕は、24歳の時に最初の会社を退職して、25歳に今の職場に転職するまでに1年近く時間がありました。

採用されるまで時間があったので、リゾートバイトをしてみたり、SNS(当時はmixi)を通じて知り合った人と共通の趣味を始めたりと色んなことをやってみました。

今思い出すと、あの時間が僕に取っての"サバティカルタイム”で、今の自分を形成するために必要な時間だったのだと感じています。

40歳を過ぎてサバティカルタイムを取るとなると、「仕事もしないでこんなことをしていてもいいのだろうか」と思うかもしれません。
いや、絶対に一度は思うはずです。

でも、よく考えてみてください。

今は人生100年時代です。
65歳で引退しても35年間は自由に使える時間が残っているんです。

そう考えれば、一足先に自由な時間を使ったっていいじゃないですか。

せっかくサバティカルタイムを取るのであれば、尻込みせず充実した毎日を過ごしてみてください。

有給を取って"一人旅”

「退職や休職みたいに、まとまった時間は取れないよ」という方にとっては、「有給を取る」という方法が一番現実的かもしれません。

なぜ"休日”ではなく"有給”なのかというと、休日は家族と過ごす人が多いため、「"一人になれる時間”が取りにくいから」です。

休日だと「遊びに連れてって」とか「自分だけずるい」と言われるのがオチです。

そして、この有給をとってやって欲しいのが、「一人で旅行に行くこと」です。

『お金の大学』の著者で、Youtubeのフォロワー数が260万人を超える両学長も、「時間をとって深く考える時間がない人は、"最低でも2泊3日で大自然の中の旅館・ホテルに一人で泊まってみましょう”」と提案しています。

そして次にあげる「7つの課題」に取り組むことをお勧めしています。

1.  日の出を見る
2.  インターネットを一日断つ
3.  好きな匂い・モノ・場所を見つける
4.  自分の感情・感覚を丁寧に観察する
5.  過去の出来事を整理して「伏線」として考える
6.  やりたくないことを全部書き出し、やりたいことに転換する
7.  「はじめて」の何かを実際に体験する

引用:『夢をかなえるゾウ0』

この「7つの課題」は、シリーズ累計460万部を超えるベストセラー小説『夢をかなえるゾウ0』に出てくる内容です。

『夢をかなえるゾウ』は、夢も希望もない主人公と関西弁の神様「ガネーシャ」との掛け合いが面白い小説で、人生に大切なことがたくさん詰まった本なので、読書が苦手だなという方にもお勧めの一冊になります。

両学長の勧める方法とは少し違いますが、僕自身が有給を取って実践していることの一つに「テント泊登山」があります。

毎年違う山に一人で登山をして、山頂付近でテント泊をして帰ってくるというものです。

僕自身が登山が好きだという理由もありますが、強制的にインターネットを断ち、大自然を眺めがら自分と向き合う時間をつくることで、「自分がやりたかったこと」というコンパスを定期的に再確認することができるからです。

登山じゃなくても、人によってはキャンプや釣りでもいいと思います。

ただし、「趣味を楽しむこと」が目的にならないように注意してください。

隙間時間の"ソロ・ウォーキング”

「有給を取るということも難しいよ」という人や、「1年に1回の一人旅行ではサバティカルタイムとしてはもの足りないよ」という人は、1日の中の隙間時間を活用するしかありません。

そして、短い隙間時間の間に取り組んで欲しいのが『ソロ・ウォーキング』、つまり散歩です。

最近は、健康のためにウォーキングをしている人も増えてきていますが、考えを整理するためにもウォーキングは最適です。

全米で400万部、40カ国以上で翻訳された『ずっとやりたかっとことをやりなさい』の著者であるジュリア・キャメロンさんも、自分自身と向き合うためのメソッドとして「ソロ・ウォーキング」を提唱しています。

1週間に2回、一人でソロ・ウォーキングをしてみよう。
パートナーや友人と一緒ではなく、犬も連れず、携帯電話も持たずにソロ・ウォーキングをしよう。
これはあなたが動いて明晰になる時間だ。
ソロ・ウォーキングだけでも、あなたなの心に、洞察が舞い降りる開かれた空間を生み出す。
ソロ・ウォーキングの最中、よく"ひらめき”が起こる。

引用:『いくつになっても、ずっとやりたかっとことをやりなさい』

これは、スタンフォード大学の研究でも「ウォーキングにより創造性が高まる」ことが科学的にも証明されています。

僕も、通勤や昼休みを利用して、意識的に20分以上のソロ・ウォーキングを取り入れるようにしています。

VoicyやYoutubeを聴いたりすることもありますが、半分くらいは何も聞かずにただボーッとしながら歩くようにしています。

そうすると、悩んでいたことの答えがふと"繋がる”感覚を持つことがあります。
そして、その時出てきた考えを忘れないうちにメモしておきます。

毎日ソロ・ウォーキングするのが難しいという方は、週末の朝だけでもいいので、スマホも持たず、出かける目的(犬の散歩や買い物など)もつくらず、「自分のやりたかっとこはなんだろう」ということをボーッと考えてみてください。

おそらく、20分では足りないと感じると思います。
それくらい効果は絶大です。

まとめ

サバティカルタイムとは『自己理解を深める時間』です。

サバティカルタイムをつくる目的というのは、過去の経験から「自分のやりたかったこと」を自問自答し、出てきた考えを言語化し、アウトプットと試行錯誤を繰り返すことで、「自己理解」を深めることにあります。

サバティカルタイムは、誰かに与えられる時間ではなく、自分でつくり出さなければいけません。

退職や休職してサバティカルタイムを取得できれば一番良い形ですが、それができないという方の場合は、仕事を続けながら有給を取ったり、隙間時間を使ってサバティカルタイムを取ることをおすすめします。

有給を取って「一人旅に行く」、隙間時間を使って「ソロ・ウォーキングをする」ことで、深く自分と向き合える時間を作ることができます。

1日の中に「隙間時間がないくらい忙しい」という方は、この機会に残業の仕方余暇の過ごし方について見直してみるといいでしょう。

次回は、「人生の主導権を取り戻すための"朝活”」という内容の記事を投稿する予定です。

僕のシリーズ記事『LIFE SHIFT 40歳からの人生戦略』では、人生後半を戦略的にデザインしていくために必要な「考え方やアクションプラン」について、30本ほどの記事で構成しています。

週1〜2本くらいのペースで記事を追加していくので、「記事が面白い」「次も読んでみたい」と思っていただいた方は、ぜひフォローをお願いします。

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