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ビジネス英語、技術コンサルティングの現場

ここからの話は、ビジネス英語といっても、技術コンサルティングに係るものです。汎用性はないかもしれませんが、「こういう仕事の進め方もあるんだな~」程度でご覧ください。

ここ10年近くは一般財団法人に所属し、日本企業からの仕事を請け負い、技術コンサルティングを行ってきました。企業からの依頼に対して、下調べをしたり調査の準備をしたりします。国内についての調査の他に、海外に赴きヒアリングなどを行いました。訪問した国は、モンゴル、米国、韓国、中国、インドネシア、豪州、トルコ、ブルガリア、ドイツなどでした。

ヒアリングの結果をまとめ、依頼趣旨や目的に沿ったレポートを作成して納品する仕事です。この法人では、東南アジアや中国への出張が多く、通訳を使うことが普通であったため、下調べでは英語を使っていましたが、出張先で使う事はそれほどありませんでした。

現地のヒアリングといっても、予算の関係から何度も行くことはできません。通常は1度だけです。従って、下調べや調査準備が非常に重要となります。それでレポートの7~8割は書いておき、現地のヒアリングで補足、追加、修正します。それらを最後にまとめて、調査レポートを作成するというのが、効率的な仕事の進め方でした。

英語を使う重要な場面は、下調べや調査準備の段階です。先ずは、依頼事項に関連すると思われるレポート類を調べます。また、ネットなどから新しい情報を求めて、日本語のキーワードを入れて検索します。テーマによっては、日本語検索ではあまり出てこないので、英語やほかの言語によるキーワードも入力して検索します。調査テーマ周辺のキーワードを色々変えて、検索を繰り返します。特別な事ではなく、どのビジネスでも普通にやっている事だと思います。

そこで出てきたレポートを読んでみますが、求めている情報がないこともあります。一方で、興味を感じたり、その内容に疑問を感じさせるようなレポートやペーパーに遭遇することも多々あります。以前は、インターネットなどない時代でしたから、コピーした文献、報告書、書籍など、内容を読んでそこでおしまいでした。内容について問い質すこともできなければ、その方法も知りませんでした

ところが、最近の技術レポートには、著者のメールアドレスが書かれていることも多いのです。これは、「ご意見を受け賜りますよ」という意志の表明です。先ずは、著作者のメールアドレスが書いていないか確認します。

アドレスが出ている場合、例え、知らない人であっても、積極的に連絡を取るようにしていました。しかし、どこの国かも不明な全く知らない人からメールを貰っても、相手は怪しむだけかもしれません。返事が戻って来るという確信はありません。ダメもとで発信します。そこは十分気を付けてメール文を始めます。周りで、そこまでしている人はいなかったようです。ちょっとした心の障壁があると云えばあるわけですが...

相手のレポートが「注目すべきものである」という良い評価から書き始めます。これが導入部です。その後、「ここの論点については、自分も調べたりしているが良くわからない」だとか、「自分の考えはこういう点で違っている」などと続けます。ここで、メール文の中で自分流に議論を展開します。その後、「詳細な説明や補足するデータやレポートがあれば、送って欲しい」などと伝えます。

そうすることによって、大体、7~8割程度の確率で情報を送ってくれました。それもおざなりな回答ではなく、ちゃんとしたデータや文献を添付してくれたり、未公開の資料を見せてくれたという返信でした。

このようにして、米国、ドイツ、イギリスなどの未知な相手から情報を送って貰い、自分なりのレポートを書いてきました。随分、便利な時代になったものだと痛感する日々でした。ここでも、英文を要領よく作成すること、気軽にe-mailを送ることの重要さを再認識しました。


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