ジョシュ・ホウリ―共和党上院議員 「ビッグテック5社を解体せよ」
米国前大統領トランプ政権の国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏に匹敵する優秀な人材と聞いていたジョシュ・ホリー共和党上院議員の著作である。
ジョシュ・ホリー氏は、アメリカの法律家、政治家で、連邦最高裁判所ジョンロバーツ最高裁判事クラーク(助手)、ミズリー大学ロースクール准教授、ミズーリ州司法長官を経て下院議員(ミズーリ州選出共和党)。
この本の原題は「The Tyranny of Big Tech (Regnery Publishing, 2021)」、日本語で「ビッグテックの暴政」あるいは「ビッグテックの暴力的支配」とでもいう書籍である。
ビッグテック5社(アップル、アマゾン、グーグル、ファイスブック、マイクロソフト)の経営者たちは、人類史上、最も力を持つ企業を経営している。さらに、彼らは政府からの積極的な支援を受けて力を増し続けている。そして現在、ビッグテックと大きな政府は一緒になって、アメリカ国民のみならず多くの人々の生活の隅々にまで影響力を拡大しようとしている。
記憶に生々しく残っているのは、前回の米国大統領選で起きたインターネットのアカウント停止や言論統制、BANなどであった。米国大統領であるトランプ氏のアカウントが停止になったなど、想像もしないことが起き、非常に驚いた。多少、緩和されたのかも知れないが、現在でも、言論統制の動きは続いている。ジョージ・オーウェルの小説『1984年』の世界が、ここにやって来たような思いに至った。
ビッグテック5社の株式時価総額は800兆円を超えた。すでに日本のGDPを超え世界第3位の経済規模を持つ大国と同様の存在として成長しつつある。
しかも、ビッグテックは単なる巨大な企業集団ではない。彼らは、独占的な立場を利用して、ニューズ、情報、言論に対する影響力を秘かに行使し、「社会はこうあるべき」という自分たちのヴィジョンを現実化させようとしている。
ジョシュ・ホリー氏は、巨大IT企業による恐るべき洗脳支配の実態をザッカーバーグと議会で対決した経歴を有している。ビッグテックの実態についてあますところなく描いている。
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