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時間を先取りする

あなたは、今年やろうと思っていたことがちゃんと達成できていますか?

「今は仕事が忙しいから落ち着いたらやろう」とか「時間ができたらやろう」と考えていたら、いつまで経っても目標を達成することはできません。

それどころか、睡眠時間を削って仕事をこなしている方は、思考力が低下して正しい判断ができなくなるばかりか、「不幸な老後」を迎える危険すらあります。

「将来のために副業や勉強をしたい」
「毎日を健康に過ごしたい」
「家族や友達との時間を大切にしたい」

このような「幸福な人生に必要なこと」に時間を使いたくても使えないという方には、「時間を先取りする」という考え方を持つことが大切で、幸福な人生に重要でないものに対して「ノー」という勇気が必要です。

この記事では、いつも時間が足りないという感じている方や、仕事ばかりに時間を費やしてしまっている方が、「幸福な人生に必要なこと」に時間を使えるようになる考え方やアクションプランをお伝えします。

時間はあらゆるものと交換可能な資源

ビジネスの現場では、ヒト、モノ、カネ、情報、時間の5つが「経営資源(リソース)」と言われていますが、幸福な人生においても時間はとても貴重な資源の一つです。

さらに、時間は誰にも平等に与えられているからこそ、一日一日をどう過ごすのかによって、成功する(成功しない)などの幸福度に大きな影響を与えます。

何か新しいことにチャレンジしたり、もっと有意義なことに時間を使いたいと考えるのであれば、「何をやらないか」を選択することが重要です。

時間は資源・資本と考える

「時間」には、お金と同じように、あらゆるものと交換できるという性質があります。

例えば、労働時間として市場に提供すれば、給与として対価を得ることができますし、睡眠時間や運動の時間に充てれば、健康を手に入れて充実した毎日を送ることができます。
大切な家族や友人と過ごす時間があれば、幸福な人間関係を築く土台ができます。

このように、時間はお金と同じく、投資をすることにより「お金」「健康」「人間関係」など別の形に変えてリターンを得ることできるという意味で、資源・資本と考えることができます。
そういう意味では、高齢者よりも若年者の方が残された時間(資源)が多く、資産価値が高いというのは容易に理解できると思います。

何を優先して、何をやらないか

当然ですが、一日は24時間しか与えられていません。
趣味や副業など、何か新しいことにチャレンジしようと思っても、あなただけ一日が30時間になったりすることはありません。

若い頃は睡眠時間を削ることによって、やりたいことを叶えてきたという方もいると思いますが、40歳を超えてそのような生活をしていれば、一気にパフォーマンスが低下して体調が悪化するはずです。

さすがに40歳を過ぎても、睡眠時間を削ってまで新しいことにチャレンジしようという気力がある人は少ないと思いますが、仕事、家事、育児に追われて「常に時間がない」と感じている人は多いと思います。

そんな忙しい人が、新しいことにチャレンジしようしたり、家族との時間を増やしたいと思ったら、「何をやらないか」を決めなければなりません。

例えば、残業をなくしたり、同僚との飲み会を断ったり、SNS や動画視聴をやめるなど、そこには少なからず「痛み」を伴います。

世界的ベストセラーになったグレック・マキューン著の『エッセンシャル思考』では、「本当に重要なことにイエスと言うために、その他全てにノーと言う」覚悟が必要であると書かれています。

「全部やろう、全部手に入れよう」と考えるのではなく、等しく与えられた24時間という時間の中で、「何を優先して」「何をやらないか」を選択することがとても重要なのです。

時間を先取りする

「時間がない」といつも口にする人ほど、瑣末(さまつ)なことばかりに時間を使って、本当に自分がやりたいことに使える時間が残っていない場合があります。

時間を浪費しないためには、税金や貯金と同じように、時間も先取りするという考え方が大切です。
さらに言えば、睡眠時間が短い人は「睡眠時間の先取り」が最も重要な課題となります。

税金と同じように時間も先取りする

税金が安定した財源として徴収できるのは、給料として振り込まれれる前にちゃっかりと搾り取られているからです。

一生という単位で見ると、僕たちは働いて稼いだ金額の3分の1から4分の1を税金で納めているのに、天引きされると「取られている」という感覚を持ちにくいと思います。

税金で毎月納める金額が10,000円増えても、あまり気づかないのに対して、一度手元に入ったお小遣いから10,000円がなくなると、急に余裕がなくなるのはそのためです。

つまり、時間についても「残ったら使おう」と考えるのではなく、「この時間は副業に使う」など先に決めておくことが大切なのです。

そういう点で、「朝活」というのは、1日の中で一番時間に余裕がある時に、自分の目標やゴールのために時間を先取りできるのでおすすめです。

睡眠時間を最優先に先取りする

前述したように、40歳を超えたら睡眠時間を削って何かを始めようとするのは無理があります。

睡眠時間を削って残業したり勉強したりするのは、やった感があるかもしれませんが、それはただの自己満足で、日本人は労働時間が長いにも関わらず生産性が低いのは周知のとおりです。

OECDの調査でも、日本人の平均睡眠時間は世界の平均時間と比較して約1時間も短く、疲労感が抜けなかったり、頭が冴えないと感じる人が多くいます。

睡眠の重要性については『スタンフォード式最高の睡眠』をはじめ、多くの書籍で紹介されていますが、質の高い睡眠は心疾患、糖尿病、うつ病などの病気になるリスクを下げるだけでなく、思考力を高めるためにとても重要な要素になります。

睡眠時間が7時間未満の人は、最低でも1日7時間は睡眠時間を確保できるように、睡眠時間を先取りした生活を送ることが最重要課題と言えます。

不安や悩みがあって、なかなか思うように寝付けないという方は、睡眠導入剤を処方してもらってでも、睡眠をとるようにしましょう。

40歳からは時間を分散投資する

投資の格言に『たまごを同じ籠に盛るな』というものがあります。

これは、株式など一つの銘柄に集中投資をしてしまうと、経営が悪化した時に資産の多くを失うリスクがあるので、複数の銘柄に分散して投資した方がリスクも分散できるという考え方です。

この考え方と同じように、40歳以降の時間にの使い方ついても、「仕事」「趣味」「健康」「家族」「友人」など幸福の土台となるものに分散投資していくことが必要になります。

仕事に集中投資し過ぎた結果訪れる『不幸な老後』

僕の父親もそうでしたが、僕たちよりも1世代前の先輩方は、「人生の大半を仕事に打ち込み、定年まで勤め上げたら引退して年金生活を送る」というライフステージが一般的でした。

家庭を顧みなかったことで、配偶者や子どもからも見放され、趣味でつながる友達や同級生もおらず、長年の飲酒や喫煙習慣、運動不足により糖尿病などの生活習慣病を発症したり、処方される薬が増えていくという、「孤独」と「不健康」による『不幸な老後』が社会問題となっています。

実際、警察庁が公表している「令和5年度における自殺の状況」を見ても、「70歳〜79歳」で「無職者」の自殺率が高く、「健康問題」や「家庭問題」を原因とした自殺が大半を占めています。

このことから分かるように、人生後半を幸福に過ごすためには、お金だけではなく「生きがい」「健康」「人間関係」などの幸福の土台をバランスよく築いていくことが重要になります。

『時間の先取り』と『分散投資』

40歳を過ぎたら、幸福な人生を築くための土台となる「生きがい」「健康」「人間関係」にも積極的に時間を投資していかなければなりません。

そのためには、残業や休日出勤など本業にかける時間を減らすことが大前提となりますが、残された時間をどのように過ごすのかをあらかじめ決めておくこと(時間の先取り)が重要となります。

どのように先取りするかは人それぞれ仕事や家庭のライフサイクルがあるので一概には言えないと思いますが、僕の場合は次のように時間を先取りをしています。

  • 朝5時から7時までは、副業や資格取得のための勉強

  • お昼休みの間に、30分のウォーキングと軽い筋トレ

  • 夜7時から9時までは、家族とご飯を食べたり家事をする

  • 夜9時半に寝て、朝5時に起きる

  • 月に1回は、趣味の友達と遊んだり同級生と会う

  • 土日のどちらかは家族で出掛けて、年に2回は家族旅行に行く

このように時間を先取りした生活やスケジュールを組むことで、「1日をどう過ごそうか」という精神的な負担が少なくなり、習慣として続けることができるようになっています。

今すぐにできるアクションプランとしては、スケジュール帳にこうした幸福な人生に必要なことを先に入力しておくことです。

明日からいきなりライフサイクルをガラッと変えるのは難しいかも知れませんが、少しずつ意識することによって、行動が積み重なり、習慣となります。

まとめ

「時間」はお金と同じように、幸福な人生に必要な「お金」「健康」「人間関係」などに交換できる資源・資本です。

若い頃は睡眠時間を削ったりしながら、自分のやりたいことを叶えることができたかも知れませんが、40歳を過ぎたら無理ができなくなります。

そのため、1日24時間という限られた時間の中で「何を優先して」「何をやらないか」を決めることが重要であり、睡眠時間が足りていない人は、特に睡眠を最優先に考えなければなりません。

40歳を過ぎたら、残業や休日出勤をできる限り減らして、仕事以外の「生きがい」「健康」「人間関係」にも分散投資をして、1日のスケジュールの中でどう使うのか「時間の先取り」をしておきましょう。


次回は、「残業をなくす」という内容の記事を投稿する予定です。

僕のシリーズ記事『LIFE SHIFT 40歳からの人生戦略』では、人生後半を戦略的にデザインしていくために必要な「考え方やアクションプラン」について、30本ほどの記事で構成しています。

週1〜2本くらいのペースで記事を追加していくので、「記事が面白い」「次も読んでみたい」と思っていただいた方は、ぜひフォローをお願いします。

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